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ビジネスモデルについて

株式会社フラクトライト代表の中川優志(@ugnk93)です。株式会社フラクトライトは、生成AIで広告マーケティングの切り口で新事業を立ち上げている会社です。

noteでは、弊社のことがちょっと気になる人達へ向けて、事業やこれまでやってきたこと、今後取り組んでいくことについてご紹介します。

前回の記事はこちら

今回は、第4回 ビジネスモデルについて です。

これから公開する内容
 第1回 創業者(私)と社名について
 第2回 市場選定について
 第3回 実現したいことについて
 第4回 ビジネスモデルについて・・・・・本日のテーマ
 第5回 キャラを作成して学んだこと
 第6回 生成AI×キャラ領域の市場機会について
 第7回 海外への法人移転について
 第8回 現在の事業内容について
 番外編 未定

前回の投稿では、日本のどのような問題を解決するために事業を開始したのか。どのようなことを実現していきたいのかについて共有させて頂きました。そこで、『日本の労働力不足を人間の尊厳を大切にする形で解決したい』『個人・中小企業が生成AIで稼げる新しい手段をつくりたい』という話をしました。

本記事では、なぜ「キャラAI」を始めることにしたのか、そのプロセスをご紹介したいと思います。

自分の経験を生かした切り口

最初の事業として、toC向けに「キャラAI」というサービスを作ってみました。ChatGPTをキャラクター化して会話&マイクロタスク処理ができるサービスで、YouTubeで動画を投稿して収益化するように、クリエイターがAIを作って貢献度に応じて収益配分を受け取れる仕組みです。

当時の資料の一部

前回の記事で書いたように、私は生成AIで個人や中小企業にインパクトがあって、「ドメインエキスパート」の存在が重要だと考えています。それは医療や弁護士といった堅苦しい領域だけでなく、アニメやゲーム等の趣味領域も含めてです。YouTubeをみてみると、やたら詳しい人が解説してくれるチャンネルがあります。私はその延長線上に、やたら詳しい人達がメディアとして収益を得るだけでなく、AIを作ることで稼ぐことができると考えています。

自分が広告・マーケティングのバックグラウンドなので、マーケティングの切り口でビジネスモデルを構築したり事業参入できる方法を探す中、ChatGPTが話題になったのも単純にインターフェースが対話型になったけど、日本ぽくないなと思ってインターフェースを日本最適化する形を模索しました。日本ではC向けだと、LINEでAIを使えるAIちゃっとくんというサービスが利用者数が伸びていました。

また、C向けに価値の高いサービスを作ると、目ざとい中小企業から中心に勝手に使い始めて広まるので、いかにC向けに価値が高く使いやすいサービスを作るか重要だと考えました。

キャラ化した理由

理由①:マスアダプションの課題はインターフェース

私はIT業界にずっといるので、生成AIがバズりはじめてから、日本国民の誰でもChatGPTのことを知っていて、利用しはじめているような錯覚がありました。しかし、旅行先で人々にChatGPT知ってますか?使ってますか?と聞いてみても知らない人が多い。東京都内の電車の中でみんながスマホで何やってるかのぞいてみても、ChatGPT等のAIを利用している人はいない。なので、まだ社会に普及し始めているとは思いませんでした。

サービスが「普及し始める」肌感は、身の回りの人達が話ししたり使ったりしている状態でわかると思っています。そういう実感ベースで変化を感じるものは、数字をみてみるとだいぶ急速に広まっています。最近だと良い例が新NISAで、電車の中でスマホ見ながら株取引の話している人がいたり、まったく投資に関係なかった知り合いがS&P500に投資した話をしていたり、短期の含み益に一喜一憂していますが、これは相当ハイペースで広まっています。(ビットコインのときに似ています)

わかりやすい例は、タピオカ店が増えていたり、ここ数年だとポーカーバーが増えていたり、もっと細かい部分もありますが、マーケティングをやっていると常に身の回りのそういう変化に気を配っているので、気づくことがよくあります。

しかし生成AIは肌感まったくありませんでした。そこで一般消費者に生成AIが使われるようになるためには、インターフェースが課題だという仮説をもって、それを解決してみようと思いました。

日本ではパソコン、スマホ、等の新しいテクノロジーやツールが出てきたときにアレルギー反応があって、難しそうだから使わない、と反射的に考える人達が多いと思っています。しかし、表面をキャラ化することで使ってみようかなと思うのではと思いました。すでに、女子高生AIのりんな、キズナアイ、佐藤健LINE、といった事例があったので、表面をかえるだけで使いたくなる人は増えそうだと思いました。

理由②:日本人にとってAIといえばキャラ

日本人にとって、AIといえばロボットで、デジタルの世界から飛び出て人間といっしょに生活する人形・猫型ロボットです。ガンダム、マジンガーZ、鉄腕アトム、ドラえもん、エヴァンゲリオン、等。海外のコンテンツでも、ターミネーター、アイアンマン、などが好きです。つまり連想しやすくて親しみやすいので、アレルギー反応にはならないと思いました。

