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太田切川(けっこう上流)フライフィッシング釣行

 太田切川です。いつも釣っているポイントよりも、かなり上流へやってきました。
 2015年に、入渓点を間違えて遭難しかけたとき以来の訪問です。
 当時の釣行記はこちら。毎度のことながら、昔の釣行記はテンションが高すぎて自分でも引く(汗)
 
 高原の、さらに山の上だから涼しい・・・と思いきや、猛暑の影響は凄まじく、照り付ける陽の光以上に、湿度が高くてしんどい!入渓前に、持参した飲料の半分を消費してしまった。
 テクテク歩いていると、横を通り過ぎていくバスの乗客の方々の「こんな場所まで歩いてきたの?バカなの?死ぬの?」という視線が相変わらず痛い。

岩が増えて浅くなったような・・

 入渓してすぐに、イワナがヒット。フライは、TMCストレッチフォームを使った#12のブラックフォームビートルです。 

 川は全体的に砂に埋もれていますが、魚は健在のようです。太田切川は、ここ数年、夏になると、とんでもない豪雨に何度も見舞われています。

これでも、水かさが1mほど下がった状態

 観光地(こまくさ橋)付近は、見るたびに中州に生えていた木が流れたり、水の流れが変わっていますので、護岸と床固工で隠れ場所が少ない、旧C&R区間近辺の場所は、岩魚といえど多くが流されてしまっている気がします。
 しかし、岩魚は強かった。
 しばらくは連発、反応は上々です。魚のサイズは小さくなりましたが、魚が残っていてくれたことは喜ばしいことです。

ちょっとサイズアップ

 流れがいくつかの筋に分かれていますので、水流が多い支流へ入りました。・・・何か、水が少し白濁しているが、気のせいか?

想像以上にぬるい

 意外でしたが、水温はそれほど低くありません。
 勝手に夏でも20度以下という印象でしたが、三重県の街中の川より4度低い程度。岩魚は、意外と高水温でも生きられるようです。
 少し上流へ進むと、水が明らかに白っぽくなってきました。なにか、人工(?)っぽい濁り方。取水ダムに堆積した土砂を流したとか、そんな感じか?
水中撮影をしても、何も見えません。想像以上に濁っているようです。

 さらに1匹追加。サイズはダウン(汗)
 岩の上には、砂ではなく、粘土を水に溶かしたような、細かい泥状のものが堆積しています。砂はともかく、泥が堆積しているのは、太田切川ではあまり見た記憶がありません。
 そして、嫌なものを見つけてしまいました。砂地に、はっきりとした足跡。昨日は雨模様だったはずなので、今日の早朝に入った人がいるようです。というか、入渓時から気になっていたのですが、舗装されていない林道奥まで、けっこう車のタイヤの跡が残っているのです
 林道は自家用車の通行が禁止ですが、許可証がある関係者は通れます。これって、結構不公平じゃないですかね?

 反応が芳しくなかったので、元の流れに戻りました。ぱっと見た感じ、こちらの流れは水が少なく(本当に、地元の小規模河川と大差なし)岩が多く、釣り辛い感じでしたが、魚が付いていそうな場所からは高確率で反応があります。
 水面を流れ切ったフライを、一度魚が見に来たので、しつこく流すと、いいサイズの岩魚がヒットしました。

 正解は、水量が少ない方の筋だったようです。反応する数が段違いです。
 とか思っていたら、いきなりの雨(泣)
 しかも、かなり強く降ってきました。
 魚が反応したのですが、雨でフライが見えない。しかもフライが沈むため、しつこく狙います。

再びヒット。これもなかなかのサイズです。

ずぶ濡れです

 ここからが本番ではないかと、釣りたい意欲はMAXでしたが、頭上に立ち込める白かった雲が、徐々に黒色っぽい雲に変わり、雨粒もパチンコ玉のような大きさのものが、バラバラ降って来ました。
 一気に増水すると、退渓場所へ戻れなくなる危険もあるので、未練タラタラで釣り終了。

 退渓ルートに上がり、しばらく歩くと道がない。
 おそらく、岩盤の上を覆っていた、幅5mぐらいの土や木の大部分が、道ごと押し流されたようだ。自然の力は恐ろしい。


 電波が届く場所まで戻り、家族に「あと40~50分ぐらいで戻る」と連絡すると、娘から「お腹すいた。お昼ご飯食べたい。店入っていい?」との返事。「現在14組待ち」とのことだったので、車止めに着くまでにはちょうどいいかと思い、快諾。
 しかし、10分後には「9組待ち」すぐに「7組待ち」、15分後には「4組待ち。早く帰ってきて!」との連絡。
 まだ20分以上はかかる場所にいたので、「そんなすぐに帰れるか!」とLINEを送ったところ、「走って帰ってこい」との返信( ̄■ ̄;)
 無茶言うな!朝から山道登って、川の中歩いて、しかも靴はウェーディングシューズやぞ。父がいかにクタクタか・・・「次呼ばれる。早く戻ってきて!」
 
