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専門卒の私が論文を書くことにした訳

こんにちは靴手鳥です。

前回、久々の投稿で、週1くらいで更新したいと言ったものの、記事を書けないままあっという間に週末を迎えてしまいました。(月曜日始まり換算ならまだセーフ…?)

飛ぶようにというか、なんというか、光陰矢の如しすぎて慄くな、なんて思いつつ急いで記事を書いています。

サムネは専門学校時代に製作した整形靴です。


今回のテーマは「論文を書く」です。

前回の記事「短期目標の更新」で、次の短期目標を論文を書くことにしたことを書いたので、今回はそのことについて、詳しく書こうと思います。


論文を書く理由

論文を書こうと思った理由は、整形靴が職人技であることが、整形靴が広まらない大きな原因であると思ったからです。

「職人の勘」

整形靴は元々、第二次世界大戦後、負傷兵の治療および日常復帰を目的として広がったと言われています。(諸説あり)

それまではビスポークシューズ(いわゆるオーダーメイドシューズ)の職人だった人たちが、既に存在していた義肢装具(義足や義手など)の知識と靴の製作技術を合わせて、足の機能を補う靴を作り始めたことが始まりです。(諸説あり)

そのためか、未だ「職人の勘」による作業が多くあります。

人の足は1人2足。一人ひとり特徴的で、完全な左右対称はあり得ない上に、何らかの理由で変形している場合、左右が大きく異なるときもあります。

靴の製作自体が特殊な作業であるため数値化しづらく、経験に頼りがちになるのも仕方のない部分はあります。


「処方箋で製作するもの」

しかし、整形靴は処方箋で製作するものという側面もあります。

医師が「この人には整形靴が必要(または効果的)である」と判断し、処方してくれて初めて整形靴を作ることができるのです。

「勘」で作られるものを、信用して積極的に処方してくれる医師は、一体どのくらいいるのでしょうか。


整形靴のあやふやとも言える一面に気づいてから、論文を探して読み漁っていますが、技術の数値化は難しいようで、あまり製作技術そのものに焦点を当てた論文は見つかりません。

では、整形靴の効果についてはどうか、といえば、そちら方面の論文も多くはありませんでした。最も多いと感じたのは症例報告で、糖尿病や外反母趾、小児の整形靴についての報告が多く見つかりました。


ですが前述の通り、足は十人二十色。症例報告はもちろん重要な情報ですが、目の前の患者さんに有効かどうかを判断できるほどの情報を集めるのに、どれだけの本数を読まなくてはならないのか…

日本には足病医(アメリカやカナダ、オーストラリアなどにいる足を専門に診る医者)がいないため、足に対応する医師はおそらく自分の専門分野を中心に全身の知識を持っていて、その一部として足も診ているのだろうと思います。

足のこと、しかも情報の少ない整形靴の情報収集にかけられる時間は多いはずもありません。

対1人の症例報告だけでなく、整形靴そのものの機能を証明することができれば、、少しは医師の信用を勝ち取れないだろうか。と思わずにはいられません。


そんな2つの理由から、論文を書こうという考えに至りました。今はまだドイツで整形靴技術者の見習いをしているところで、研究をするのは難しいものの、インターネットで公開されている論文をまとめ、レビュー論文を書きたいと思っています。


論文のテーマ

論文のテーマは、「糖尿病性足部潰瘍の再発予防に対する整形靴の効果」…かなと思います。もっとも細かな文言は変えるかもしれません。

私が今、一番興味を持っているのは、糖尿病性足部潰瘍の再形成の予防についてです。潰瘍(潰瘍)というのはよく胃潰瘍や十二指腸潰瘍などで耳にするあれのことで、実は胃などの消化器官だけでなく、手足にもできることがあります。

糖尿病は末梢神経障害を併発することもあり、足の感覚が弱くなったところに潰瘍を形成すると発見が遅れ、症状が進行した結果切断に至ることも珍しくはありません。

さらに再発率が高いこともあり、足を残すためにどう再発を予防するかが大切になってきます。

整形靴の論文をひたすらに探すうちに、この分野の医師から整形靴への期待値がそれなりにあることもわかりました。


現状

今は論文を探しては読み、整形靴に関わりの深い記述を自分なりにまとめることの繰り返しをしています。

勢い余って英語論文にも手を出していますが、元々英語が得意なわけでもないので、そちらは亀の歩みです。それでも楽しいので、好きってすごいなと思わざるを得ませんが…

今後は論文の書き方なども勉強していきたいと思います。


日本はもう夕方ですが、ドイツはまだまだお昼です。お昼ご飯を食べてもうひと頑張り!

最後まで読んでいただいてありがとうございます。今後も自分の目標のことや整形靴のことを書いていくので、読みに来ていただけると嬉しいです。

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