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『TEPPEN』レビュー

今回はTEPPENを見ていきます。

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僕はクラロワが大好きなのですが、そのクラロワ並みTEPPENにどハマり中です。
クラロワが好きな人はTEPPENも楽しめると思います。

どんなゲームか?

・ジャンル
リアルタイムカードバトルゲーム

・リリース年月日
2019年8月8日

・開発会社
ガンホー
カプコンのIPを使ってガンホーが開発した、という形になります。


面白いところ

このゲームの面白いポイントは、一言で言うと「緊張感のあるリアルタイム戦略カードバトル」です。
通常のカードゲームであれば、「これを出してあれを出してこういう展開に持っていって・・・だからこのカードを出す!」と、1ターンごとに先読みを深く考えてゲームを展開していきます。
それに対してTEPPENは、ターンという概念がないため、常に状況が変わっていく中で、素早く先読みをして最善の手を決める、というとても緊張感のあるカードゲームになっています。
そのため、5分の試合の中で物凄い量の脳内試行錯誤をして勝てた時は、めちゃくちゃ気持ち良い訳です。

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参照:なぜ作ったゲームが面白くならないのか?基礎にして奥義「フロー理論」

この記事でいう、「フロー」の心地よい状態が終始続きます。

元々僕はクラロワが好きで、クラロワも「状況が変わる中で最善の手を出す」プレイが特徴なので、このゲームもすぐにハマってしまいました。

もう少し具体的に見ていきます。
このゲームの肝は、以下です。
・カードの置き方
・アクティブレスポンスの立ち回り
・ヒーローアーツ

カードの置き方

プレイヤーは、MPを管理しながら以下のことを常に考えて最善の判断をする必要があります。
・カードを置くタイミング
・カードを置く場所
・置くカードの種類

・カードを置くタイミング

プレイヤーは一定時間で溜まっていくMPを消費してカードを置きます。
MPを貯めずにバンバンカードを置いていくと、相手は他の場所にカードを置いたり、アクションカードを使ったりした時に対応できなくなります。
逆に、アクションカードを発動しようとMPを溜め続けると、その間に相手がカードを置いて、攻撃を受けます。

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そのため、「MPコストの高いカードを今置くべきか、コストの低いカードをたくさん使うべきか」というジレンマが生まれます。
基本的にクラロワなどと同様にMPを貯めておいた方が色んなカードを使えて展開に幅を持たせられるので得するのですが、
たまにMPコストの低いカードやアクションカードを重ねられて速攻でやられてしまう、ということもあり得るので、
常に戦況と相手のMPを意識しながら戦っていく必要があります。

ちなみにですが、攻撃の矢のスピードとMPが溜まるスピードがとても絶妙ですね・・・。
あれが速すぎると先読みをする暇がなくなるし、遅すぎるとゲームのテンポが遅くなって緊張感が薄れるのでちょうど良いです。
場にカードが置かれてから相手の所に届くまでにMPが3貯まるので、
対処する側も「圧倒的なカウンターはできないが対処できないほどでもない」という状況になっていて、展開がどちらにも転びそうな、ちょうど良いMPの貯まり方です。

・カードを置く場所

カードを置く場所は時として重要なポイントになります。
例えば相手がカードを1番上に置いていて自分が何も置いていない場合、攻撃されるリスクが発生します。
それに対して、自分は以下の行動を選択することができます。
・1番上にカードを置いて攻撃を防ぐ
・あえて1番下にカードを置いて(攻撃をくらってでも)相手に攻撃をすかさず与える
カードによっては、「置いているカードの前にあるカードを破壊する」等の場所に関係したアクションカードも存在するため、場所一つとってもその後のバトルの展開に影響があります。

・置くカードの種類

これは当たり前ですが、置くカードの種類は超重要です。
ユニットを置くべきか、アクションカードを置くべきか、ユニットの中でも体力の高いカードを置くべきか、特殊効果があるカードを置くべきか・・・と常にジレンマの状態に置かれ続けます。
その中で、今貯まっているMPと自分の手札を見て、相手の手札を想像しながら、どちらの選択肢が最善かを選びます。