わかったって!
 しょうがないので、全力ダッシュ、とまではいかないものの、割とまじめな競歩ぐらいの速度で走る。
 やっぱり、通り過ぎていくバスの乗客から「なんでこんな山奥で、釣り竿握りしめて走ってんの?アホなの?死ぬの?」という視線が突き刺さる。
 「注文聞かれた!どうするの?私ら子どもだけで座ってるから凄く気まずい!」とのLINE。あっちはあっちでピンチらしい。
 仕方がないので「ソースカツ丼ざるそばセット、馬刺しはビールと一緒に後で頼むか注文不要」とLINE(←メニュー見なくても注文できる人)
 「馬刺しは、もう頼んだ」との返信。女子高生と女子中学生しかおらんのに、馬刺し頼むなよ( ̄■ ̄;)

 車止めで待っていた嫁さんと合流し、お店へ直行。
 席に着くなり着丼!即座にビール注文!
 かきこむソースカツ丼、喉を潤す地ビール、どちらも最高だった。前記、山の上から走って帰ってきたこともあり、この日、世界で最も旨いビールは、私が飲んだこのビールだったと断言できる。

このソースカツ丼と、南信州ビールがなければ、私が太田切川へ通うことはなかった(本当に)
馬刺し。本日2皿目
飲める湧水が、普通に道端にあるのは凄い

 ソースカツ丼水は、飲めますし、お持ち帰り自由です。しかし、毎回思いますが、もう少し良いネーミングはなかったものか・・・。ソース混じってそう。
 後半の釣りは、最大支流である、黒川との合流付近から釣り上がります。   
 家族は、我が家の駒ヶ根遠征時の定宿、駒ヶ根ユースホステルへチェックイン。
 この宿、自然に囲まれているとか、一人で入るにはデカすぎる風呂とか色々魅力がありますが、”自分が寝る布団にシーツ被せる”、”使った食器は綺麗に洗って拭いて元に戻す”、”寝る部屋にテレビはない”など、昔の林間学校のような体験ができ、ベッドメイキングや食器の片付けは、親か宿の人がやるものと思い込んでいる、現代のちびっ子を連れていくには最適の宿です。(しかも安い)


黒川と太田切川合流点。なだらかに見えて、少し釣り上がると地味に厳しい渓相に変わる。

 この近辺は、行楽客が多すぎる上、釣り人も多数入るため、基本、魚がかなり警戒しています。前半の釣りから戻る際も、数名の釣り人を見かけました。
 しかし、どういうことでしょうか。普通に釣れました。しかも、ニジマスとかアマゴではなく、岩魚。
 朝、死ぬほど歩いたのは何だったのか。

 養殖魚の特徴が強く出ている(エラが見えていたり鼻がつぶれ気味だったり)ものの、流域でも魚影が復活してきたのは、嬉しいことです。多分、朝一とかで先行者がいなければ、結構釣れると思います。
 上流で再び雨が降り出したのか、水かさが増えてきたので撤収。結果的には、充実した釣りが楽しめた1日でした。

 今回の釣行で使用したフライの大半は、パラシュート・フォームビートル#12~14でした。
 最近は、ウィングを付けた”ベンジョアブ”なる、大変お上品なお名前のフライが流行ですが、イワイ・イワナよりマテリアルが少なく、巻くのも楽なので、大量生産が可能です。
 そして、重要なのがアブドメンのマテルアル。
 TMCストレッチフォーム・・これ、めっちゃ使いやすいです。

#10ぐらいまでなら、厚さ2mmのでOK

 名前のまんま、メッチャ伸びる。なので、タイイングがしやすい。
 従来の硬質のフォーム材と異なり、巻き付ける際に切れることがなく、ボリュームの調整も容易。

ムチムチ

 また、フックに巻き付けても柔らかさがあり、おそらく魚がくわえた際の違和感も少ないように思われる。細く切って、一か所にグルグル巻き付ければ、アントの”ケツ”も5秒ぐらいで作成可能。
 夏のフライ用に、1つ持ってて損はないかと思われます。

 ネオプレーンウェーダーの切れ端のような気がしないでもないが。

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