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マッチング廻戦(上玉・玉砕)~花ちゃん・涙のクリスマス編~①

プロローグ

その冬は忙しかった。
数年前に頻発した災害(コ○ナ)の影響もあったのだろう。
アプリの上部に表示される、本日の全国マッチング数を見ると、ウジのようにマッチングしていた。
いいねする。足跡がつく。返信がこない。その繰り返し。
女性は知らない落胆の味。
2日常温保存した牛乳を丸のみしているような。
いいねする。マッチングする。でも返信がこない。
私が体験したことは、何も珍しくはない、周知の恋愛弱者の定め。
知ったうえで、私はこの恋愛市場で、デートまでなんとかこぎつける選択をしてきたはずだ。
あの日から自分に言い聞かせている。あの日から。


1 マッチング


〈〈Mさんとマッチングしました。〉〉

!?!?

嘘だろおい。目を疑った。

マッチングしたMさんは、モデル体型で、本人も言うには、SKEの誰だっけに似ている。一番重要な事を忘れてしまった。
どちらかというと、杉咲花に近い気がする。
可愛いうえに、身長が高くすらっとしていて、歯科衛生士で、サブチーフを任されている自立した女性だった。
つまり、俺からしたら、「はるか上の上玉」だった。

やり取りは、2週間くらい続け、電話しよってことになった。
意気投合して、1時間近く電話した。共通点もたくさん見つかり、「自然好き」「元テニス部」そして、お互い左利きだった。


1 大宮豆の木

12月某日、埼玉県民ならおなじみジャックの木で会うことになった。あの、銀のぐるぐるマジなんなん?

10分前に到着。あたりまえやろ。
その30秒後に「私も!」と返ってきた。え、俺より早くいた?笑

花ちゃんを探すこと30秒。すぐにわかった。

なぜなら、

写真通りだったからだ。


もう一度言おう。

写真通りだったからだ。


もう、それだけで感動しておなか一杯になった。なんで、感動したかって?理由は言えんが、かつて、元チアダンサーって言っといて、力士体型で来やがったあの子には大いに反省してもらいたい。

徒歩4分くらいの予約していたイタリアンに行った。
人気店だったので、めっちゃカップルというか、男女二人組だらけ、つまり、

俺が忌み嫌うリア充の巣窟だった。


なんかね、「俺、この子とここいていいのか?」っていう、恋愛弱者男性特有の感情になった。

「分かりみふけ~!」って思ったあなたはもうお友達です。1回目なので、もちろん、俺が出した。
「いいよ、私も出すよ!」と花ちゃんも財布を出した。いい子です。

2 デート解散

???「初回は、2時間程度がいい。そうすれば、また会いたいと思ってくれます。」

どっかの記事で見たのか、誰かに言われたのか、進研ゼミで習ったやつだったか分からんが、そんなのが頭にあった。

駅に着くなり、

源「今日はありがと!花さんとたくさん話せて楽しかった。じゃあ、また今d・・・」

花「え、私パフェ食べたい!2軒目いこっ!」

引っ張られるがままに、花ちゃん推しのそごうのパフェ屋に連れていかれた。無邪気で、自由奔放だなぁって思った。でもそこがよかった。

予約してなかったので、行列ができてたが、花ちゃんと話していたらすぐに順番が回ってきた。

2000円級のめっちゃ、でかいパフェだ。

「さすがに、一つ頼んで一緒に食べましょうか笑」「うん笑」

慎重に崩しながら、二人で一つのパフェを食べた。
おいしそうに、頬張る花ちゃんは可愛かった。

花ちゃん「また、どっかいこ!ってか、ため口でもいい?」

源「ぜひ、行きましょ!あ、はい。ため口でいいですよ!笑」

花ちゃん「源さんも、ため口にして!」

「あ、はい。お、おう!」

なにこれ書いてて、過去の俺に共感性羞恥わくんだが。

ランチおごってもらったから、ここは私が出す!と譲らない。
何この子いい子過ぎでしょ。


3 今度こそ解散


電車に揺られながら思った。

(え、これさすがに脈は少しはあるよな・・・?フェードアウトないよな。シフト確認してから送りますされないよな?笑)

ありがとうメールを送ると、向こうからも好感触なメールが返ってきた。

よし、これはいける!次のデート日をと、休みの日を確認すると、


「12月25日空いてますよ!」


え?

まって、これ・・・・


確変キターーーー!!!!!


ウキウキ顔で、自分の手帳を開いて、どうせ予定なんて入ってないと思うが、一応確認する。

よーし、この日は、花ちゃんとクリスマスデー・・・


ん?




あのお花畑野郎!こんな千載一遇のクリスマスチャンスに結婚式かよ!
続く。(次回は、余裕がある週末になりそうです。すまんな。)



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