ペップvs5-4-1<敗戦から得た光>/ニューカッスル戦分析


前回のサッカー分析noteを読んだ方から「勉強になった」「また読みたい」というメッセージを送ってくださった方々ありがとうございます。


元々私には、サッカーを学びたいという指導者やサッカーファンの方に「サッカーの新たな学びの場を提供する」というビジョンがある。そのビジョンに向けたアクションをするにはまだ早いと思っていた。しかし、前回のnoteをキッカケにその考えが変わった。

これからビジョンに向けた一歩として「サッカーの学びを提供するnote」を隔週で発信することに決めた。なるべく分かりやすく、そして新たな学びを提供できるよう努力したいと思う。

今回はマンチェスターシティvsニューカッスルの分析をした。是非ご一読下さい。


◾️目次◽️はじめに◽️ペップvs5-4-1◽️5-4-1の攻略法◽️おわりに


1.はじめに

マンチェスターシティvsニューカッスルは1-2でニューカッスルが勝利した。順位から考えても大金星だ。今回はその両チームの分析、そして5-4-1の攻略法をまとめる。

まずはスターティングメンバーからだ。

試合は早速動いた。1分も経たない内にシティは相手ペナルティエリア内にボールを送り込むことに成功し、D・シルバの折り返しをアグエロが仕留めた。「シティの勝ちゲームだ」多くの人がそう思ったに違いない。だが、予想は裏切られることになった。この敗因は2失点したことよりも追加点を取れなかったことにあると私は思っている。

2.ペップvs5-4-1

ベニテスは非常に組織的な5-4-1のバスを準備した。特にMFの4枚の動きが素晴らしかった。基本的に両チームは以下のような「配置」を組んだ。

シティのダニーロ・フェルナンジーニョ・ウォーカーの3枚(ダニーロ・ウォーカーの位置はデ・ブライネ・D・シルバと変わることが多くある)に対し、ニューカッスルのMF4枚はプレスをかける。CFロンドンはアンカーのフェルナンジーニョへのパスコースを消す役割を担っていた。
プレスをかけられたシティの3枚は、WGへのパスかバックパスによって作り直すことを余儀なくされる。

しかしCFロンドンに課されたフェルナンジーニョのパスコースを消す仕事は、あまり上手くいっていなかったように見えた。というよりもそれを容認していたのだろう。CBを経由されればいとも簡単に通されてしまうことは分かることだし、カウンターを考えればある程度の「さぼり」は許されていたに違いない。そのためフェルナンジーニョにボールが入った際には、VOがプレスを掛け、中央に集結を作る対策をしていた。そして以下のシーンからベニテスの守備の意図が読み取れた。

シティのMFラインの左右がボールを持った時に、ニューカッスルのVOがプレスをかけ、その他の3枚が中央に集結するシーンが何度もみえた。この時ボールサイドのSHは、WGへの警戒よりも内側のパスコースを警戒していることが伝わった。これはゲーム全体を通して読み取れた。つまり、ベニテスはこの赤のゾーン=MF-DFラインの間のスペースにボールを入れられることを最も防ぎたかったはずに違いない。

それは多少WGにボールを持たれたとしても。

なぜWGにボールを持たれても良しとしたのか?シティの両WGを舐めてかかったのか?いや違う。5バックの利点を考えれば、それは普通のことだ。5バックには、「ポケット(=赤ゾーン)をカバーできるDF」が明確に存在するという利点がある。そのDFとは両脇のCBである。
SBを突破されたとしてもカバーにいけるし、もし仮にポケットにパスを流し込むのであれば、潰しにかかるだろう。ここに人が立っているだけで、ポケット侵入の抑制ができる。配置がサッカーにおいて最も重要なことを改めて教えてくれるシーンでもあった。

ただシティの選手たちはそんなトラップにかかるはずもなかった。いつもの試合に比べて圧倒的に、ポケットへのフリーランが少なかったことからも分かる。

ではどのように攻略しようとしたのだろうか?

