障害児の子育てを垣間見て無理ゲーだと思った話を少しだけ。

児童虐待防止に関する書籍(NTT出版)に寄稿させて頂いた際、自閉症の子供達の放課後スクールを取材したことがある。

取材時、体の大きい男児(おそらく中学生)が馴れ馴れしく身体接触してくる事に物凄く嫌悪感があったのだが、当時は(障害児なのだから)と我慢していた。

しかし彼らの母達と話をして分かったのは、触らないで!嫌だからそばに来ないでと言って良いこと、なんなら怒って構わない、ということだった。

逆に言われないと彼らは分からないから、これをすると怒られる嫌われる、を体験させて欲しいと…

うーん…

親には教えられない事なのだろうから致し方ないとはいえ。

初対面の、身体は大人、頭脳はこども…の少年青年にいきなりそばに来るな!と怒るのって難しくね?と困惑した…

なぜかと言えば。

日常で見知らぬ男にそれをするのは、相手が痴漢のケースだけだからだ。

知らない人に触ってはいけない。
知っている人でもいきなり触るのは禁止。
親しい人でも異性に近寄るのは駄目。
異性のプライベートゾーンや脚などをジロジロ見たり触ったりするなんてもってのほか!

それを障害児に教えるのは、至難の業なのではないかと感じる。

特に母親1人で男児を育てる上では、これはどう教えたら良いものなのか皆目見当が付かない。
それこそ善意の他者を引き込むしか方法がないが、組織立ってそれをサポートしてくれる所が見当たらない…

子供が小さいうちは他者のサポートは受けやすいが、知能に障害を持つ男児が性的興味を持つ年齢になった時のことはどれだけ考慮されているのだろうか。

少なくとも、健常者側の社会人として生活する上で、私は周知された組織的サポートがあるという情報を見つけたことがない。

これは無理ゲーではないか…?

障害児を産む可能性は誰にでもある。
だとしたら、その子が成長して異性の他人に嫌な思いをさせる可能性はセットである。

いや、健常だろうが異性に損害を与える可能性があるから、男児の子育てには慎重にならなければいかんのに、本人にその能力が無い上サポート体制がお粗末だとしたら、割を食うのはどこか他所の、もしかしたら大事に育てられたお嬢さん、ということになる。

何という無理ゲー……

この問題への解決策提示は今のところ無いので、天を仰ぐほかはない。

障害児を育てておられる親御さんにとっては分かりきった我が子の未来だと思うので、私なんぞがボーゼンとしようがほっとけ!という話だろうが…

棲み分けが出来ない限りは
身体の大きな障害児を見たら距離を取る、くらいしか出来ないことはご理解頂きたいと思う。

だって。
いきなりそばに来ないで!
触らないで!
と嫌な顔をして見知らぬ少年や青年を叱咤することは、当たり前の感覚では不可能だからだ。

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