中の人の頭痛 ー苦情についてー 1/2


こんにちは!
合同会社フォルクローレのスミタと申します。
ツイッターで企業アカウント運用歴11年です。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて今日は私の経験から
お話をさせていただきたいと思います。
少しでもお役立ていただけると幸いです。

公式アカウントの運用では
炎上のリスクについてよく取り上げられますが
それ以外にも運用者(中の人)には
頭の痛い問題があります。

それは公式アカウントに対する「苦情」です。
特に、TLで直接いただく苦情ではなく
公式な抗議として会社の「お客様相談室」に入れられてしまうこと、
これは(企業にもよるでしょうが)中の人にとっては
かなりのダメージです。

この「苦情」対応には2つの側面があり、
今日は1つ目の側面、「苦情を入れた方への対応」についてお話します。


「苦情」のタイプにはいくつかありますが、
一つ目は定量的なものです。

「そちらの公式アカウントのツイート数が多すぎて
私のタイムラインが埋め尽くされる。やめてほしい」


こちらのタイプにはすぐに対応できます。
ツイートする数や時間帯の分散など数量を調整するのは
比較的簡単です。

つらいのは定性的苦情です。
「私が考えていた御社のイメージと違う。やめさせてほしい。」

「公式アカウントが他の企業とやり取りしている。
御社の情報だけしりたいのでそういうのはやめてほしい。」

こういう苦情は特に長い歴史を持つ
小売やサービス業の企業に多いようです。

その企業がすでに固定ファンを獲得していて
ある一定のイメージが出来上がっており
そこに新しいコミュニケーションチャンネルである
ツイッターが登場し、そのイメージが以前のものと
違う、という背景があります。

一方、ツイッターをスタートした理由が
「老舗化してしまったブランドイメージに
新風を吹き込み、新たなファンを獲得したい」であった場合、
そして、その狙い通り、新たなファンとのコミュニケーションが
ツイッターで形成されている時は、
いただいた苦情に合わせてそのまま
ツイート方針やコンセプトを修正することは良策ではありません。

そういう時一体、どうしたらいいのでしょうか?

一つ忘れてはいけないのは、「苦情」をいれた方の心情です。

「苦情」はラブレター。

接客業界に伝わる言葉ですが
「苦情」は「自分が好きな企業なのに疎外感を感じてしまう」
だからこっちを振り向いてほしいという
その企業への愛の裏返しなのです。

したがって
中の人としては「苦情」にめげたり、
苦しんだり、恨んだりするのではなく、
愛には愛で応えるのが正解です。

そう考えていたところで偶然見かけたのが
@nagoyaoimojoさんのこちらのツイート。


正直に苦情があったことを公開し、
悲しそうな涙絵文字とともにツイート。
「嬢」のイメージにあった、素晴らしい対応です。

ツイートではシンプルに
1.こういう苦情があったことをツイッターで公開する。
2.こちらに事情を説明し、不快に思われたことに謝罪する。
ことを実行されています。

1の公開することで、他のフォロワーの方に状況を知ってもらい
今後ツイートが変化するかもしれないことを納得してもらう。
また、中の人が反省していることを知ってもらい
フォロワーの方に共感していただくことで絆が深まります。
(ここにはもう一つ大事な狙いがありますが、それはまたおいおい。)

2は実際に苦情を入れた方に対してもメッセージが届く
(と思われる)ので
その方も苦情が受け入れられた、と満足される。
苦々しく思っていた気持ちが昇華されることでしょう。

そしてこのツイートで特筆すべきは「嫌わないでください」と
素直に恐れていることを表現しています。
これは人気アカウントとして運用に慣れてくると
プライドが邪魔してなかなかできないことなのです。
(振り返って反省💦)

その結果、@nagoyaoimojo さんへの
支持はさらに高まり、フォロワーも増え、
以前と変わらず元気にツイートを続けておられます。

「苦情」をどう捉え、さらに大きくアカウントを成長させるか、
これは一重に担当者の人間性にもかかわることですね。
@nagoyaoimojoさんが素敵でした。


次回は「苦情」の二つ目の側面、社内調整についてを
お話したいと思います。

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