血統について

競馬において私が一番好きな分野です。

皆さんは血統の事について、どれくらい知っていますか?

競馬はブラットスポーツである。

と言われる様に競馬とは、優秀な血を後世に残していく為に選定競技を行い、そこで優秀な成績を収めた馬を後世に残していくというのが根底にあります。

その選定に使われやすい距離が根幹距離です。

根幹距離とは一般的に全てのサラブレッドが最も走りやすいとされる400mで区切った距離とする考え方。

競馬発祥の地イギリスのクラシックレースで使用される1600.2000.2400.3000を根幹距離とする考え方。

サラブレッドが一息で走れるマイル(1600)こそが根幹距離だとする考え方。

様々ありますけど、要は大多数のサラブレッドが能力を発揮しやすい距離って事ですね。

現在はスプリント(1200)、マイル(1600)、ミドルディスタンス(2000)、クラシックディスタンス(2400)の4つの距離を重要視している場合が多いかなと思います。

多くのG1レースがこの距離になっているのは、そういう理由からなんですね。

個人的には1000mや1800mのG1があっても良いと思いますけどね。

ではこの血統で何が解るのか?

血統も統計学です。

レース毎の枠やローテーション等のデータと何ら変わりは御座いません。

全然難しくないんですよ〜。

血統は過去のデータから、その馬の得意な条件を洗い出す事が出来ます。

と言うのも皆さんご存知の様に中央競馬、地方競馬等、様々なレース場があり、その全ての競馬場で特徴が違います。

中山競馬場の様におにぎり型の小回りで急坂があるコースや、府中競馬場の様に広くて直線が長いコース等、各競馬場毎に色々な特徴があるんですね。

各競馬場の特徴についてはいずれ説明させて貰うとして、特徴が変われば問われる能力も変わりますし、競走馬1頭毎に得意なコース、苦手なコースがあるんです。

それは全ての競走馬は生まれながらにして体型が全然違うからなんですね。

例えばディープインパクト産駒は、お尻が高くてミサイルの発射台みたいな馬体をした馬が多く、キングカメハメハ産駒は、全身ムッキムキでバランスが良い馬が多く、ハービンジャー産駒には、お腹がボテ~とした中肉中背のおっさん体型の馬も多数います。

当然、身長や体重も違いますし、蹄の形も丸い馬や尖った馬もいて、脚が曲がってる子もいますよ。

その全てがどこかの競馬場の特徴に適したフォルムをしてるんですね。

馬体を見ればその子の特徴が分かります。ただ1頭1頭、馬体をくまなく調べるのは大変だし、簡単じゃないですよね。

しかし血統を見ればある程度どのような馬体をしているのか想像がつくんです。

お父さんとお母さんを見て、レースを走る前から、その子が得意そうなレースを予測する。

初めてダート走る子なのに走る前からダート適性を見抜いたり、長い距離走った事ないのに、走る前からステイヤー(長距離ランナー)だと見抜いたりする。

気が早い人は、新馬戦見ただけで「来年の菊花賞馬はこの馬や」

なんて言ったりもします(笑)

まだ見ぬ未来に思いをはぜるのも競馬の醍醐味の一つではないですかね。

元々は3頭の馬から始まった競馬なんですが、今現在は多種多様に渡って様々な系統があります。

系統と言うのは、種牡馬として活躍馬を多数出し、その活躍馬が引退して種牡馬となり活躍馬を出す事でサイアーラインを確立すると系統として認められるという事です。

最近ではサンデーサイレンスが系統として認められてますよね。

私が競馬を始めた頃はサンデーサイレンスはヘイルトゥーリーズン系と表記されてましたが、数多の後継馬を輩出する事でサイアーラインを確立しました。

ディープインパクトやキングカメハメハも将来的に系統で呼ばれる様になるかも知れないですね。

その系統なんですが派生しては衰退し、また別の系統が誕生しては衰退しを繰り返してます。

活躍馬を出せば系統が発展し、活躍馬を出せなければ系統は消滅してしまいます。

種牡馬で無ければ系統は継げないですが、繁殖牝馬として血は残していけますけどね。

現在日本では、

サンデーサイレンス系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系が主流で全体の八割ぐらいを占めてるんじゃないかな?

