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「シフト分カッタラ確認シマス」ト言ワセナイ男二私ハナリタイ


自転車で、用事を済ませた後の土曜日の昼下がり。
気持ちの良い天気だったので、
いつものように寄り道して、カフェを開拓しようと思った。

いい雰囲気の個人経営店。
最初の客だったので、角の席を選択。

カフェオレ到着。

まあ、味は普通だが、皿はいいやつを使っている。
お客さんがまばらに入ってくる。
みんなゆったりとしている。
静かなので、こっち方面に来たときはまた使おうかな。

と思った矢先。
ヘドロのような刺激臭を、鼻先をかすめる。
そう、理科の授業で、手を仰いでかがなければいけない、アンモニアのように。

おい・・・まじかよ・・・。
まさか、あいつか。

そう、タバコラーだ。
席は離れていたのだが、腐ったリンゴが周りのリンゴも侵蝕していくように悪臭も伝わってくるのだ。


「お会計で。」

よりによって、会計の隣のカウンターで葉っぱを吸ってやがるので、2mのタバコラーディスタンスを取り、さながら避難訓練で鼻をハンカチで抑えるようにして、会計した。

訝しそうに見てくるおばちゃん。

礼の代わりに、咳き込んで喫茶店を出る。

「この店はもうボツだな。」とつい口に出てしまう。

どんなにおいしくて、どんなに素敵な喫茶店でも、タバコが吸える時点で俺からしたらアウトだ。

タバコに対する嫌悪感は、体調的なものというより精神的な憎悪に近い。そう、あの小学校時代のトラウマと関係している。

ああ。そうか。きっとそうなんだろう。

喫茶店における一発NG条件と同じように、俺も恋愛における一発NG行動をやらかしてしまったのだろうか。
多分そうだ。

もし、もう一度やり直せるのなら、

「シフト分カッタラ確認シマス」ト言ワセナイ男二私ハナリタイ。~シフト確認詐欺二モマケズ~


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