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素人がデジタルで漫画を描いてみる(4)

前回の記事

で、オマエ、漫画、いつ描くの?
今でしょ!

ということで、今回の記事は「素人がデジタルで漫画を描いてみ『た』」です。前回の記事で線画が壊滅的クオリティであることを晒しましたが、無謀にもこのレベルで漫画を描いてみました。おはずかしいかぎりであります。

描いてみた漫画はこちらです。

こちらをふりかえりながら制作進行について書いていきたいと思います。

まえがき

「今年こそは漫画を描くぞ」といきまいて、何回「来年でいいや」と先送りしたことやら?もう覚えていませんが、今年noteで記事を書き始めてから、いいかげん描いてしまわなければならないという使命感が湧いてきました。よくいわれる「とにかく何か一本描け。話はそれからだ」というやつです。描いたことがない人間の言うことには説得力がない。
ちょうどいいタイミングでコンテストのお知らせがあったので、この締切りを目指して挑戦してみることにしました。もちろん結果は二の次です。

目標

  • コンテストの要件に従っていれば内容は不問

  • 通読できる、完結する漫画。モノクロ

  • 完成度に関わらず締切りには投稿する

制作の決心をした時点で幸いにもプロットはあったので、体裁を気にしなければあとは描くだけです。さて、そううまく行くでしょうか?

制作に使える時間

コンテストの締切りは2023年12月26日23:59、お知らせのメールが来たのが11月17日でした。これとは別に、年内に漫画制作をやるぞーといきまいていたのが11月18日~23日あたり。
ほぼ同時期に、クリスマスネタのキャラクターを考えたりしていました。これが11月22日でした。このあとで「これ、漫画にしてコンテストに応募できるんじゃね?」と思って12月頭から作業することしたはずです。

12月2日が土曜日だったので、ここを制作開始日とすると、締切りいっぱいまで使って25日あるという計算でした。
そうはいっても、平日はフルタイムで働いていますし、pixiv今日のお題やら、お絵描き以外のこと、家事手伝いやらなんやらで、24時間×25日満額の制作時間があるわけではありません。夜はちゃんと寝るし。
また制作作業ができる前提として、家にいて、自分の部屋のPCの前に座っている必要があります。外出中には作業ができません。
それで、実際にどのくらいの時間があるかというと、平日は寝る前の小一時間、週末は1日あたり最大4時間くらいでしょうか?単純計算すると、週末が4回あるので16時間+平日17時間=33時間ですね。これは多いのか少ないのか?
こんな厳しい見積もりだというのに、お題がクリスマスなので24日に投稿できると美しいリリースだな、とも思っていました。ここでさらに自分の首を絞めておく。平日2日分引いて31時間です。
とはいえ、経験がないため作業の所要時間がわからず、物量もわからないので、この時点ではなんとも言えませんでした。ギリギリかな?という感じだったと思います。わかっているのは開始を先送りするだけジリ貧になるということ。迷っているひまはありません。

迷わず行けよ 行けば分かるさ

正直なところ「おそらく間に合わない」と思っていたので、とにかく時短を念頭に突っ走ります。止まるんじゃねえぞ

  • 12月2~3日:ネーム兼下書きをする。計19ページ
    GIMPで新規ページを作ってはプロットを書き殴る、を繰り返し、とにかく最後まで描きました。コマ割りとかセリフとかもごっちゃに描いていきます
    あらかじめプロットがあったのは助かりましたが、総ページ数は見当がついていませんでした。冗長なネタは削っていくも、結果19ページにもなってしまって「うひゃー」っとなりました。間に合わないページは最悪抜くことも想定しておきます。話つながるのか?ああ、1ページ漫画だったらよかったのに!
    この時点で8時間使って残り23時間なので、1ページあたり1.21時間しか充てられない計算になります。

  • 12月第1週平日:背景と3Dモデルの貼りこみテスト
    この週は生成AIで作画した背景の貼りこみと、バイクの3Dモデルを貼りこんでアタリに使うことを検証してました。この辺の話はまた別の記事にします。うまく行きそうだったので背景を増産したり、アタリに使える3Dモデルのスクショを作ったりしています

