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身体異化論

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古今東西の身体の変革に関しての考察。
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パンデミックをつくったのは誰か

2020年の4月14日時点での新型コロナウイルスのパンデミックについての論考として「パンデミックをつくったのは誰か」を、Wireless wire newsで連載中の「ネガティブの経済学」のページに掲載した。 予想以上の大反響であったので、こちらのブログにも再掲する。 ■■だれもが同じ方向を向いているとき今やどこを見ても人々の口からは新型コロナウイルスの話題しか出てこない。各種の大手メディアやインターネット、SNSではこのウイルスの話題以外はすっかりと姿を消した。未曾有のパ

三元論という補助線

 先日、韓国に居る僕の風水の師匠である金キドク先生に習った三元論は非常に興味深い。彼の三元論は陰と陽と中庸という三元論で世界は成り立っているという補助線を持っている。  宇宙の基本的な単位である「気」は、主に4つの性質を持つ。それは上がる、下がる、広がる、集まるという4つだ。この中で「広がる」という性質が「陽」で、「集まる」という性質が「陰」であるという。こうした原理を理解していると風景へのまなざしが変わってくる。  例えば国民や気候風土の気質にも当てはまる。日本人は元来陰の

科学者が人間は脳から独立した神経系を持つと確信

Ученые полагают, что у нас имеется нервная система, независимая от мозга Земля. Хроники Жизни.より June,6,2018  私やあなたがたが今この文章を読むことができているのは、私やあなたの頭の中に「脳」があるからだ。  しかし、私たちが「もうひとつの脳」を持っていることをご存じだろうか。それは頭にあるのではなく、脳とは関係のない場所の「腸」にある。  その部分は中枢神経系の関与

砂糖は、やせた健康な人々の腸内微生物をターゲットにする

Sugar targets gut microbe linked to lean and healthy people By Bill Hathaway Yale Newsより december 17, 2018  米国国立科学アカデミーのProceedings誌に12月17日の週に発表された新しいエールの研究によると、砂糖は、やせて健康な人に関連する腸内細菌によるコロニー形成に必要な重要なタンパク質を減衰させる可能性があります。  腸内微生物叢は人間の健康に重要な役割を果

意図しない副作用:腸ミクロバイオームの抗生物質破壊は骨格の健康を調節不全にする

Unintended side effects: Antibiotic disruption of the gut microbiome dysregulates skeletal health by Medical University of South Carolina Medical Pressより JANUARY 16, 2019 図の解説:MDSCは、対照処置動物(左)と比較して、抗生物質で処置したマウス(ABX、右)の骨髄において増加している。 クレジット:サウス

処方された抗生物質のほぼ4分の1は不要な処方だった

Nearly a quarter of antibiotic prescriptions for children and adults may be unnecessary by University of Michigan Medical Pressより JANUARY 16, 2019  ミシガン大学医学部の最新の研究によれば、2016年のアメリカでは、子どもの 10人に 1人、そして大人では 6人に 1人が、処方される必要のない抗生物質を処方されていたことが示された

食と身体の輪廻から

●Body in Foodを終える   バルセロナのグラシアに新しくオープンしたギャラリー「Souvenir」でパフォーマンスを終える。タイトルは「Body in Food」。高村聡子とのコラボレーションユニット"muzero"での公演となる。ローマ出身でバルセロナで活躍する現代アートのキュレーターHerman Bashiron Mendolicchio, PhDのキュレーションで実現した。  パフォーマンスに向けて、玄米のみを食す七号食と呼ばれる日本の方法で、16日間かけて

食べることをやめるとどうなるか

●七号食の十日目を終える  昨日で七号食を始めて丁度十日目を終えた。七号食とは食養学における半断食の方法で、十日間玄米のみを食す。残りの六日間は回復食として玄米に味噌汁を追加した六号食になる。今日からその回復食の期間に入る。  本来の七号食とは一日に〇.七合までの米を食すとされている。しかしうちのアトリエに居る食養学者の冨田哲秀氏はそれを、一日にいくらでも食べて良いという方法に改良した。それは誰でも実践しやすくするためである。  この「トミタ式七号食」は僕自身もこれまでに何度

"Body in Food"

バルセロナでパフォーマンスをする  バルセロナのグラシアの中心部にあるアートギャラリー"Souvenir"でインスタレーションとパフォーマンスをすることになった。ギャラリーのファウンダーでもあり現代アートのキュレーターでもあるHerman Bashiron Mendolicchioのコーディネートで実現した。僕がこちらにいる間に何か作品を作る機会をということでお声がけいただいたのだ。  今回は高村聡子とのコラボユニット"muzero"でのパフォーマンスでもある。ポルトガル滞在

新陳代謝する身体

●細胞の更新について   細胞は私たちの身体を構成する基本単位である。人体の細胞の数は約60兆個と言われているが※1、一方で成人の細胞の数が37兆2000億個という数値が2013年の学術誌に計算結果が掲載された。  一体どれぐらいの細胞が日々生まれては消えていくのだろうか。一説によると、毎日死んでは新しく生まれる細胞の数は、約3000億個であるという※3。また別の説では、全細胞約60兆個の150分の1にあたる約4000億個が死んでいくというものもある※4。  細胞が入れ替わる

踊りの原型

身体というのは不思議だ。 自分の身体にもかかわらず、私たちが自らの意思で動かすことができるのは筋肉のほんの一部だ。 大部分は普段意識も届いていない。 内臓や血管の壁など不随意筋と呼ばれるところは動かすことが出来ないし、神経や血流や代謝なども通常であればコントロールすることはできない場所だ。 それどころか筋肉ですら私たちは実は自由に操れているかというと怪しい。 無意識の緊張は、知らない間に筋肉を固めたり捻ったり、色んな負荷をかけてしまっている。 それがほぐれた時に初めて自分の身

脳の構造

●脳と記憶記憶とは脳の海馬領域で保持されている。 だとすればそれはどういう物質として保持されているのか。 それを求めて30年ほど前は様々な研究者が「記憶物質」を求めて研究していた時代があった。 ベイラー大学のアンガー博士はネズミを使った実験によって、「スコトフォビン」というペプチドからなる物質があるという仮説を立てた。 しかし結局1977年にアンガー博士が亡くなるまでスコトフォビンの存在は証明できず、彼の死とともに記憶物質への探求は途絶えた。 人間の体は常に代謝し続けて

脳と太陽

太陽や光が脳に与える影響についての整理とメモ。 脳の三大神経伝達物質として「ノルアドレナリン」、「ドーパミン」と並んで「セロトニン」がある。 ノルアドレナリン神経は、どれだけ鍛えても強くなることはないという。これは危機管理センターのような役割を果たしており、脳の中に危機があると、脳全体にアラートを出す。しかしそれはアラートを出すだけなので実際に何かを解決することはないという。 セロトニンは幸せホルモンとも言われており、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えて、心のバラン

桜沢如一のエトセトラ

1893年10月18日京都生まれ。 マクロビオティックの提唱者。 1929年にはパリに渡り、1932年にはヴラン社から「東洋の哲学、および科学の無双原理」を出版。アンドレ・マルローやポール・ヴァレリーに注目される。 桜沢の思想の根底には「身土不二」の原則がある。これは「人類・動物・植物 あらゆる生命現象は、その環境、風土の産物です。私たち人間は"生活しているその土地にできる、その季節のもの"を"正しく"食べることが、心身の健康の大条件であるとするものである。 それに基づいた健