Anatomy of a Fall 『落下の解剖学』
Anatomie d'une chute
転倒の解剖学(仏直訳)
作品情報
■監督:ジュスティーヌ・トリエ
■脚本:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
■配給:ギャガ
■原題:Anatomie d’une chute|2023年|フランス|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|152分|
字幕翻訳:松崎広幸|G
■コピーライト:
©2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne‐Rhône‐Alpes Cinéma
■公式HP:gaga.ne.jp/anatomy X:
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字幕翻訳 松崎広幸
『選ばれる翻訳者になるには
自分にしか作れない訳文を紡ぎ出すこと』
フランス映画ですが、フランス人(夫)とドイツ人(妻)がロンドンで結婚してフランスの山で暮らしている設定です。
ボーダーコリーの盲導犬と息子(11歳)
フランス語、英語、ドイツ語を使いわけながら…
原題“Anatomy of a Fall”の元ネタはプレミンジャー監督の『或る殺人(Anatomy of a Murder)』(1959年)説がある。アメリカ合衆国のサスペンス映画。
公開日
アメリカ合衆国 1959年7月1日
日本 1959年11月14日
フランスの法廷・スリラー映画と説明。
鑑賞後はポスターのブルーグレーに包まれ、視覚障害のある11歳の息子の法廷に立った時のオペラピンクのセーターの色が深く印象に残った。しかしながら、全てがファジー…
創作的な仕事を持つ夫婦が、他国での子育て中のアクシデントを引き金に彼女が言う「泥沼」に入り込んでいく。
私の知人はこの夫婦の逆に子どもが風邪で休んでいる事を忘れて、何時もどおり仕事途中に迎えに行った。と笑って聞かされたことがある。
母親は絶対に間違えない。
それを責めても理由はドイツ人女性にはわからないと思う。
なぜなら生理的には男女は違っていると子育てをして感じた。我が家も幸い事故はおこらなかったが夫は忘れてしまう。
生活に於けるところの言語や経済、仕事や家事…挙げると枚挙にいとまがない。
夫婦が唱えるばりぞうごん(罵詈雑言)は法廷で聞くと特別に聞こえますが、日本人の心にも渦巻く時がある。
私が考えるには"ヒューマンドラマ"である。
唐突ですが、フランスの法廷はエレガントで絵画的で象徴的だと思いました。
韓国ドラマの自閉スペクトラム障害という発達障害のウヨンウ弁護士のテレビドラマも大韓民国の法廷での展開が主になっています。
こちらは事務的で殺風景で法廷での裁判の対比が面白い(余談)
民族性も違う、異言語を使っても家族間の悩ましい現実は大して変わらない…と思った。
我が家にもいる犬との暮らしも同じこと…です。人と人のクッションになり家族の一員の要をなす。
パリから電車で3時間、リヨンから直線で100kのグルノーブルが舞台。冬季オリンピックがあったアルプスの西側。
学生と彼女の会話の中に「グルノーブルに行く」と地名が出た時は懐かしかった。
自殺か他殺か事故か?
雪の白さにさらに悲しみは増しますが打ち捨てられない現実がある。
盲導犬と少年、フランス人の夫とドイツ人の妻。
ほぼ一年後、フランス女性が素敵に着こなすムートンのコートにweaverが織ってみたくなるようなストールをラフに巻いて裁判所から出てくる彼女の顔は堂々としていた。
やはりフランス映画の「男と女」を思い出した。ノルマンディーにあるドーヴィルの海を背に、男と別れてサラッと娘と生きていく。潔い…のです。
かつて、スウェーデン人の男性に子どもを一人で育てている女性が魅力的だと聞いた事があります。
息子と生きる彼女の真の姿を想像したい。
ある日本人男性が感じたドイツ人の女性感:
自分のほうが折れることは無くて、何とかこっちを言い負かそうとしましたね。
議論することが日常的な文化のようです。(私の知るフランス人女性も常にスウェーデン人の夫とスウェーデン語で議論していた。)
でも慣れてくれば、そこが魅力にも感じますよ。
むしろ日本女性よりも知的で自立していて惹かれるところが多いです。
国民(民族)性にこだわるのは理由がある。周知のとおりイスラエルでの戦争がある日始まった。
ロシアで生まれ、イスラエルでヘブライ大学(ヘブライ語)で学んだアルメニア人の彼女と二ヶ月暮らした。片手に余る言語を話し、息子とは英語で会話する。
通訳もするので"感"も良い。感覚は日本人より日本人らしい。
母親とはヘブライ語、お婆さんとはアルメニア語、イタリア語が好きとさえ言う。
スウェーデンで暮らして北欧人は東北人より日本人らしいと感じた。
確かに母国語で思考する必要はあるけど、頭が良いね!に学ぶ事が好きだと答えた。
加筆するなら11歳の息子のように譜面は読めなくてもピアノの音が取れる。つまりマルチリンガルとは耳も良いのかも…
世界人口、日本人のようなほぼモノリンガルよりバイリンガルの方が多い。これからの日本人の課題です。
考えればツラツラ…と
視覚障害のある11才の子息がピアノを、母と連弾したり、ソロで弾いたりする曲はイサーク・アルベニスのスペイン組曲 第1集 作品47 – 第5番 アストゥリアス(伝説)
印象的な曲で映画全体の風景となっている。
(1860-1909)
スペインの作曲家/ピアニスト
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