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素人がデジタルで漫画を描いてみる(6)

前回の記事

前回は背景制作に3Dモデリングソフトウェアを利用するというお話でした。今回はmage.spaceという今はやりの生成AIのお話です。

生成AIについてのスタンス

なんかこう世間では、その是非について大論争を巻き起こして久しいわけですが。話題として書くのを憚られる雰囲気もありますよね。
でも技術屋としては純粋に興味がありますし、ずばり言ってしまえば、自分は肯定派寄りだと思います。便利なものは使わないと損です。
しかし、金がかかるのが気に食わない。ケチだから。
まず、絵にまつわることをさせようとすると、Blenderと同じでそれなりの実行環境が必要です。あと導入手順がしちめんどうくさい。
クラウドを使うにしても、やれクレジット制だとかなんとかで結局はフリーではまともに使えない。はい、もちろんビジネスモデルは理解してます。クラウドリソースもタダじゃないですもんね。知ってます。
タダ乗りでなんとかしようとする輩は苦労をするのが宿命なのです。
そういうわけなんで、今最先端を突っ走ってるアーリーアダプターのみなさんには精一杯頑張ってもらって、その美味しい成果のおこぼれをいつか使えればいいかな?と思う所存であります。(ゴミクズ)

あ、でも、自分の描く楽しみは奪われたくないので、使う場所は背景くらいです。全部を生成AIにやってもらおうという気はありません。

それでも背景描くのはめんどくさい

前回の記事では中間距離の背景が対象でした。だいたいは近くに建物が見えてたり、屋内だったりするので空間が描ければなんとかなります。
じゃあ遠景は?
すっごいめんどくさい。がんばれば描けますけど、コマ毎に写生大会するんかい?って話です。クオリティ糞低くていいなら、太めのブラシで水平線描いて上下に空と地面塗りつぶせば描けるけど、そういうんじゃない。

無料背景素材なんてものもありますが、既存画像である以上、画像は固定されているので、背景に他を合わせなければならないということになってしまいます。手を加えるのは容易ではないし、気に入る画像を探すだけで一苦労です。
自分で撮影する場合に至っては、望む景色が見える場所までいかないといけない。そんなの無理だよ。

今回描いた漫画では、夜景が必須だったのでまずこれをなんとかしたかったのです。夜景なんかをそらで描こうとかすると吐きそうになりませんか?撮りに行くのは寒いし、山のぼりですよ?

ブラウザで使える画像生成AI

ローカルに画像生成AIを構築するのは前述のとおり無理なので、必然的にブラウザで使えるサービスを探すことになります。例によってググれば出てきます。例えばStable Diffusion本家のStable Diffusion AI Image Generatorとかですね。
試しに漫画で使った夜景の生成に使ったプロンプトを他のパラメータはデフォルトのままぶち込んでみると、

Stable Diffusion Onlineの生成した夜景

まあそれなりな画像を生成してくれました。ちょっと奥の方が大都会すぎな感じだったり、道路がなんか違う感じだったりしますけど。

Mage

そんなこんなで比較検討を重ねて行きついたのが Mage (mage.space) でした。
メールアドレスでログインすれば十分使えます。 img2img まで使えてしまいます。
画像生成AIの肝は一般的に知られているとおり、どういうプロンプトを与えるかにかかっています。でもなんというか、プロンプトのイロハを調べるのもめんどくさいので、私は適当な英文を考えてほいほい生成するという方法をとりました。美少女キャラがキラーン☆ってしているような絵が欲しかったわけじゃないので、実際これで十分でした。
小高い丘の道路から見下ろしている夜景がモノクロで欲しかったので、
「look down city from road on low hill top at night monochrome」
とかです。すばらしい中学生英語。
Google翻訳で英文作ってもいいんじゃないでしょうか。

Mageの生成した夜景

イメージに近い画像が生成されたら、EnhanceしてからGIMPに読み込んで加工すれば完成です。このままだと漫画につかうには階調が多過ぎるので、ポスタリゼーションをかけて階調を落とします。この時は最初からモノクロで生成させましたが、GIMPでグレースケール化をしてもよかったかもしれません。こんなの自力で描いたらもうイヤになります。

バイクの絵が粗すぎて見るのがツライ

ちなみに、生成AIが何度言っても望みの交差点の画像を生成してくれなかったので、自分で描いた背景がこれ。ハハハ。もうちょっとGIMPを勉強する時間があればですね…。

背景もバイクも全部ツライ

色々試行錯誤をして思ったんですが、何度言っても「あーこれ、惜しいけど、ちょっと違うんだよねー」的な画像を生成してくるAIは、まるで使えないアシスタントのような感じでした。使ったことないですけど。
貧乏な素人漫画家にはできないアシスタントがつく、みたいな構図が思い浮かんでしまって、ちょっと笑ってしまいました。ごめんね無給で。

昨年末に描いたでっち上げ漫画にまつわるお話は今回でおしまいです。見るたびに反省してしまう漫画と向き合っているとツライので。
心機一転して、次回以降は一発ブチかましたその後に関するお話を書けたらいいなと思っています。

読んでいただいてありがとうございました。

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