見出し画像

事業の成功確率を上げる方法

株式会社フラクトライト代表の中川優志(@ugnk93)です。株式会社フラクトライトは、生成AIで広告マーケティングの切り口で新事業を立ち上げている会社です。

今回は、私がこれまで学んだ事業の成功確率を上げる方法を2つ共有したいと思います。1つにしようと思いましたが文脈として一緒に話した方がわかりやすそうだったのでセットにしました。

事業の成功確率をあげる方法
① 変数を固定する
② 投資しすぎず、しなさすぎず

背景説明

これは私が新卒で入社したGoogleを辞めてジョインしたスタートアップのラクサステクノロジーズで学んだことです。「シェアリングエコノミー」の文脈でブランドバッグのレンタルサービスを展開する会社でしたが、本当に色々なことを学ぶことができました。

Google時代に副業で知人と起業しており、思ったようにうまくいかずバーンアウトして方向転換しました。ちょうどそのタイミングで、Google広告のクライアントとしてバッグのレンタルサービスの案件を持っていて、私が似たような事業をやっていたのを知っていたので、どうやって事業成長できるか相談してきたのがきっかけで知りました。すでに起業に興味があった私は、似たような事業をやっていて成功する理由は何か知りたくて、興味を持ち始めました。

ブランドバッグのレンタルサービス「ラクサス」の運営会社はもともと通販を生業として成功していた広島を本社とする会社で、ヒット商品を数々と生み出した後に、ブランドバッグのレンタルをはじめて成長した会社です。現在はアパレル業界の上場企業ワールドにM&Aして参画しています。

通販や物流のノウハウが大量に蓄積されていて、学びが非常に多かったのですが、ここで学んだことで、その他の商売でも汎用性の高かった考え方を一部ご紹介しようと思います。

1. 変数を固定すること

通販で成功している企業は、ヒット商品の裏に数々の失敗や、成功とまではいかないまでもそこそこの商品があり、新しい商品開発を行って何度もマーケティングして実績を上げています。そうしていると、うまくいく流通方法、マーケティング方法、サイトの作り方、箱の作り方、と事業の色々な側面でノウハウがたまり、ある程度決まった方法ができあがります。そして最後の唯一の変動要因は「商品」になります。売れ行きとユーザーの反応というフィードバックで結果を検証、修正ができます。

事例①:例えばP&Gはある程度、どういう商品をどれくらいマーケ予算かけたらどれくらい売れるかシステマチックにモデルがあると聞きました。これも、何度も商品開発して同じような手法でマーケをやり続けたからこそモデル化されていくのだと思いました。

事例②:北の達人コーポレーションがうまくいくのも、固定した流通方法とマーケティングチャネルでやるからこそ、ユーザーニーズと商品設計にフォーカスできて確度をあげれると考えています。トレンドとは関係ないセグメントで商品のアイデアを考案する話がありましたが、このニーズのセグメントを固定しているのも確度を上げる要因になっていると思います。

その他D2Cブランドで何個も商品作っているところや、アフィリエイトで商品販売している業者は、似たような傾向があると思います。

事例③:YouTubeチャンネルも同じでした。YouTubeチャンネルの運営を行い3年間え10万人のチャンネルを2こ作りました。このときも、動画のカテゴリを固定して動画コンテンツを投稿していると、アルゴリズムの挙動がわかるようになります。アルゴリズム対策を続けると、あとはユーザーニーズの把握とコンテンツの創出にフォーカスできて、感覚がつかめるようになって、あたる方法がわかるようになりました。

つまり物販においては、流通方法と売り方を固定したら、売るものだけが変数になって、これは何回も繰り返すことで、売れ行きとフィードバックという情報を元に改善が進み、あたる商品がわかるようになる、領域を絞れば絞るほど精度が高くなるということでした。そしてこの変数固定の考え方は通販領域でなく、他の事業領域でも共通していました。

