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メディカルチェックって何?? -内科的検査

皆さんこんにちは!FO(えふおー)です!
今回は
メディカルチェックって何?? -内科的検査
をお話していきます。
本記事はPart2になるのでPart1をまだ見ていない方は先にこちらをどうぞ↓↓↓

「既にほぼ出来上がっている」といいつつ放ったらかしにしてしまい気付けば1週間が経過していました。

『月日は百代の過客にして行き交う年もまた旅人なり』

かの有名な松尾芭蕉が奥の細道で残した言葉です。

ということで早速part2に入っていきます




○はじめに

Jリーグ規約より

第 52 条〔選手の健康管理およびドクター〕
(1) Jクラブは、日本国医師免許を保有する専属のドクターを置き、当該Jクラブの責任において選手の健康管理を行わなければならない。

(2) 前項の健康管理における医学的検査の項目は、協会のスポーツ医学委員会が定める次のメディカルチェック項目とする。
① 内科検査(心電図、心エコー検査含む)
② 整形外科的検査
③ 血液検査
④ 尿検査
⑤ レントゲン検査
⑥ 運動負荷検査
⑦ 体力検査

まずは前回のおさらいから。
part1でもお話しましたが、Jリーグ規約に記されるメディカルチェック項目がこちらです。

今後はこの項目に沿ってこの項目では何をしているか、何故やる必要があるのか、を中心にトピックスを加えつつお話していこうと考えてます。

この7項目のうち今回は ① 内科検査(心電図、心エコー検査含む)を解説します。

尚、ここから先は情報公開が少ないこともあり、元・現Jクラブのメディカルスタッフの方のお話、私が学習した知識、それらを元にした私個人の解釈でお話していきます。現場とのズレがあるかもしれませんがご了承ください。

ごめんね




-① 内科検査(心電図、心エコー検査含む)

さて、1つ目の項目にあたる内科検査(心電図、心エコー検査含む)ですが、一言に内科検査と言っても様々な事をやっています。

分類の仕方によっては③ 血液検査④ 尿検査も広義では内科検査に含まれるといえますね。

その他にも身長、体重、体脂肪率、BMI、除脂肪体重、骨密度、血圧、脈拍などの一般人でも馴染みのあるものから心臓の疾患・失神などの既往歴・現病歴・家族歴の把握も内科検査においては重要です。

これらを1つずつ解説するとキリがないですし、血液検査や尿検査の項目で話すことがなくなってしまいます。

ですので今回は内科的検査で何をやっているか?ではなく内科的検査はなぜ必要なのか?をメインに次項から掘り下げていきます。




- 内科的スポーツ障害

近年、サッカー選手の内科疾患がニュースになっていますよね。

・松田直樹氏が練習中に急性心筋梗塞を起こし急死
・デンマーク代表MFクリスチャン・エリクセン選手が試合中倒れ心停止を起こす
・バルセロナ所属FWセルヒオ・アグエロ選手が試合中倒れ込み検査の結果不整脈が見つかる

など、サッカー選手の心臓のトラブルは一般にも認知されつつあります。

その他にもACL韓国遠征で我らが名古屋グランパス所属MF長澤和輝選手が発熱してしまったことや、権田修一選手や六反勇治選手がかつて発症したオーバートレーニング症候群もなども内科疾患のひとつと言えます。

これらのようなスポーツ参加中或いはスポーツに参加する人に発生する内科的なトラブル内科的スポーツ障害と呼びます。

この内科的スポーツ障害の予防、検出、リスクの把握のために先で述べた検査が大事だと言う訳ですね。

https://www.f-marinos.com/news/club/3492
より




- 内科的スポーツ障害の分類

内科的スポーツ障害は

慢性障害
(オーバートレーニング、貧血、不整脈、喘息、、、)



急性障害
(突然死、心筋梗塞、循環不全、熱中症、低体温症、、、)

