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新任の私に伝えたい!自分にしかできないこと

「中学校現場では女性教員は不利だ!」

働き始めたころ私はよくこんなことを思っていました。

というのも、やんちゃ盛りの中学生に対し、男性の先生が大きな声で一喝すればシーンとなり、生徒が言うことを聞く。

一方、若い女性が高い声で注意しても、生徒の声に埋もれてしまい効果がない。

保護者対応も、若い男性教師が対応したらうまくいくのに対し、若い女性教師が対応すると多めに石が飛んでくる。
(あくまで個人的見解)

中学校の教師をするなら男性に生まれたかった。

自分の実力不足を棚に上げて、当時の私はどうしようもないことばかり考えていました。

今こんなことを言うと、ジェンダーの観点からも不適切だ!と怒られそうですね。

そんな当時の私に教えてあげたいことが

【学年団の中で自分にしかできない役割は必ずある】

ということです。

自分の役割を見つける

確かに、学年集会などで前に立ち、大きな声で指示をして生徒を動かしている先生に、生徒の注目が集まりがちです。

1組を担当してる先生がリーダー的存在に映りやすく、花形のクラスのように認識されてしまいます。

では、学年の教師みんなが同じようなタイプの先生ばかりだとしたら、うまくいくでしょうか?

そんなはずないですよね。

生徒の中には、様々なタイプの子がいます。

元気いっぱいで、多少大きな声で怒られても動じないこともいれば、繊細で打たれ弱い子もいます。

男の先生の方が話しやすい子もいれば、女の先生がいい子もいます。

たとえ大きな声で一喝できなくても、寄り添って親身に話を聞くことができます。

前に立って全体に指示をしなくても、生徒の側で一人ひとりに目を配って声をかけることができます。

真面目にコツコツすることが得意な先生

楽しい雰囲気にするのが得意な先生

細かいところによく気がつく先生

空気を引き締めてくれる先生

いろんな個性がある先生がいるから、学年集団が成り立っていて、どのタイプの先生も必要としている生徒がいます。

自分にしかできない役割が必ずあるはずです。

そう思わせつくれたある生徒との出会いがありました。

ある生徒との出会い

働き始めて間もない頃、生徒指導も他の先生に助けてもらってばかりで、仕事にも自信がもてず落ち込んでいました。

そんな時、ある他のクラスの生徒が授業中にも関わらず廊下に座り込んでいました。

側にいき話を聞くと、教室に入りづらいとのこと。

別室に連れていくと、その理由やリストカットをしていることなどを話し始めました。

この話は今まで誰にも打ち明けられず、話したのは私が初めてだそうです。

私はただただ話を聞くことしかできませんでしたが、話してくれてありがとうとだけ伝えました。

それからもその生徒は、しんどくなると私に話をしにくるようになりました。

この子がなぜ私に話をしたのかは分かりません。

でも、その子が卒業する時、「先生がいてくれたから学校に来れた」と伝えてくれました。

それからもう10年以上経ちますが、今だに毎年年賀状を送ってくれています。

「先生が話を聞いてくれたから私は救われた。だから、今度は私が誰かを救いたい。」

と、心理カウンセラーを目指していることも報告してくれました。

私にしかできないこと

この生徒との出会いは、自信を失いかけていた私に「私にしかできないことがある」と教えてくれました。

仕事面では他の先生に助けてもらってばかりの新任の私でしたが、その生徒にとってはその時の私が必要だったのです。

そのことを教えてくれた生徒に心から感謝しています。

この経験は今でも自分の糧となり、教師をやっていてよかったと思える出来事の一つです。

もし、今自分の仕事に自信がもてず、自分なんてと思ってしまっている人は、ぜひ視野を広げて自分の役割を探してみてください。

あなたにしかできないことが必ずあるはずです。


最後まで読んでくださりありがとうございました♪

どなたかの参考になれば幸いです。

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