起業していない人、起業したての頃は、この感覚がわかりませんでした。起業してみて、成功していているスタートアップで働いてみて、肌感で実感することで、変数を固定すればするほど事業成功確率も成長スピードも上がることが実感できました。また、同領域で何度も商品開発やって成功している人達やシリアルアントレプレナーは、この感覚が研ぎ澄まされていてヨミの精度が高いと思いました。

通販領域だと、繰り返し同じ方法でやって成功している人達が多いですし、おそらく、MLMだったりネットワークビジネス、投資詐欺も、やり方がワンパターンだけど、だからこそノウハウが確立されてて、変数がとても少ないので、変な意味だけどうまくいきやすいのだと思います。光通信系の回線販売のビジネスも、独立する人が多いですが、やり方が確立されているので成功しやすいといえます。

スタートアップで成功確率が高くなるのは、この変数固定が事前にハマってて仮説検証を高速で行って引き当てたパターンか、変数固定の状況にいち早くたどり着くことができた企業だったりします。ここ最近の広告業界のスタートアップで変数固定と商品設計がうまいなと感じたのはZealsさんでした。

2. 投資しすぎない、投資しなさすぎない

これは別の記事にしようと思いましたが、前述のポイントとあわせた方が理解しやすいので一緒にした。通販で商品開発にフォーカスして何度もやってると、どんなニーズがどれくらいの規模感あるのか予測する精度が高くなってきます。なのでこの商品はこれくらい売れるだろうなーてのがわかる。そうすると、LTVの利益計算と、投下コストをどれくらいにすべきか精度高くわかるので、「踏みすぎない」。

ある程度踏まないと売れないけど、踏みすぎると赤字になるので投資回収できない。この塩梅は、同領域で何度も商品をだしていたり、シリアルアントレプレナーだと、とても精度が高いと感じています。

事業失敗でよくあるのが、実需に対して踏みすぎて短期で投資しすぎるパターンです。自分も過去に経験しましたが、あると思っていたところになかったときの影響はでかくて回収するのに時間かかるし、キャッシュフローの損失も大きくなります。投資家目線だと、早く潰して早く次をやるというスタンスで、起業家がやりきっている限り実需がわかるのでよい情報かもしれませんが、起業している立場からしたらたまったもんじゃないので、自分の経験や信頼できる実業家のアドバイスで読む必要があると思います。

一方で、PLばかり重視しすぎて事業成立のために必要最低限の投資ができないケースもよくあります。この場合、短期的な顧客獲得やPLが傷まない施策ばかりになってしまい、結局数は打つけど成功確度が著しく低いという状況になることが多いです。

起業したい人へのアドバイス

起業に興味がある方へ。もし、やりたいことがわからないけど、漠然と興味のある領域があるなら、その領域で成功しているベンチャー企業で働いてみるのはおすすめです。変数を固定するためのノウハウが蓄積されていて、自分が独立して起業するときに、リスクをとる部分だけリスクをとれるので、無駄なリスクを取りすぎず、いい塩梅で起業できます。

ぽっと出の華やかなスタートアップやベンチャーで働くのも面白いかもしれませんが、そういう事業として試行回数が少ない状況から勝ち筋を抽出して自分のものにするのはだいぶ賢さやセンスが必要だと思います。なので人によってはありです。

しかし、飲食でも、通販でも、不動産でも、通信回線の代理店でも、投資詐欺でも、アドアフィでも、クリニック経営でも、どんな領域でも同じ領域で何度も何度も商品や事業を成功させている企業は世の中に色々あって、そういう企業で働けば、何も考えずにただ真似して行動し続けるだけである程度の行動パターンは身につくので、人によっては成功しやすい道筋かもしれません。


以上、事業の成功確率を上げる方法を2つご紹介しました。

今後も、起業に関することや生成AIに関すること等、投稿していきますので、興味のある方はnoteやXのフォローお願いします!


現在フラクトライト社では、生成AI×広告マーケティングの領域で事業をやっています。興味のある方はご連絡ください。(X 旧Twitter)FacebookLinkedIn

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?