アクティブレスポンスの立ち回り

このゲームの独自性の高いシステムが「アクティブレスポンス」です。

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アクションカード(遊戯王でいう魔法/トラップカード)を置いた時に、そのカードがすぐに発動されるわけではなく、アクティブレスポンスというターンに移ります。
そこでは、プレイヤー同士が順番にアクティブカードを置くことができます。
そして最後に置いたカードから効果を発動していきます。
例えば相手が先にアクティブカードを置いて、自分が10秒以内に続けてアクティブカードを置いてアクティブレスポンスが終了すれば、自分のカードから効果が発動します。
この、「アクションカードは置いてすぐには発動せず、アクティブレスポンスを経て最後に置いた方から効果が発動する」という仕組みがバトルにとても奥深さを与えていると思います。
「最後に置いた方から効果が発動する」仕組みにすることで、自分が出したカードが1番最初に効果を発動するかどうかを自分で決められなくなります。
そうすると、「このアクションカードを使えば有利になれるけど、でも効果を打ち消される可能性があるしどうしよう・・・」とリスク・リターンの関係が生まれます。
この関係があることで、アクティブレスポンスでもカード選択のジレンマがあり、バトルを面白くしていると思います。

また、アクティブレスポンスになった時に、お互いにMPが2貯まるのが良いと思います。
後攻はMPが2貯まった状態でアクションカードを置くことができるので、対処の選択肢が広がります。
とはいえ、完全にカウンターできるほどのMP量でもない。
ここでも、前述した攻撃の矢とMP回復量と同様に、「圧倒的なカウンターはできないが対処できないほどでもない」というバランスになっていて拮抗したバトルになります。

ヒーローアーツ

ヒーローアーツとは、バトル中に使うことができる、各ヒーローが持つ特殊な技のことです。
このヒーローアーツは、リスク・リターンのバランスが絶妙だと思います。

まず、リスクについて見ていきましょう。
ヒーローアーツは、AP(アーツポイント)を貯めてから使うことができます。
APは、バトル中にカードを使用すると、そのカードのMP分APに加算されていきます。
つまり、カードを使えば使うほど早くヒーローアーツを使うことができます。
ただし、前述したように、ヒーローアーツを早く使おうと、カードをバンバン出していては相手の置いたカードに対処できるMPが貯められずにバトルの主導権を握られるリスクがあります。
さらに、一度使えば再度ヒーローアーツを貯めるのに再びカードを消費していかなければならないので、その間に相手に貯められていたヒーローアーツを使われてしまう、というリスクもあるため、ヒーローアーツを使うタイミングも重要になります。

次に、リターンについて見ていきたいと思います。
ヒーローアーツは、バトルの流れを変える可能性が十分にあるくらい得られるリターンが大きいです。
例えばリュウなら、「真空波動拳」で敵ユニット1体に7ダメージを与えることができます。
ウェスカーなら、「黒き選別」でMP5以下の敵ユニットを1体破壊することができます。
これらの技をMPを使わずに発動させることができます。
このようにして、ヒーローアーツをバトル中に使うことで、バトルの展開をひっくり返す(押し通す)きっかけを作ることができます。

以上のようにヒーローアーツはリスクとリターンが大きなものなので、
これらのリスクとリターンを考えながら、ヒーローアーツの使い所を見極めて戦う必要があり、プレイに奥深さが生まれています。


マネタイズの仕組み

TEPPENで課金できるものは、ジュエルです。

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ジュエルでは、下記のものを買うことができます。
・シーズンパスの購入
・カードパックの購入

▼シーズンパス

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シーズンパスは980ジュエルを消費することで、下記の恩恵を受けることができます。
・シーズンパスミッションによる報酬
・ヒーローの獲得経験値50%ブースト
・レジェンダリーの生成1度だけ50%割引

