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川崎2-0湘南(2019年4月19日)

3試合分(4/5川崎対C大阪、4/13横浜対名古屋、4/14東京対鹿島)更新をサボってしまいましたが、今回は等々力陸上競技場でのJリーグ第8節、川崎フロンターレ対湘南ベルマーレの「神奈川ダービー」です。

試合前

前節の鳥栖戦で馬渡和彰と大島僚太が復帰した川崎フロンターレ。ちょうど4/5のC大阪戦を見た時に不安と不満を感じていたポジションだったので、ひょっとするとコレから攻撃が好転するのかも知れない。今日はそんな事を考えてスタジアムに足を運びました。

試合展開

さて・・・と思った頃にはもう試合が動きました。

5分、舞行龍ジェームスと接触した際に足の痛みを訴えピッチに座り込んだ武富孝介が7分に再び座り込むと自らピッチから離れ、12分中川寛斗投入。

そしてこの中川寛斗投入後15分から20分に阿部浩之の先制点が決まるまで、実に5分間、ずっと川崎のボール保持が続きました。一度ボールを失ってもプレッシャーをかけてすぐ奪い返し、パスが合わなくてもすぐに別の選手がカバーする。18分辺りで一度湘南が自陣深い位置で数本パスつなぐ事に成功しましたが、縦に出したボールをすぐ回収。19分のCKのこぼれ球も回収して再びポゼッション。ボクシングでコーナーに相手を追い込んだ上で、ガードお構いなしに殴り続ける場面がたまにありますが、まさにそういう場面を頭に浮かべながら観てました。

そして得点シーン。そこに至る5分近くのボール保持の間、川崎はシツコイ位に左から攻めてました。たまに守備を広げようと右サイドまでパスが来る事もありましたが、またすぐにボールは左へ。そんな流れの中、右サイドで余る時間の多かった馬渡和彰が裏を窺うシーンは実は何回かありましたが、それはあくまでも右サイドでの話。そして、得点に至ったこの1回だけは、右サイドの位置からまずグッと中に入り、大島僚太が頭を上げたタイミングでコースを変えて湘南の左CBと左アウトサイドの間に入り込むと、CFを彷彿とさせる胸での落としで阿部浩之のゴールをお膳立てしました。

パスを出したのは大島僚太、パスを受けたのは馬渡和彰。
まさに試合前に自分が注目していた2人が絡んでの先制点でした。

29分にも、この2人が絡んだシーンがありました。ビルドアップのサポートで最終ラインに入った大島僚太と、ボランチの田中碧、上がった馬渡和彰のフォローで下りて来た家長昭博のパス交換から大島僚太がグラウンダーでの縦パスを入れると、右サイドでDFラインの裏に抜け出した馬渡和彰がダイレクトで中央にクロスボール。グラウンダー気味になった事で秋元陽太に抑えられましたが、少し浮かせていれば、あわや・・・という場面。

そして36分の追加点。ボールを保持し続け、パスを回して回して相手に追いかけさせて窒息させて仕留めた1点目がまさに去年までの川崎の戦法なら、CB(特に奈良)からの縦パスで一気に仕留めた2点目は去年まではなかなか見られなかったパターン。今年、奈良からのこういう勝負の縦パスが目立ちますし、かなり良いボール出て来るんですよね。中村憲剛や大島僚太、家長昭博からだけではなく、最終ラインのしかも(失礼)奈良竜樹からこのテのパスが飛んでくるというのは相手にとっては脅威でしょうし、小林悠や知念慶という裏への抜けだしに特色を見せるFWのいる川崎にとっては今後大きな武器になりそうです。

前半ではボール支配率こそ川崎52%、湘南48%とそこまで大きな差にはなりせんでしたが、パス本数が湘南の299(成功率86%)に対して川崎が418(成功率89%)。しかも、ただボールを回しているだけではなく、的確に急所を突いて前半で2得点。川崎の持ち味が出た45分だったと言えるでしょう。