他はグレイソブリン、ロベルト、APインディ、プリンスリーギフト、ブランフォード辺りですかね。

全てを覚えるのは大変ですが、上記3系統だけは覚えておくと何かと役に立つと思いますので、少し解説しますね。

サンデーサイレンスは30年程前にアメリカで大活躍(G1.5勝)して日本に種牡馬として輸入されました。

当時日本はバブル絶頂期だった為、世界中から良血種牡馬を輸入していて、同時期に輸入されたトニービンやブライアンズタイムと共に現在の日本競馬の礎を築いた名馬ですね。

産駒の特徴は激しい気性と絶対的なスピード。

激しい気性はレースになると前向きさと勝負根性に変わり大舞台になればなるほど強さを見せます。

また圧倒的なスピードを持っているので、直線の上がり勝負では無類の強さを発揮します。

日本のレースに多いスローの上がり勝負に最も適した特徴を持っているんですね。

例えるならスーパーカーと言った感じですかね。

上がり勝負ならサンデー系です。


ミスタープロスペクターは、こちらもアメリカの馬で現役時代は重賞すら勝てなかったのですが、血統が優秀であった為に種牡馬入りし、徐々に活躍馬を出して後に、フォーティナイナーやキングマンボを誕生させるのですが、このキングマンボの子キングカメハメハが日本に輸入されて、種牡馬として大活躍する事で発展して現在に至る訳です。

産駒の特徴としては、ダートが主流であるアメリカで活躍馬を沢山輩出した様にパワーがあり先行力が高い事。

アメリカのダートは日本の砂のダートとは違い硬い粘土質の特徴を持ち、時計は日本の芝並に速く、レースも前半からガンガン飛ばしてついていけなくなった馬から脱落していく様なレースが多いんです。

ここで活躍出来るパワーと先行力を持った産駒が多いですね。

例えるなら頑丈でパワフルなアメ車ですかね。

渋ったらミスプロ系です。


ノーザンダンサーは60年程前(日本ではシンザン等と同時期)に北米で活躍した歴史的名馬で、種牡馬入り後は世界中で活躍馬を出し続けました。

日本でもノーザンテーストが10年連続リーディングを取りましたし、欧州ではヴァイスリージェントやサドラーズウェルズを輩出し、サドラーズウェルズは欧州の血統図を塗り替えてしまいましたね。

日本ではヴァイスリージェント経由でクロフネ、ダンチヒ経由でハービンジャー、ストームバード経由でヘニーヒューズ等が活躍してます。

産駒の特徴は欧州で勢力を拡大した様に、タフで上がりがかかる消耗戦に強い事。

欧州では重い芝の場合が多く、整備も日本ほど頻繁にはしないので馬場も荒れてますし、レース自体もポジション争いが激しいラップが緩まないレースが多いです。

消耗戦になりやすいんです。

タフな展開で上がりがかかる展開で台頭する馬が多いのがノーザンダンサー系の特徴です。

例えるなら耐久性に優れたオフロードカーですかね。

消耗戦ならノーザンダンサー系です。

以上が覚えて欲しい三大系統ですが、更に細かく分類した特徴や、その他の系統についてはおいおい書いていければなと思います。

実戦で役に立つ使い方としては、血統は日によってバイアス(偏り)が発生しやすく、仮に人気薄で好走した系統がいたとしたら、その日はその系統の産駒が活躍しやすい馬場状態だと仮定出来ます。

となると、その後のレースでも同じ系統の馬が再び穴を開ける可能性が高く、とりわけ同じ条件なら更に激走の可能性が高くなるって事です。

午前中のレースに穴馬券をとるヒントが隠されていますよ。

人気馬の場合はバイアスに関係なく好走してしまう場合が多いので、人気薄で好走馬を狙う方がベターですよ。

かなり長くなってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

何かの役に立てれば幸いですm(_ _)m