に分類されます。

慢性障害は、生命への影響は少ないですが時に選手生命に影響を及ぼすことがあり軽視できません。

先程例にあげた六反勇治選手は慢性障害のオーバートレーニング症候群を発症したことで長期間の離脱を強いられ、最終的には試合に出れないまま当時所属していた清水エスパルスを退団することになりました。

六反選手がオーバートレーニング症候群を発症した際のお話が「footballZONE Web」にて記事になっていたので、併せて紹介させていただきます。
↓↓↓


対して急性障害は直接生命にかかわる可能性のある非常に危険なものです。
急性障害は事前のメディカルチェックでも検出されないこともあり試合や練習当日のセルフチェックが重要となります。

松田直樹氏の例では事前のメディカルチェックでは心臓に問題は検出されていませんでした。
当時の日本ではスポーツ選手の心筋梗塞のリスクに対する関心が低く、メディカルチェックでの心臓の検査の不足もあったかもしれません。
しかし、当日のセルフチェックが軽視されていたことも原因のひとつに上げられます。

現在ではCOVID-19の感染拡大の影響もあり、朝起きたら体温を測る、体調不良を自覚したら無理せず休む、などのセルフチェックの重要性が認識されています。
一般企業や教育機関でも集団の体調の管理をする文化が根付いてきました。

彼の死後、全国でAEDの設置が爆発的に広がり、2014年にはJリーグ規約にて第4の審判員ベンチにAEDを設置することが義務付けられました

今の環境が当時にも整っていとしても松田直樹氏を救えたかは分かりませんが、二度と悲しいことが起こらぬ様我々は最前の努力をしなければなりません。


そこのあなた、体調管理報告を面倒くさがって適当な体温入力するなんて言語道断ですよ。

自動でそれっぽい体温を生成してくれるサイト
悪用厳禁
https://keisan.casio.jp/exec/user/1590980080


話を元に戻して、
以上のような

・スポーツ活動が不可能となる病態の検出
・突然死のリスクなどを内包する潜在性疾患の検出
・スポーツ障害を起こしやすい状態の検出

がメディカルチェックにおける内科検査の目的です。

こういうの減らしましょってことですね。




-スポーツ選手に潜むリスク

スポーツ選手は漠然と丈夫な身体を持つイメージがありますが、実際にはハードに身体を使うことで一般の人よりもあらゆる疾患に対するリスクが高くなっています。

スポーツ活動中に起こる突然死(心機能の低下による予期しない死亡のこと)は数万人〜数十万人に1件の割合で発生するとされており、一般人と比べ2~4倍の可能性があるとも言われています。

突然死以外にも代表的な例を挙げると、汗や消化管からの鉄分の排出量の増加、走る際足にかかる衝撃で赤血球が破壊される、などの原因からアスリートの鉄欠乏性貧血は非常にリスクの高いものとされています。
女性の場合には生理による血液喪失があるため、よりリスクは高まります。

さらに、運動量が極めて多いスポーツ選手は上気道炎(咳やくしゃみなどを主とする風邪症状)のリスクも平均よりも極めて高くなっています。

ちなみに、上気道炎感染リスクとスポーツ活動の量の関係を表すグラフの描く形から、このことを
Jカーブモデル、Jカーブ仮説
と呼びます。
調べると文献が沢山出てくるので興味のある方は是非!

「スポーツ選手のコンディショニング指標としての免疫-長距離選手のコンディションと末梢血好中球・リンパ球の変動-」
https://www.sysmex.co.jp/products_solutions/library/journal/vol10_no2/bfvlfm000000d2zk-att/2009_Vol10_2_01.pdf
より引用




○おわりに

お疲れ様でした。
内科検査とは何か、少しでも理解が深まったのであれば嬉しく思います。
文の形式や内容など何も考えずにひたすら書きなぐっているので、より詳しく知りたいこと、解説して欲しいこと、疑問点、指摘、改善点などありましたらぜひご連絡ください。

次回は② 整形外科的検査についてお話する予定です。
これまた非常に専門性の高い分野ですのでどう解説しようか頭を抱えています/(^o^)\
が、何とか形にしたいと思っているので気長にお待ちください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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