理由③:エンゲージメントが上がり成約率が上がる

対話型のインターフェースで人格化したAIと会話できるとすると、寄り道した会話、そして感情のある会話をすることでエンゲージメントが上がり、結果的に会話された内容に対する認知度の向上、商品理解の促進、購買意向の向上が期待できると思いました。マーケティング観点なのですが、電通もこの軸でプロジェクトに取り組んでいました。

理由④:利用継続率が上がる

ChatGPTを使ってみたけど、全然だめだ、という口コミが多くありました。これを、AIに対する期待値と結果のギャップも一因としてあると思いました。つまり、AIが精度100%で早く正確に回答したり思い通りのタスク処理してくれると期待しているにも関わらず、アウトプットが及んでいないので落胆しているということです。しかし、事前期待値でそもそも低く見積もられていて、例えばAIをのび太だと思っていたら、期待値が低いので不完全であっても落胆には繋がらないのではということです。

制約条件

キャラ化にあたっての制約条件は著作権です。生成AIの特性上、確率論的に挙動するので100%精度を担保することは難しいです。これが権利保有者の懸念点として、AIを利用しない最大の理由になると思いました。また日本の著作権法は米国のそれとは違ってグレーゾーンや解釈の変更が存在しなくて、白黒つけるので、市場が存在しなくなったり、いつさされてもおかしくない状態で、だまでやるしかなくなる可能性があります。現在の日本だとこういう状態でサービスを伸ばすと、みせしめに逮捕されたり、社会的に制裁をくらったりするので、企業としてやるのは危険だと思いました。

なのですでに確立されたキャラや芸能人のキャラづくりはとても時間がかかるし、できても事業としてスケールするのがまだ難しいと思いました。しかし、著作権がない歴史上の人物やオリジナルキャラであれば実現可能で、こちらの方向でやってみることにしました。

すでにあったいろいろなキャラ×AIのサービス

すでにあったキャラ×AI関連サービスだと、エアフレンドAIフレンドキャラる大喜利AIパトナChara.AI GeneratorIvy、などありましたが、解決したい課題だったり、ビジネスモデルが異なっていたので、とくに競合とは考えていませんでした。

また、エアフレンドがLINEで100万人を超えるユーザー数がいたけれどもBANされてアプリ化してユーザーが戻ってきていないようだったので、ここらへんのニーズで数十万人のユーザーが浮いている状態だと考えていました。

これらのサービスを見たところ、エンタメ推し活領域でコインを購入して利用してもらうような従量課金にしていて、これがサービスの普及にネックになっているのではないかと感じました。

広告課金モデルをつくる

C向けの生成AIのサービスが、月額サブスク課金 or 従量課金の2択しかマネタイズの選択肢がないので、これがサービス拡大のネックになっている気がしました。

ネットフリックスやスポティファイが月額1,000円やそこらで利用できて、グーグル検索が無料で使えるので、私達のプラットフォームも月額課金にしたとしても、高くて月480円が妥当なラインだと思いました。しかし、利用されれば利用されるほどLLMのトークンコストが増えて利益が潰れるので幽霊会員ビジネスにする必要があります。一方で従量課金にすると、ユーザー数が減少するので、特定の深いニーズをとりにいく必要がでてきます。

そういう形でマネタイズ手段がネックになってサービスの成長が限定されていると感じました。なので単純に、検索エンジン、ウェブサイト、YouTubeが広告で収益化しているように、生成AIでも利用されるたびに広告が表示されて広告で収益化ができて、少なくとも「広告収入>生成AIのトークンとサーバーコスト」の状態になれば利益が生まれ続けてC向けサービスの幅が広がるのではないかと考えました。

既存の広告配信ネットワークはチャットやLLMのフォーマットにあっていなくて、単価が安くなっていたので、生成AIのフォーマットに最適化された広告配信技術を作ってみようと思いました。

このようにして、キャラAIのビジネスモデルができあがりました。


今回は、ビジネスモデルについてお話させて頂きました。いかがでしたでしょうか。実際にサービスを出してみてユーザーヒアリングや開発を通して気付いたことなどを「第5回 キャラを作成して学んだこと」で下記のようなポイントについてまとめてみようと思います。

  • ユーザーの特徴

  • ニーズの深い部分とマネタイズできる

  • 成立しうるビジネスモデル

  • ユーザーヒアリングでの発見

  • キャラつくりのコツやポイント

  • VTuberとAITuberの違い

今後は下記のようなテーマで記事を公開していきます。できるだけ具体的に有益な情報を共有できるようにまとめますので、ぜひツイッターをフォローしてウォッチしてください!

次回は、「キャラを作成して学んだこと

実際にChatGPTをキャラ化できるサービスをつくって、また自分たちでキャラを作成してみて気付いたことや発見などをご紹介していきたいと思います。

今後のトピック
 第5回 キャラを作成して学んだこと
 第6回 生成AI×キャラ領域の市場機会について
 第7回 海外への法人移転について
 第8回 現在の事業内容について
 番外編 未定

現在、生成AI×広告マーケティングの領域で事業をやっています。興味のある方はご連絡ください。(X(旧Twitter)FacebookLinkedIn

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