後半開始と同時に小野田将人に代えて秋野央樹を投入、4バックに布陣変更した湘南が圧力を強め、59分山崎凌吾の反転から左足シュート、65分松田天馬のミドルシュート、73分、左からの梅崎司のクロスをフレイレがヘディングシュート、77分、松田天馬のミドルシュート等のチャンスを作りますが、59分と73分のシュートをGKチョン・ソンリョンのファインセーブでしのぐと、逆に80分頃からカウンターも交えて川崎が巻き返しを見せ、81分、登里亨平のドリブル独走からの左足シュート、82分、途中出場した長谷川竜也の左サイド突破から知念慶の右足シュート、88左サイドでの1対1から長谷川竜也の右足シュート等の決定機を生み出すも、追加点を挙げて湘南の息の根を止めるまでには至らず、試合は結局2-0で川崎の勝利となりました。

観戦を終えて

連勝もさることながら、今季のリーグ戦におけるホーム初勝利とのことで。
ホーム5試合目での初勝利と聞くと、なんだかいかにも時間がかかってる様な気もしますが、実はまだリーグ戦全体では1敗しかしてないんですね。

さて今日の試合の勝利の要因ですが、間違いなく前節から復帰した馬渡和彰と大島僚太の存在が挙げられると思います。

2015年から3年間に渡って川崎の右サイドに君臨し、特に攻撃面で絶大なる存在感を示していたエウシーニョが退団。今季その右サイドはマギーニョ、馬渡和彰、鈴木雄斗の3選手が主に務めてます。開幕戦「多摩川クラシコ」FC東京戦を観た時、ココから先、マギーニョが劇的な改善を見せない限り、右サイドは馬渡和彰が務めるべきだと強く感じました。その位、後半途中に馬渡和彰が入ってから右サイドの攻撃には劇的な変化が見られました。

しかしその後、馬渡和彰は負傷欠場等が増え、チーム全体の調子もなかなか上がらず、非常にもどかしい状態が続きました。馬渡和彰欠場の間、右サイドバックは鈴木雄斗が務める事が多かったですが、彼に関しては直近で観たC大阪戦のイメージがあまり良くありませんでした。全て彼一人の責任では当然ありませんが、攻撃が彼の所でことごとくノッキングしてるような印象があり、彼自身も迷いがあるような、どことなく自信なさげに見えました。

一方の大島僚太に関しても、彼の欠場を埋めた守田英正や田中碧が頑張ってなかったという訳ではないんです。守田英正は昨年大島僚太の横で先発の座をつかみ、日本代表に選出されるまでになりましたし、田中碧も昨年のJデビューから長足の進歩を遂げている選手である事は間違いありません。ただ大島僚太(または中村憲剛)の手綱さばきがないと、表現が難しいですが、全部狙おうとするきらいがあるんですよね。いい所に味方がいてると、全部使おうとしちゃうんですよね。中村憲剛や大島僚太だと、いい位置に味方がいても、もう一つ近場で回して相手を食いつかせようという、もう少し長期的な全体的な視野に立ったボールの動かしができるんですが。それを一般的に「間」や「タメ」と言うのかも知れませんが、猛者揃いの川崎にあってもその部分の調節を自由自在に行えるのはやはり中村憲剛と大島僚太、そして家長昭博の3選手だけだと思います。だから赤村憲剛と大島僚太がそろって欠場している間、家長昭博に負荷が集中して非常に大変そうでした。

そうしてチーム全体の調子もなかなか上がらない中、前節鳥栖戦で大島僚太と馬渡和彰が復帰し、チームもリーグ戦で3試合ぶりの勝利を収めたという事で、今回この湘南戦を観に行くのを非常に楽しみにしてました。そして、その期待通りにチームは勝利を収め、注目していた2選手もそろって先制点に絡むという目に見える結果を残しました。内容面も、久しぶりにいい時の川崎のサッカーを見せてもらった気がします。DAZNの中継で見直した所、阿部浩之と馬渡和彰の交代がともに負傷絡みらしいというのが若干気になりますが、今後に向けてポジティブな空気を感じる事の出来た試合でした。

スタッツ

ハイライト動画

次回予告

実は、この日記の書き始めからココまで数日を要した間に、すでに4月28日FC東京対松本山雅の試合を現地観戦し終わりました(汗)なんとか29日中にその試合も書き上げたいと思ってます。

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