シティは果敢にDF-MFライン間を狙っていた。ただ上述したように、ニューカッスルはこのゾーンへの侵入を阻止してくる。そこでシティはサイドチェンジを繰り返し、守備のズレを待った。そしてその生まれたズレを逃すことなく、パスを通そうとしていた。そしてDF-MFラインの間を攻略する1つの手段としてCBのドライブを準備していた。(ここでのドライブとは、スペースへボールを運ぶドリブルとする)

CBがボールを運ぶことによって、相手のVOが釣られる。間にいる選手に通るならばパスをするし、もし無理ならフェルナンジーニョへパスをして、「目線を変えた」位置から侵入を狙う。

そんなようにして慌てずに攻略を進めていた。しかし、ペップにとってプラン外のことが2つあった。1つが連戦の疲れからかミスが多かったこと。ボールコントロールを生命線としているスタイルにおいて、痛い仕打ちとなった。2つ目がニューカッスルの守備が中々崩れなかったこと。そのため効果的にDF-MFライン間に侵入する回数を増やすことができなかった。

その結果、追加点を奪えないまま試合を終えることになった。

ではシティはどうやって効果的に5-4-1を攻略すれば良かったのだろうか?


3.5-4-1の攻略法

まず1つの改善点としてアグエロのポジショニングに触れたい。

今回アグエロは0トップ(=中盤の位置まで降りたりすること)としてサイドに移動することが多々あった。しかし、私はそのポジショニングが効果的ではないと思った。ではどうするべきだったのか?

上述した通り、フェルナンジーニョがボールをセンターレーン付近で受けることが多くあった。そしてこの試合の狙いとしてDF-MFライン間に侵入することがあった。それらを踏まえるとアグエロは以下のような位置をとるべきだったと思う。

そうすることで相手の両VOは閉めざるを得ない。すると、この赤ゾーンに侵入する入り口となるVO-SH間を広げることができるのだ。もしVOが気を抜いたのなら、アグエロに縦パスをつければ一気にチャンスを迎えることになる。

以上の理由から、アグエロのポジショニングの修正を提案したい。

ただ相手のMFラインは非常に整備されているため、VO-SH間の入り口から侵入することは、スライドにより防がれるかもしれない。その次の策としてWGのポジショニングがある。

今回はWGは高い位置でボールを受けれるため相手の最終ラインとほぼ同じ高さにポジショニングしていた。しかし、私はこのように相手のSHに対し2対1をつくるポジショニングをとることを勧めたい。

先程の続きとして、フェルナンジーニョがセンターレーンでボールを持つとする。そして、縦パスを通せないためウォーカーがボールを受けたとしよう。その時に、この画像のように2対1を作れていれば相手のSHに迷いが生まれる。そしてウォーカーがSHを釣り出してからスターリングにパスをすれば、横からDF-MF間への侵入を可能にする。


以上のことから私は、攻略法としてアグエロのポジショニングとWGのポジショニングを提案したい。


そして何より私が最も驚いたのは、ペップがそれを試合中に気づき修正したことだ。

後半の途中にアグエロとジェズスを2トップにし、D・シルバを相手VO間に配置したのだ。

狭いスペースでのプレーをより得意とするD・シルバをこの位置に置いたということは、センターレーンに攻略の糸口があったことに気づいたに違いない。

そして2トップは、両脇のCBを引きつけポケット(=白ゾーン)を空けること、そしてDF-MF間からの切り込みを託された。

得点には至らなかったものの、これを試合中に気づき修正してくるペップは間違いなく世界最高の監督だと改めて思った。



4.おわりに

いかがだっただろうか?今回の試合でペップは5-4-1の攻略の光を発見したと私は思ってる。

私もサッカー指導者として活動しているが、指導者の方が気をつけなければならないのは同じサッカーをやろうとしてはいけないということだ。ペップが後半の途中にD・シルバをあの位置に置いたように、選手の特性を理解してサッカーを選択する必要があるのだ。また各年代によって優先されることは変わる。様々な要因を踏まえた上で、私の発信が学びの1つになれば幸いだ。


より良い学びを提供するために、改善点や要望があればTwitterにてメッセージを下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

●書き手 
小谷野拓夢
https://mobile.twitter.com/foot_koyahiro













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サッカーの学び舎

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