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“すべての人が自分らしく、幸せに!” ジャーナリスト魂で書く力を応援する 電子書籍出版社 横山三四郎さん

ジャーナリストとして数々の歴史の現場を見てこられた横山さんが描く夢とは? 日本で初めてのオリジナルな作品を扱う電子自費出版社を経営されている横山三四郎さんにお話を伺いました。

 プロフィール
お名前:横山三四郎(よこやま さんしろう)
出身地:山形県
活動地域:グローバル(主に東京)
経歴:新聞社の海外特派員の後、ジョージ・ワシントン大学客員研究員、戸板女子短期大学教授などを経て、2000年1月 (有)インターネット文明研究所設立、2004年8月 (有)eブックランドに商号変更。現在に至る。
主な著書
ペルシャ湾 1989.4 新潮選書
ロスチャイルド家 ユダヤ国際財閥の興亡 1995.5 講談社現代新書
サン=テグジュペリ「星の王子さま」の作者 1998.9 講談社火の鳥伝記文庫
ネット敗戦IT革命と日本凋落の真実 ベストセラーズ 2000.7
ユーロの野望 2002.7 文春新書
ブック革命 電子書籍が紙の本を超える日 日経BP社 2003.12
現在の職業:電子出版社 eブックランド 社長

すべての人に、自分らしく、幸せに生きてもらいたい

Q1:今描いている夢は何ですか?

横山 今の夢はですね、エジプトのアレキサンドリアから南アフリカのケープタウンまで、日本の技術でリニア新幹線を走らせることです!(笑)
記者 え?
横山 途方もない、空想的、理想的な話と承知で言ってみましたけどね。
アフリカの国々の貧しさと政治的不安定さを何とかしたいという思いがあるのですよ。シンボルとなるプロジェクトを日本の技術で実現できれば、自信を持たせられて元気になるかな、などと考えているわけです。


地球の最大の課題は今世紀のアフリカの人口爆発で、2050年には25億人に倍増します。治安を良くして教育水準を高め、人口増を抑える一石三鳥の戦略が求められていると思うのですよ。
リニア新幹線なら砂漠の下を走れるし、アフリカゾウたちが暮らす自然をそんなに壊さない工夫ができる。乗客だけでなく産物も運ぶ貨客タイプにして、アフリカ中央部を豊かにする。そうすると一石三鳥の戦略が動き出すとみているのです。アフリカのみならず、日本のため、世界のための夢のプロジェクトです。

私の中では、やはり、生まれたからには、すべての人が自分らしく、人生を大事に送っていただきたい、幸せに生きてもらいたいという思いがあります。
もういい、というくらい飛行機に乗って、地球上あちらこちらと飛び回りました。アフリカの果てまでも行きましてね、今考えるのはそういうことですよ。

人がものを書くことによって、豊かで満たされた人に

Q2:夢を具現化するために、どんなことをされていますか?

横山 人がものを書くことによって、豊かで満たされた人になれたらいいと思って、応援しています。

2004年に、eブックランドという日本で初めてのオリジナルな作品を扱う電子自費出版社を立ち上げて、エコでエコノミーな出版と掲げました。紙を使いませんし、安く気軽に出版できます。

“書く”ということは、様々な意味で重要だと思っています。ブログもそうですが、まず自分を客観視できますよね。そして、自由の基本である表現の自由にも繋がります。書けない時代もありましたからね。

つい最近ですが、「女性の出版パラダイス」というキャッチで特別価格を打ち出しました。女性にもっと自立して自由になってもらいたいという願いから、“立ち上がれ 日本の女たち もっと輝きましょう”という副題に思いを込めました。だいぶ変わってきたとはいえ、今の社会、女性がまだまだハンデを負わされていますよね。女性に、もっともっと豊かで満たされた人生を送っていただきたいと思うんです。

女性のがんばり、女性の力は、本当に素晴らしいです。
佐賀のがばいばあちゃん96歳の方は、短歌とその歴史までも書き込んだ本を出版されました。また、昨年9月には主婦の方ですが、趣味で始めた古代史研究で魏志倭人伝を探求されて、国民的課題である邪馬台国は四国で、女王卑弥呼の都は松山だとする内容にまとめ上げられました!

「どこに行ってもニュースを取る男」

Q3:そんな夢を持つようになったきっかけは、どのようなことですか?

