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陽キャの皮を被った隠キャは範疇から出るなほろ酔い散分歌

半年に一回、自分の市場価値を知るため、20代中心陽キャサークルに顔を出すワイ。

結局サークルカーストの下の方だと再認識したご飯会の後、路上でソランジを歌う高校3年生。

おお!めちゃくちゃうまい。
「まだ捨てちゃいけないよ、ちっちゃな希望を。」

ミセス聞くと一時的に陽キャになるワイ「ねえ。ミセス聞きに行かない?」

と、気づけばサークルで1番可愛い子(男たちの視線から考えたアラサー調べ)の手を引いていたワイ。(は?)

投げ銭1000縁する俺。頑張れと握手する俺。何様だよクソやろう。

ミセス陽キャワイ「ミセス最高だったんで、4人で飲み行きません?」

そう、なぜだか陽キャになった俺は、初対面男女4人で飲みに行くことになったのだ。


ミセス談義を熱く語り、俺も若い枠でまだまだ行けるなと思ったのも束の間。酒で脳が蕩けていく俺を尻目に、元芸人の連れ(初対面)がバイブスを上げ、2人は芸人に釘付け。

そんな俺がテニスの話になり放ったくそワードはこちら。

「俺.〇〇市で第一シードなんすよ!」

へぇー...(引いてるけど気を使う3人]

やらかした。自慢ほど恥ずかしいものはないだろ。最年長なのに。

穴があったら入りたいのごとくトイレに逃げ込む情けないアラサー。

多分、話聞いてた感じ俺以外みんな、24〜27ライン。
何やってんだよおっさん。

5分いたら酔いが冷め、そもそも俺はなぜここにいるのだろうとメタ認知し始め、
そもそも埼玉から出ずにぬくぬくと過ごしていたら今頃ネトフリを見ながらお布団の中だなと後悔しつつも、意を決して席に戻ると、そこは芸人の独壇場。

よかったじゃないか。また輝けるときがきて。

酒を飲むと、一気に根暗隠キャモードにシフトチェンジすルワイ。

夜の水道橋のネオンを見て思った。

そうか。俺が噛ませ犬だったのかと思った死にたくなった夜(酔ってます。)

そんな死にたい夜に限って、渡ってくる人たちは希望に満ち溢れている笑顔。

そっか土曜の夜だもんな。

こんな日は都会の実家帰ろう。もう寝静まってる実家、ずいぶん前に風呂を沸かしてたらしく少し温むお風呂。

気持ちいい。まるで木漏れ日を浴びるふきのとうのような。
リトルフォレストナイトは死んでいる。
もう上がるか。朝は職業病で早起きしてくれないといい。にしても久々に感情を感じたな。


コンタクトレンズを外す。

メガネはテニスバッグのどこにいれたっけ。
まあいい。現実を見たくないからちょうどいい。

ぼやけた視界で、感覚で水道に辿り着き水をコップに汲む。

作りかけの生姜焼きと味噌汁。

あ。

夜帰る。ご飯はいらないと言っていたのだが、昔、飲み会後にお腹空いて食べたことがあったので、作ったのだろう。

いらないと送ってたのに、「飲み会終わってから食べる?」とのラインに気づかなかった。

一気に情けなさが押し寄せる。
明日の朝ちゃんと食べよう。


みんなと同じように、地面に足をつけて歩きたかった。

舗装されたアスファルトは、俺にとっては照りつける太陽が眩しすぎて脚がすくむ。

敷かれたレールを走れず、脱線。
トンネルのむこうは雪国でなく砂漠。







タイムリミットは近い。

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