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意外なところに勉強の機会が溢れてる!って知ってましたか?

クラブ組織が航空の裾野を広げ航空の安全を確保する理由】でも書きましたが、パイロット有資格者が無資格者と飛ぶことで相乗効果が生まれます。

普段やっていることを無資格者に説明をすることが勉強になるのです。何をどのようにどれくらい?実は試験の時に利用したある基準書が参考になるのです。

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PTS/ACSは優れたチェックリスト

有資格者、または訓練中の者にとって、訓練中学んだフライト内容を大きく分けると次の3つに分けられます。

トラフィックパターン(空港の周りを回る離着陸飛行)

ローカルフライト(訓練空域で色々な操縦技術を確認する飛行)

クロスカントリー(他の空港への飛行)

そしてそのいずれも毎回必ず飛行前に準備する項目ってあるはずです。

ローカルフライトには更に次の2つの練習科目があります。

エアワーク(飛行機の性能や特性を習得するための飛行)

緊急操作(飛行機の緊急状態の対処策)

実地試験では試験官がこれらの知識と技能を確認するのです。実地試験の日はできてその後はどうでしょうか?これら全ての項目ができるからパイロットとして空を飛べる権利を与えられたのではないですか?

だから試験官が言うセリフ

This is the license to learn

最低限のレベルはクリアした。だから今後は法的資格を持ったのだから、継続して勉強し続けなさい。

今回、FAAパイロット資格の中から一番資格取得要件の低いものとしてFAA Sport Pilot CertificateのPractical Test Standardsから抜粋して解説していきます。一番要件が低いとは言え空を飛ぶ資格を付与されるからには厳しいものであることに変わりはありません。この書類、通常PTSとかACSと言いますが、FAAパイロット実地試験時に試験官が使用するもので、これに基づいて科目を実施し基準となる内容や許容範囲が記載されているものです。

玉那覇は訓練生に対して、このPTS/ACSをフライトのチェックリストとし普段の訓練、試験前、合格後の普段のフライトで活用しておくことを薦めています。FAAが作った超オススメのチェックリストと考えています。普段から使用するメリットは大きいですよ。もちろん最新のPTS/ACSはFAAサイトをチェックしておくことも大切です。

試験は普段のフライトに必要な知識や技術を確認するものであり、言い換えると普段のフライトに常に必要な知識と技術というものです。

もっと言うと、この基準書に指定された内容を最低基準として知識と技術を維持しなくてはいけないと言うことです。決してこれは目指す目標ではないと言うことを理解しておいてください。

その一つ一つを解説していきます。

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飛行前の準備作業

どんなフライトでも、前述した3つのフライトでも必ず実施する項目です。出かける前には身支度をするように、ご飯の前には「いただきます」と言うように、寝る前には歯磨きをするように、いつもの当たり前の行動です。

やってますよね?!

PTS/ACSの中でも最初の項目になります。その中は水上機の試験内容であるHとIを除いて、全部で9つあります。試験の時は勉強したけど....今ではあっちこっち錆び付いているって言うパイロットいませんか?

その場合今すぐ復習が必要です。だからこの基準書と無資格者を使って練習するのです。理由は....

無料です(笑)

わからないと言う答えはパイロット資格保持者としてのプライドが許さないはずです(笑)

もちろん教官パイロットを雇って確認作業も大切です。でもそれはまとめて最後に一気に!そして安く抑える!

その教官に一気に質問する方法が今ではリモートでもできるようになっています。世界の教官のデータベースを持つシステムについては後日紹介します。

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9つの項目についてさらに細かく何を知っておくべきなのか?が記載されているのです。これってフライト前に確認する項目が含まれていませんか?実際に作業しますよね?それを無資格者へ説明してあげるのです。

他人がいるので手抜きできません。手抜きができないから毎回の作業で知識が蓄積されます。錆びつきません。

毎回新しい友人を連れて行くと、毎回新鮮に話ができます。なぜ?どうして?が人によって違います。もう教官の訓練レベルに近づいていきます。実は教官とは無資格者の人に説明できないといけないので、教官パイロットの実地試験ではそれを模擬するのです。試験官は様々な無資格者を模擬してなぜ?どうして?を連発してきます。教官試験対策は普段からできることなのです。

A 証明書や書類等

B 耐空性の要件等

C 気象情報

D クロスカントリーの飛行計画

E 空域について

F 飛行機の構造・システム

G 航空医学

J 飛行機の性能と限界

K 飛行原理

各タスクに求められる内容

前述の9つのタスクの詳細が書かれています。ここにもたくさんの勉強のヒントが満載です。例としてAの証明書や書類等について見てみましょう。

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Referencesとして参考資料が列記されています。わからなければその資料を見ればいい。

1項目目でaからcの内容について説明しなさいと書いてある。受験生がこれらについて説明することができることを確認する。と言う試験官向けの書き方です。パイロット向けの言葉に書き換えると「この内容を常に説明できること」であり「出発前にこれを確認しましょう」です。

2項目目は前述の説明だけではなく「その場所も明確に示しなさい」であり「その場所を確認しましょう」です。

基本的には同じようなフォーマットで全ての項目が記載されています。

訓練中は教官からの説明を聞く、教官に対して説明する、実際に一人でやる、試験直前に更に細かくやる、と言う過程を踏んでパイロットになっていきます。でもやらなくなると忘れるものです。

FSOパイロットクラブではクラブメンバー同士でこのような活動を通してお互いで勉強する環境を整えています。



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