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Jリーグ、秋春制の背後にRoad to 200億円クラブ!の野望

欧州リーグはいよいよ残り僅か、Jリーグは序盤戦が終わって相変わらずの大乱闘スマッシュブラザーズ状態です。町田がスタジアムを含めて話題を振りまいてくれています。
 さて、そんなJリーグは2026年から秋春制導入へ移行します。欧州と同じサイクルになるので、冒頭のように欧州リーグが終盤で、日本が序盤ということはなくなります。

この秋春制、実は背後にJリーグの偉大なる野望が眠っています。今回は私目が独断と偏見と、相変わらずの妄想力でJリーグの経営大方針を分析していきます。お題は「行こうぜ!Road to 200億円クラブ!!」今回のお品書きはこちら。


地位低下が危ぶまれるJリーグ

今回の記事はJリーグ理事会後の野々村チェアマンの発言要旨を基に分析します。野々村氏は炎上絶えない秋春制について、昨年は繰り返し説明しており、中でも9月の理事会後記者会見資料ではかなり詳細に立ち入った話をしています。

その中で私目(わたくしめ)が注目したのは、「クラブが200億円規模なのでそういうレベルをまず目指して、(クラブワールドカップ、以下クラブW杯)ベスト8に手をかけていきたいなと考えています。」と数字を挙げて具体的な目標を述べた箇所です。

この発言の背景をまずは分析します。Jリーグは主に2017年からDAZNに独占放映権を売却することで大きな収益増加を実現し、欧州トップチームを一時上回る伸び率を記録しました。
 しかし、コロナによって売上げは大幅に減少。Jリーグの各クラブが懸命に業績の回復を図りますが、その間に欧州トップチームは売上を伸ばし、いつのまにか伸び率で追いつかれてしまいました。つまり、過去7年度の結果だけ見れば、DAZN効果をもってしても、Jリーグと欧州トップとの差は埋まらなかったことになります。

さらにアジアの中では、中東勢と圧倒的な経済格差が生じています。経済力が顕著に出る移籍市場の動向を見てみると、Jリーグの支出額はUAEの半分程度、サウジやカタールとは比べもにならない位低い金額となっています(日本だけでなく、東アジア全体に言えることですが)。

このようにJリーグは、コロナで苦しんでいる間、アジアの中でも地位が低下したという現実を突きつけられている訳です。

欧州トップリーグに次ぐリーグへ!

円安、少子化というマクロ経済の苦境にもさらされる中、下を向いている暇はありません。
 先ほどの移籍市場の動向データに戻ると、Jリーグの支出額はフランス(リーグ・ドゥ)、ドイツ(2ブンデス)、スペイン(ラ・リーガ2)に次ぐ規模であることが分かります。選手をもっと高値で売れる(移籍収入額増)ようになれば、Jリーグが5大リーグの2部レベルになる公算は大きいと言えます。(移籍金増大の話は別の記事「Jリーグ選手の海外移籍金〜目指せ!5億円〜」をご参考下さい。)

※チャレンジ・プロリーグはベルギー2部

しかし、野々村チェアマンの視点はより先にあります。欧州2部規模に甘んじるのではなく、一歩視点を上げて欧州のトップリーグに直接人材を供給する立場にランクアップしたい、というのがチェアマンの頭にあると推察します。なぜなら、冒頭の発言にある売上200億円規模は、オランダとポルトガルのクラブのことを指すからです。実際、野々村氏は手本としてSLベンフィカを挙げています。
 ちなみに、移籍市場でうまく立ち回れた昨季のベンフィカは2.85億ユーロ(466億円相当)を計上しています。移籍市場を除くと、1.96億ユーロ(320億円相当)です。売上200億円規模は軽々と超えているため、実際はPSV、フェイエノールト辺りがイメージとしては近いでしょう。

※22/23シーズンの決算を参照

とはいえ、Jリーグの売上高はトップの浦和ですら81億円。J1の強豪クラスでも60億円規模です。ここから3倍以上増やさないと、200億円規模になりません。中々、非現実的と言わざるを得ない数字です。

AFCで確変チャーーーンス!

と、言いたいところだったのですが千載一遇の大チャンスが舞い込んできました。それは、アジアチャンピオンズリーグ(AFC)と、FIFAクラブW杯の拡大です。
 AFCと言えば、優勝すれば400万ドル(6億円相当)ですが、決勝までたどりがないと旨みがあまりないコンペティションでした。しかし、来季からのAFC拡大により優勝賞金は1,200万ドル(18億円相当)に跳ね上がります18億ですよ。ジュウハチオク。

し、か、も。AFC優勝チームはクラブW杯への出場権利を4年間保持できます。日本からは浦和レッズの参加が確定しています。クラブW杯参加した際の賞金については明らかになっていません。

イタリアのミラン専門サイトという、やや心許ないソースですが、参加するだけで6,250万ユーロ(100億円相当)という憶測も出ています。ただ、欧州から12チームからかき集める以上、チャンピオンリーグ(CL)に負けない金額を提示しなければ、欧州クラブの本気の参加は見込めないでしょう。CLは本選出場(グループステージ到達)の賞金が1,564万ユーロ(25億円相当)です。倍だすとすれば、3,000万ユーロ(48億円相当)はありそうです。

AFC優勝賞金と合わせると66億円!Jリーグの強豪クラブであれば、この時点で売上は120億を超えます。この巨額な賞金を狙うためには、AFCとスケジュールを合わせて万全のコンディションで臨む必要があります。これが秋春制に移行する理由なのです。

https://www.jleague.jp/sp/news/article/26174/

AFCに優勝してFIFAクラブW杯に参加すれば、選手を売却するときに箔がつきます。売却時の移籍金が上がれば、いよいよ200億円が視野に入ってきます。欧州の選手にとってはきついかもしれませんが、Jリーグにとっては大大大大大大大チャンス到来。今季は、横浜FマリノスがAFCに残っています。是非、浦和に続いてクラブW杯への切符をつかむことを応援しています!では本日も良いサッカー生活を!



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