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イワナ・ヤマメ 渓流魚の付き場を考える

#49|フライフィッシング/FlyFishing 
2022年7月18日/新潟県上越地方

足しげく通い詰めたホームリバー。当然のことながら、幾度も足で釣り重ね、経験値を上げることで、おのずと魚の付き場(居場所)は見えてくる。

この記事に登場する魚は、夏の午前中にドライフライで仕留めた32㎝のイワナ。この年に何度も通って見つけ出した頼りになるポイントで、やっぱり顔を見せてくれた。

魚だって生きていくために水中を広範囲で移動するわけで、365日同じ場所を泳いでいるわけではない。それでも魚を観察していると、定位しやす付き場(居場所)が必ずあるように見られる。イワナだけでなく、ヤマメも、遡上してきたサケだって。魚にとって居心地のよい場所が必ずある。長けた釣り人はそうした場所を見つけ出すことが上手だ。季節、水量、水温、時間、天候、光の加減、プレッシャー・・・様々な要因を加味して導き出す必要がある。

釣り人視線で川を見下ろした場合、視覚から得られる情報は、水量、表層の水流、水の色、なんとなくの水深、日照、岩の有無、倒木などのストラクチャー・・・などなど。ヒントはたくさん得られるわけで、それを材料に魚の付き場を探っていくわけ。

プラスして魚視線(水中からの視線)で考えることも大事だと思う。複雑な形状の河床では水の流れも複雑だ。右から左の単純な流れではなく、水は上下にも左右にも流れる。もちろん反転流だった。そんななか、魚が餌をとりやすい流れの筋はどこなのか。鳥など敵から身を隠せるストラクチャーや沈み石の有無、適当な水深であるかどうかなどなど。その時々の水量によっても魚の付き場は当然変わってくる。

加えて、魚を釣って経験値はあげるなかで、感覚的に見えてくるポイントだってある。この写真の岩陰の深みには何度助けられたことか。釣り人視線プラス、魚の気持ちにもよりそって辿り着いたポイントだ。

何度も通って魚の居場所を導き出していく。この過程が渓流釣りの魅力でもある。同じ川に通い詰めることも大切だが、多種多様な水系に足を運び、観察眼を鍛えることで、きっと大イワナ、大ヤマメに出会える確率は上がるだろう。そう信じて、魚を見つけ出す釣り師ならではの五感を磨いていきたい。


FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤(フライフィッシング)釣師。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。

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