特にお得なのが、シーズンパスミッションの報酬。
シーズンパスミッションを全てクリアすると、合計で1100ジュエルもらえます。シーズンパスを買った時よりも多いジュエルがもらえます。
これはつまり、課金して特するのと同じ。ここで得たジュエルを再びつぎのシーズンパスに使えば、半永久的にシーズンパスの恩恵を受け続けることができます。
ではどうしてこんなにお得な価格設定にしているのか?
おそらく、高い継続率の維持を優先させたかったんだと思います。
TEPPENのようなオンライン対戦ゲームではアクティブユーザーの維持が生命線です。
遊びたいと思った時に誰ともマッチングしなければ、まぁ遊んではくれなくなりますよね。
なので、めちゃくちゃお得にしてでも、課金してもらって、「課金したからには毎日ちゃんと遊ぼう」というユーザーを増やす方が大事だ、ということですね。
逆に、シーズンパスは1度課金してしまえば翌月以降は課金する必要がなくなるので、売上的には結構キツいのでは…という気もしています。
同じくシーズンパスを導入しているクラロワだと、シーズンパス専用のミッションを達成したとしても、次のシーズンパスを買えるわけではありません。

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なので毎月新しいシーズンになると売上ランキング上位に来るほどシーズンパスが一定数必ず売れます。
クラロワのように毎月の安定した売上を上げるのはTEPPENのシーズンパスでは少し難しいかも…?と思いました。

▼カードパック
カードパックは1つあたり約200円で購入することができます。ユーザーは選べるカードが多いほど戦略の幅が広がるので、新しいカードを求めて課金します。

こうすればもっと良くなる

遊んでいて、「この部分こうすればもっと良くなる」と自分なりに思った所を書いていきます。

▼UI周り
まず、お知らせのUIです。
TEPPENのお知らせでは、「新カードパック追加!」「新ヒーロー情報解禁!」など、ユーザーが気になるお知らせがたくさん表示されます。
もっと良くなる、と思ったのは、その時のサムネイル。
今のサムネは表示領域がとても小さいです。
ジルが写っていて新カードパックの情報なのですが、「おおお!」という気持ちの高まりがあまりありません。
せっかくカプコンのIPを使っているので、プリコネのお知らせみたいにサムネの表示領域を広げて、キャラクターをどん!と載せても良いのではないか?と思いました。

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こう並べると、プリコネの方が魅力的なお知らせに見えます。

ただ、バナー的な表示の仕方は海外ではウケない、というのがある場合は、ここは課金に繋がる部分なので日本向けにローカライズしても良いんじゃないかと思いました。

▼ショップUI
ショップのUIは、アイキャッチ画像が英語なので、多少日本向けにローカライズしても良いかも…と思いました。

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▼TEPPEN Ch.
この手のカードゲームは専門用語と戦い方を覚えて慣れるまでに敷居が高いので、いかに多くの人にその敷居を越えさせるか、というのは重要だと思います。
そうした中で、TEPPEN Ch. の中身は改善の余地があると考えます。
今のTEPPEN Ch.は慣れた人にとっては有益な情報が多いですが、初心者にとっての情報もあると良いと思いました。

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僕は、基本的な遊び方の動画以外に、「ヒーローごとの戦い方解説画像」をヒーローごとに見れるようにすると良いんじゃないかと思いました。

僕自身、リュウと春麗の戦い方を知って「そろそろ違うヒーローを使ってみたいな」と思った時に、「どういう戦い方かがざっくり分かる1枚画像でもあればいいのにな」と感じていました。

例えば、
・ウェスカーは前半リベンジを墓地に送りまくって後半で逆転するデッキだぜ!
・ロックマンはとにかくHPを増やして体力勝負するぜ!
・ダンテは呼応カードを場に置いてアクションカードを使いまくって強力ユニットを作るぜ!
みたいな感じです。


以上、TEPPENの面白さや課題について見ていきました。

一度ハマったらやめられないゲームだと思うので、ぜひオススメします。

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