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ストリートチルドレン②~フィリピン~

1日目のゴミ山での衝撃を引きづったまま

研修は2日目に突入しました。

この日は、ストリートチルドレン達の

保護施設を訪れました。


私達が泊っていた市街地のホテルから

その施設に行く道すがら

私達はスラム街を訪れました。

そこには、ストリートチルドレンだけでなく

おじいちゃんやおばあちゃんなど

ストリートファミリーが沢山暮らしていました。


スラム街は、川を囲むように

長く細く形成されていました。

理由を聞くと

川の周りの土地は、誰の土地でもなく

追い出される心配が少ないからだそうです。

また、生活用水が手に入りやすい点も

理由のようでした。

そこにも、昨日同様

子ども達の無邪気な笑顔がありました。


スラム街を小一時間見て回った後

またバスに揺られて、目的地を目指しました。

着いたのは、閑静な住宅街。

その中の1つが、ストリートチルドレン達の

保護施設になっていました。


この辺りの地区は

そのような保護活動に積極的なようで

私の記憶が正しければ、

どこかの医療団体が、低所得者層向けに

無料の歯科検診を行っていました。

その中には、日本人男性の姿もありました。


昨日のゴミ山、今日のスラム街で

何もできない私、そして

何をしたら良いのかも分からない私に

落胆しきっていた私は

その施設で子ども達に会うのが

怖くなっていました。


そんなビクビクした気持ちで

施設にへと足を踏み入れた私に

またしても子ども達は

屈託のない笑顔で笑いかけてくれたのでした。

先生と一緒に練習したという歌やダンス。

友好のしるしの握手。

もう、一つ一つに胸がいっぱいになりました。


と同時に、私は自分を恥じてもいました。

何もできない

何をしたらいいのか分からない

という気持ちが

なんとも上から目線と言うか

傲慢な態度、考え方からきていると

気付いたからでした。

私はいつの間にか彼らより”上”の

”施す”側の立場に立っていたのでした。


気付いた瞬間から

私は、いたたまれなくなりました。

無意識に上下を意識していたなんて。

なんて偽善的なんだ。

初めて途上国開発・支援の夢を志した時は

もっと純粋だったはず。

助けたい、世界をよりよくしたい

と思っていたはず。

いつから私は”施す”側になったのか。

自分で自分を許せなくなると同時に

そんな気持ちで今後もやっていく可能性が

あるのかもしれないと思いました。

そう考えれば考えるほど

自分には、途上国開発・支援の夢を掲げる

資格がないと思うようになっていったのです。

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