冬のKOMOREBI(perfect days)に「木漏れ日影」を探してみる那須街道赤松林…
三月に入って久しぶりの温暖な日…
日によって寒暖の差が激しい時期によく使われる言葉が「三寒四温」です。
4日暖かい日が続くと3日寒い日が続き、また暖かい日が訪れる…というように、7日の周期で寒暖が繰り返される。
寒い日が続き、この言葉を思い出していました。
『perfect days』の「木漏れ日」は夏の撮影でした。
「撮影はたった15日間という短い期間でしたが、日本の皆さんは非常に規律正しく、その間、非常に効率的かつ完璧な仕事ができ、私にとって実に楽しい経験となりました」と思い出を語った。
(ヴィム・ヴェンダース談)
この時期は(3月)木漏れ日と出会わないのか?と陽気に誘われて赤松林を歩いてみた。
カシの葉の色は冬でも緑色を蓄え夏の日差しには遠いけれど風に揺れて落葉の上に影を落とす。
「木濡れ」とは
《「こ(木)のうれ(末)」の音変化》樹木の先端の部分。 こずえ。木末(こぬれ)
うれ
【末】
草の茎や葉の先。木
もれ→ぬれ→うれ
決まった活用はない。
・言語は、生理的な要因として発音 負担を軽減させる方向へと変化する。
・認知的な要因として文法面での記憶負担を軽減 させる方向へと変化する。
これは愉快な理由…
木末(こぬれ)
木漏(こも)れ
木末(こぬれ) の例文
*・・・木はつい硝子窓の外に木末の葉を吹かせていた。その葉はまた全体も揺・・・ 芥川竜之介「彼」
*・・・よ吹く風は忍ぶように木末を伝った、照ると曇るとで雨にじめつく林の・・・ 国木田独歩「武蔵野」
*・・・尺伸びている夾竹桃の木末には、蜘のいがかかっていて、それに夜露が・・・ 森鴎外「阿部一族」
「春されば木末隠りてうぐひすそ鳴きて去ぬなる梅が下枝に」
(山氏若麻呂)
現代語訳
春になると梅の梢では姿も隠れてしまって、鴬は、鳴き移るようだ、下枝の方に。
文豪に木末(こぬれ)を見つけようと探して…
「にわか、木漏れ日」は惑うばかりです。
我が家の常緑樹、ヤブツバキ・サザンカ・ツゲの葉は密になって木漏れ日は見かけられない。
木漏れ日は太陽・風・小鳥の声など豊かな自然の中で輝いて物語りになる。
家の中で机に座ってPCを叩いていただけでは先の文豪の文章のようなリアリティは生まれない。
映画の"影踏みごっこ"を思い出しながら…
さらに「木漏れ日」の不思議…です。
地面に投影される木漏れ日は、全て太陽と同じ丸い形をしている。日差しが入り込む木の葉の隙間の形状には、一切影響されない。これはピンホールカメラと同じ原理である。
太陽の形が変わった時、例えば部分日食時には、木漏れ日のひとつひとつが、欠けた円形や三日月の形に投影されるという、珍しい現象が起こる。
今日も完璧ではない普通の一日が始まる。
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