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上達の初めの一歩は認知から

フットサルやサッカーの指導に関する本を読むと必ず出てくる言葉、それが「認知」「決断」「実行」です。これはプレーのプロセスを表現しています。その中でも最初に出てくる「認知」が出来るようになるかが上達の最初のポイントと言えます。スクールなどに長く通っていて、ある程度ボールを蹴れるようになり、ドリブルも自由に運べるようになってきたのに試合になると思うように活躍できないと感じたことありませんか?
ゴールまでのプロセスに必要な「決断」も「実行」も、まず「認知」ができていないと始まりません。如何に短い時間で情報を収集することができるのか?また、その頻度や質はどうなのか?そこが上達のポイントになってくるのです。

そもそも、プレーに必要な情報とは何なのか?オフェンス時とディフェンス時で変わってはきますが、どちらにも共通することは以下の3つです。

まず、ピッチ全体の選手の位置。これは味方、相手も含みます。その中で近い未来に起こるであろうプレーに関わってくるのは誰なのか?距離は適切かということ。

次にボールの位置。いまどこにボールがあり、次のプレーでどこに向かうのか?

最後は戦術的な位置どり。チームでトレーニングしている戦術、約束事を行えている(行なおうとしている)のか?ということ。さらに深掘りして1つ付け加えるとしたら、どのスペースを攻める(守る)のか?ということも同時に考えないといけません。

もちろん、これらの情報はプレーが止まった状態で収集する訳ではありません。1秒後にはまた違う配置になっていることでしょう。文章で書くとそこまで難しいように思えないかも知れませんが、子どもたちが実際にプレーの中でこれらを熟せるようになるには時間が掛かります。特に始めたばかりの子は自分がゴールを決めるにはどこに動けば良いのかという考え方しか出来ないため、チームの利益をイメージした行動はなかなか難しいものです。学年が低いほど団子サッカーが起こってしまう原因はそういうことです。

では、情報収集を行うためにはどうするべきか?ということになりますが、まずは周りを見ることです。当たり前ですね。よくプレー中に首を振れと言いますが、ピッチ全体を広く見る視野を身につけていく必要があります。しかし、ドリブルが上達していない選手は視線がボールに行きがちになります。ルックアップした状態でボールを運ぶ必要があるため、基礎が身に付いてきた選手には、コーンを置いてのジグザグドリブルやボールタッチの練習では、できるだけボールを見ないように伝えていきます。
「認知」についての基礎としてまず何を収集しないといけないのか理解はしていただけたでしょうか?細かい部分まで掘り下げるとまだまだ伝えないといけないことはたくさんありますが、上記のことをまず理解できるようにトレーニングを行なっていきましょう。

実際にまだ始めたばかりでボールコントロールはおぼつかないけど、認知の能力が高い子もいます。しかし、パスコースは気付いているけど、そこに通すパスの技術がまだ足りないためカットされてしまいます。でも、こういう選手は急激に伸びてくる傾向があります。ミスが起きたときに「どこに出しているんだ!」と叱りつけるのではなく、味方がいることに気付くことができたから起きてしまったパスミスは評価してあげなければなりません。
このような判断を周りの大人がどう見てあげるかが育成年代の難しいところです。指導者自身も選手の成長を認知するためには周りをよく見る必要がありますね!

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