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新旧融合の狭間で料理人は笑う

私は自己啓発が得意ではない。

実際に勇気をもらうことは多いが、その時間が何かを生み出していることはなく、変わった気になるだけで人の言葉の上で「なった気」になっているだけだからである。

そんな性格だからか堀江貴文氏や落合陽一氏の対談などをよくYoutubeで流し聞きしている。

そんな二人は私たちが思っている以上に先の未来を話すので、勉強になる反面、実生活に落とし込めないことも多々ある。


今日妻と話していて、私の手掛ける店がとても楽しみだと言ってくれた。

妻も両氏の対談を聞いたことがあるのだが、

ここまで時代が多様性を帯びてきて様々な考え方が錯綜しているこの世の中ではどんなこと(店)をしていいのかわからなくなりそう。

と言っていた。

私は過去にもテクノロジーと料理人の向き合い方の記事は書いたことがあるが、結局書いた内容を見ると読者の方々には

アナログで前時代的な料理人の働き方はもう古い!!と言っている人と思われているのではないかと思う。

これから想像もできない様々な技術が発明されていくだろうが、私は料理人である。見たこともないテクノロジーも想像を絶する発明も、料理の世界に落とし込むには時間がかかるし、正直まだいらない。

料理業界の面白いところは

新旧の狭間に位置し、テクノロジーが入り込めるようで入り込めないところに存在しているところである。

私の目指す店の形もツールとしてのテクノロジーの採用は積極的に進めていくが、お客さんとの会話やコミュニケーションはPepper君にはやらせない。

IT業界とは違い効率化と非効率化の両方の側面を兼ね備えた飲食業界はこれから先とても面白いと思う。

さながら古い建物を活かし、街の魅力を高めるドイツの景観のようだと思う。

料理業界はテクノロジーの導入が遅いのではなく、この新旧混ざり合った特殊な業態がフィルターとなりテクノロジーを選別している。

飲食業界にとってIoTで外から冷蔵庫をコントロールするとか、近くにいるのにオーブンをスマートフォンで操作できるとかの機能はいらない。

でもPOSシステムの変化は大いに活用が期待できるし、ECシステムもこれから先インフラとなるくらい飲食店オーナーには普及するだろう。

飲食店のすべてがテクノロジーに置き換わったらそれはそれで自動販売機と変わらない。

レジやメニュー、持ち帰りの方法や販売はテクノロジーと同化し、アナログでコーヒーを落とす演出料理。

これがこれからの飲食業界を引っ張っていくアナログとテクノロジーの融合であり料理人として飲食業界の本質を追求していく姿勢なのかなと思う。

料理人として捨ててはならない部分があるなら接客にしろ料理にしろ、いつまでも手放してはいけないと思う。

ただ、テクノロジーの恩恵で時間を削減でき、なおかつお客さんに影響が出ずに増えた時間をお客さんに還元できるところはテクノロジーの導入を急ぐ。

そう考えれると料理人はもっとお客さん目線で店を作れるし、エンターテインメント性のある楽しい店になれると思う。

将来笑える料理人はこういった形で生まれると思う。

2020/2/5

働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。