  • 12月9~10日:下書きの推敲
    棒人間ばっかりだとさすがに線入れしづらいので納得いくところまで下絵を全ページ描き込みました。バイクのアタリと入れられる背景はここで貼りこんでいってしまいます。残念ながら面倒な2ページがまるまる手を付けられないまま残ってしまいました

  • 12月第2週平日:コマ割り
    単純作業は平日に持ってきました
    とはいうものの意外と時間がかかります。1時間で全体の半分を消化するペースだったでしょうか。平日は作業時間が約1時間しかないので実質2日です

  • 12月16~17日:線入れ・埋まってなかった2ページの制作
    やっと線入れをしていきます。そうはいってもそこまでしっかり下絵を描けているわけではないのでかなりぶっつけ本番です。もうキレイな線で絵にしていくのはあきらめます
    惜しくも全部は終わらなかったものの、そろそろ全体像が見えてきました。残作業のベタ・トーン、背景、セリフ入れの物量が分かってきて、あと1週(約9時間)で間に合うのか不安になってきました。最悪真っ白な漫画になっても、セリフだけはなんとしても入れないといけません(通読できないので)残作業の簡略化も考えておかないといけません

  • 12月第3週平日:セリフ・フキダシ、ベタ・トーン・ホワイト着手
    セリフを入れるとりあえず全部、できてなかった線入れ3ページ、そしてできたページからベタ・トーン・ホワイトも順次やっていきますが、実はこの作業がかなりメンドクサイことがわかります。1時間で1.5ページくらいのペースでしょうか。背景入ってないよ~

  • 12月23~24日:終わらせる
    24日16:00をリミットに設定して、残作業を時間の許す限りやっつけます
            '``・ 。
                 `。
           ,。∩
          + (´・ω・`) 。+゚
          `。 ヽ、  つ ゚
           `・+。・' ゚⊃ +゚
           ☆   ∪~ 。゚
            `・+。・ ゚
    もうどうにでもな~れ

    ついにpixivにぶち込みました!

どうだった?

とにかく、世界中の漫画を描いているみなさんを無条件で尊敬します。いやほんと、これに尽きる。

  • 有言実行達成
    よかったところを挙げるとすればこれです。結果はともかく

  • 思ったほどGIMPを使いこなせていない
    やっぱり毎日触るくらいじゃないとなかなかむつかしいです。ちょっと込み入ったことをしようとすると、検索しないと解法が見いだせない。今はSketchドローの方が上手く扱えるかもしれないです

  • 絶対的準備不足
    設定画の重要性を認識しました。コマごとに顔が違ったり、衣装デザインがバラバラだったり。1~4ページくらいの漫画ならともかく、単発であってもこれくらいの物量になると必要ですね

  • コピペを使いこなせ
    アナログの時代からコピー機などを駆使したコピペってプロの現場でも使われてたので何も臆することはないんです。自分の描いた絵ならなおさら。スマホなどの小道具は最初に描いておいて使いまわすべきでした

  • 必要悪的低クオリティ
    覚悟していたこととはいえ、フキダシの形状、フォントの選定、カキモジの適当さ加減…時間に合わせて作業をすると削らざるを得なかったということですね。この辺も経験があればもう少しなんとかは出来たのかもしれません

締切りに追いつめられる感覚をひさしぶりに味わった気がします。
今の気分は「正直もうええわー」って感じですが、締切りがないとまた「描く描く詐欺師」に逆戻りです。
ここは一般的な習慣化のセオリーどおり、確実に達成可能な目標を掲げるところからやっていきたいです。

自分はお話が作れない人間だとずっと見限ってきたんですが、意外とそうでもなかったようです。面白いかどうかはわかりませんが。
問題は「話を早く公開したいけど、時間をかけないとクオリティが下がる」対「時間をかけるとなかなか完成せず、公開するのが遅くなる」、というところですね。
何かいい落としどころはないものか。

今回はみごとに間に合いました。形だけは。人間なせばなるもんです。
読んでいただいてありがとうございました。

追伸:
これを書いたあとにインフルエンザでぶっ倒れました。
無茶はしないほうがいいですね。趣味は健康で楽しくやりたいですから。

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