横山 多々あり過ぎますね。これまで、ジャーナリストとして世の中をみてきてそう思うに至ったというところです。

私は“事件記者”、事件があると駆け出して行って、自分で見て、取材して、それを伝える記者でした。とても筆が遅かったし、猛烈な競争社会の中で当初はあくせくと奮闘、泣きながらやっていました。

地方局から経験を積んで東京にあがってきたのですが、その頃は家にも帰らないくらい仕事をしていました。仕事をして飲んで、目が覚めたら仕事をして…、そんな生活だから、異臭を放っていたらしいです(笑)。

日本では、丸の内の爆破事件に遭遇しました。ドドーンと音がしたので駆けつけていくと、辺り一面ガラスの破片が散らばっていて、人が血まみれになって出てくるし、何人もの人が倒れていました。夢中でビルからビルをつたい、公衆電話を探して、社会部へ伝えました。

外信部に移ってからは、ベトナム戦争が終わって半年たった頃ですが、シンガポールの国際会議の取材に行った時に、たまたまシンガポール沖にベトナムからの難民が到着したというタイミングに出会いました。ボートピープルの第一号です。悲しい物語がありましたね。

ジャーナリストとしては、「どこに行ってもニュースを取る男」と言われて株があがってきたのはこの頃からですね(笑)。

イラン革命の時は、誤認逮捕で血まみれ汗まみれの学生たちと一緒に車で連行されました。危うくこの世とおさらばするというところでした。

その後も、イランイラク戦争、レバノン戦争、クウェート侵攻に湾岸戦争…。戦場取材で何度も死にかけました。死ぬか生きるかの現場の連続。近くでドーンと音がする、爆発音が聞こえているうちは、まだ生きている!と確認したものです。

「私、やらなきゃいかんのかなぁ、こんなところに何で来たんだろう?来るもんじゃないよ」とよく思いました。

記者 やめる選択もできたと思うのですが、なぜ?
横山
 事件が起きるから。事件が起きてしまうから、取材しなければならないのです。記者はリスクに走る!どうするかな、行こうかな、やっぱり行こう、行きたくなるのが記者なのです。

命をかけて、使命感をもって生きぬくこと

Q4:死をも辞さないその思いはどこからきていますか?

横山 そうですね…。今から半世紀以上も前の高校生の頃の話ですが、ラジオで「チボー家の人々」という小説が朝ドラのように放送されていました。フランスの作家マルタン・デュ・ガールが、第一次世界大戦前から戦中にかけてのフランスの若者たちの悲しい悲しい運命や戦争の悲惨さを書き綴ったものですが、その本に感銘を受けたのを覚えています。

今思えば、このラジオドラマが二度の世界大戦を引き起こして世界を巻き込んだヨーロッパの源流、世の中が動く仕組みを知りたい!と思うようになったきっかけになったと思います。

その本の影響があって、大学でフランス語を専攻するわけですが、フランス語の教授、ポール・リーチ神父との出会いも大きいですね。授業中にリーチ神父が言った、ドイツ軍のフランス進行を逃れてアルジェリアにいた時に「この戦争に勝つことができたら、ザビエルのように日本に布教に行きます」と神に誓った、という話。神に誓うほど命をかけて、使命感をもって生きぬく神父の覚悟を知って、その美しさが憧憬と共に心に焼きつきました。

仕事で出会った警視庁捜査一課の刑事たちの生き方にも、教えられました。すごいんですよ、情熱が。「人を殺(あや)めるものは許さない」と、奥さんや子どもがいても関係なく、全身全霊全てを投げ打って仕事に打ち込んでいる。それがデカというもの、デカの生き方です。

私には、最初からこうなりたいということがあった、ということはないんです。私を導く何かがある、不思議ですね。その時々の一つひとつに一所懸命にくらいついて生きたその積み重ねが、今に至っているし、きっとこれからもそうでしょうね。

山形の田舎で生まれ、激動の時代をこの目で見てきました。苦しいこと辛いことはたくさんありましたが、それでも楽しかったです。自分が書いたことを伝えること、多くの人に伝えられることは、何よりの喜びです。

プライドと誇りをもって自分の好きなスタイルで生きる

Q5:どんな美しい時代にしたいですか?

横山 インターネットが登場して大きな変化がありましたが、これからの時代は、さらに大きな変化が起きて、これまでの常識が通じない世界になると思います。
変化の時代だからこそ、変化に翻弄されるのではなくて、変化の波に乗らないといけないなと思っています。
変化に耐えられる、むしろ変化を楽しむ自分を、しっかり確立する必要があるのではないでしょうか。

それに役立つのが、書くことを含めて自分を表現していくことですね。第三者がいてはじめて表現は成り立ちます。意見が異なっても、お互いの表現を認め合い、助け合い、そんなコミュニティの輪が広がって、みんながプライドと誇りをもって自分の好きなスタイルで生きる、そんな時代を創りたいですね。

記者 プライドと誇りを持って生きられるコミュニティの輪、ぜひ創りたいです!

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横山さんの情報はこちら↓↓

◼︎Face Book

https://www.facebook.com/横山三四郎-ブック革命2-電子出版社eブックランド社長-171089210141058/?modal=admin_todo_tour

◼︎有限会社 eブックランド

http://e-bookland.net/index.html

【編集後記】
今回、インタビューを担当した、石塚、田中です。
経験豊富な横山さんのお話は、まるでドキュメンタリー映画をみるかのようで、その重みに圧倒されました。弱者に対するあたたかな想いや愛情も印象的でした。昔も今も、現場現場で学び変化をされながら、今ここで何が一番大事なのかを観て取り組まれている横山さん。ますますのご活躍を応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36







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