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GKがボールに触れていない89分間の行動分析

今回はサッカーのゴールキーパー(以下GK)についての話です。
GKには大きく分けて3つの仕事があります。
・ゴールを守る
・スペースを守る
・パスを出す

ゴールを守るというのはシュートの対応、1対1のようなゴールに直結するプレーが多いです。
次にスペースを守るというのはクロスの処理、ロングボール、スルーパスの対応などシュートに繋がるパスに対しての飛び出しです。
最後にパスを出すはゴールキック、スローイング、バックパスの処理などです。現代サッカーではGKの足元の技術も求められています。

では、サッカーの1試合を通して上記3つの中で1番頻度の少ないものはどれでしょうか?
実は意外にもゴールを守るプレーなんですね。割合でいうと約15%です。GKの役割はシュートをブロックするイメージですが、実は直接ゴールに飛んでくるボールを処理する回数は少ないのです。
でも、今回は上記に挙げた3つのプレー以外の行動についても取り上げてみたいと思います。


GKのOFFのプレーとは

先ほど説明したプレーはボールに触れる「ONの時間」での仕事です。でも、GKが90分の試合の中でONの時間は僅か1分程度です。つまり残り89分間はボールに絡まない『OFFの時間』なのです。
もちろん、OFFとは言っても休む時間ではありません。OFFからONになる訳ですから、このOFFの時間帯に何をするかで良いGKになれるかの差が生まれています。GKの行動は大きく分けて『予測』『判断』『決断』『行動』の4つが挙げられます。

予測

ゲームを先読みする力が必要です。特に危機察知能力が求められます。もちろん、どんな優れたGKでも1人でゴールを守ることはできませんので、味方を動かすコーチングも重要です。
コーチングは主に「誰に」「何をしてほしいか」を伝えます。危ない時は「クリア!」「寄せろ!」や自分がボールを処理したいときは「キーパー!」など短い言葉で大きな声で味方に伝えます。もちろん、後方から味方を鼓舞するようなポジティブな声掛けも大切です。

判断・決断
ピンチを招かないためにどういう行動を次に取れば良いかという判断力が必要です。先ほどの予測が出来ていないとこの判断も遅くなります。しかし、判断できても決断まで時間が掛かってはいけません。スポーツでは一瞬の間に判断と決断を行わなければいけないのです。

行動
決断したら後は行動です。思い切って飛び出す勇気あるプレーが求められます。特に1対1でシュートの体勢の選手に向かって飛び出すのは怖いです。でも、中途半端なポジショニングが1番危険です。近づけば体に当たるシュートでも、距離を開けることで顔に当たってしまうこともあります。特にゴールが小さいフットサルではボールを体に当てて防ぐ場面は多くなります。しかし、自分がゴールを守るんだという強い気持ちがGKには必要です。

もちろん、GKにはこれら以外にもキャッチング、パンチングの技術、ステップワーク、スピード、ポジショニング、集中力、精神力、自信、冷静さなど様々な能力が必要とされます。技術以外にもメンタル面がフィールドプレイヤー以上にプレーに大きく影響するポジションでもあります。


フットサルの指導をしていて感じるのは小学生低学年でGK(ゴレイロ)をやりたいという選手が多いことです。フットサルコートという砂のグラウンドとは違う環境のため、飛びついたり、滑り込んだりしても、痛みや怪我も少ないのが人気の要因でしょうが、1番は守るだけではなくゴールを奪うこともできるのが魅力でしょうね。サッカーでもGKがコーナーキックに合わせてゴールする場面がたまにありますが、フットサルの場合はFリーグでは頻繁にゴレイロのゴールを見ることができます。
自らゴールを決めて、無失点に押さえて勝つ!影のヒーローではなく、主役になれるポジションだと思います。もちろん、サッカーの場合はGKが目立つことなく、1度もボールに触れることなく試合が終われば、それに越したことはないんですけどね...。

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