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地球温暖化問題における新たに発見された衝撃の事実

1 どうしても自分自身の目で二酸化炭素の実際の昇温力を確かめたくて、「二酸化炭素濃度別赤外線反応実験」というものをやってみました。

1990年代は「地球温暖化二酸化炭素主因論」はまだ仮説扱いでした。
2000年過ぎたくらいから、「地球温暖化は人類が二酸化炭素を排出しすぎるためである。年々二酸化炭素の大気中の含有量は増えている。」という主張と「いやいやそれは違うでしょう。」という主張は、激しい議論を巻き起こして来ました。

かれこれ20年以上議論していることになります。
しかし趨勢は次第に多勢に無勢で「地球温暖化二酸化炭素主因論」が優勢になりつつありました。しかしいわゆる「懐疑論」に立脚する人々が納得したわけではなく、議論としては延々とはてしなく続いています。

そういう状況にうんざりして、「それならば実証事件で決着をつければいいではないか。」ということで、この実験を始めてしまったわけです。

まず、ポリプロピレン製段ボールと透明塩化ビニール板を使って高さ182cm、一辺45cm、容量350リットルの容器を2個作りました。
その箱に10cm、20cm、30cm、40cm、50cm、75cm、100cm、150cm地点の棒状温度計挿入固定装置を取り付け、計測点を設けました。

そしてその箱の中間部に二酸化炭素濃度計測器を置ける台を取り付け、その計測器を設置しました。

底板は取り外し可能となっていて、気密性確保のために軟質ラバー材を張り付けています。その底板の上に強力乾燥剤を設置して、ボックス内の湿度がが30%以下のなるよう調整してきました。

ボックス内で対流が起きないように低温ヒーターは天板の上に設置しました。
そのヒーターはいわゆるホットカーペットと呼ばれるものの中で小型のもので、室温より20℃位高い温度を出せるものです。

そうして、一方のボックスには通常の空気を入れ、もう一方のボックスには高濃度二酸化炭素含有気体を入れて、その低温ヒーターでボックスを加温し、その昇温具合を見るというものです。

あらかじめ、液化CO2ボンベの重量を0.1g単位で計っ
ておくと二酸化炭素の注入量を正確に知ることが出来ます。

二酸化炭素をボックス内に注入する方法は、初期のころはエアボンベを使っていました。しかしこれはその使用量に対してコストがかかりすぎます。
また高濃度二酸化炭素含有実験を行う時はドライアイスを用いていました。
これは安いですが、注入した二酸化炭素量が不正確すぎます。

現在では液化CO2ボンベからレギュレーターを使ってボックス内に注入する方式に改めました。
これによって、どんな高濃度二酸化炭素実験でもほぼ正確な二酸化炭素量を注入できるようになりました。
あらかじめ液化CO2ボンベの重量をスケールで0.1g単位で計測しておいて、注入後に再び計測すれば何グラムの二酸化炭素をボックス内に注入できたか正確に知ることができます。
決められた量の二酸化炭素量を注入するには、小刻みに注入作業を来り返していきます。

2 簡単にできると思った実験ですが、思わぬ問題の対策に追われました。

しかし次から次へと問題が発生して、その対策に追われました。

① ヒーターと温度計の距離が正確に取れていない。
  これは温度計支持装置の調整をすることで解決しました。
② 温度計そのものに若干の誤差がある。
  これは一般製品を実験用に転用しているわけですから、ある程度は仕方がない面もあります。考え出した対策は、両ボックスの同位置のものは同じ計測値のものにするという方法です。つまり現物合わせという方法です。
③ 実験中に二酸化炭素濃度が下がってしまう。
  底板に軟質ラバー材を貼り付けました、スカスカだった温度計挿入口を軟質ラバー材で固定し、空気漏れがないようにしました。この2つの対策で驚くほど気密性が向上しました。

これで棒状温度計の落下事故も防ぐことが出来ます。

④ 湿度対策をどうするのか。
  底部に強力乾燥剤を配置することで、ボックス内の湿度を30%以下の保って実験するようにしました。しかし30%以下の湿度にしても水蒸気の影響は大きいです。30%以下の湿度にすると同時に両ボックスの湿度が出来るだけ差が出ないように除湿剤の個数も調整しました。
⑤ 室温はヒーターの昇温度数に影響しないのか。
  影響します。これはヒーターそのものに安全性のための回路が組み込まれているためです。そのため一貫性のある実験にするためには室温がほぼ同一の時期に集中して行う必要があります。今回の実験では自然な状態で(エアコン・ストーブ等を一切使用しない)室温が17℃~19℃の期間に集中して行いました。
⑥ 実は一番苦労したのは通常空気を400ppm前後にすることです。
  室内空気はまめに換気をしていない限り、二酸化炭素濃度は1,000ppm前後はあります。最初はボックスごと室外に出して中の空気を入れ替えていました。しかしこの方法では同時に湿気も取り入れてしまいます。そのため別の方法に変えました。それは生石灰を使う方法です。これは時々取り換える必要がありますが、効果が大きかったです。

そうやってなんとか発案から1年位かかりましたが、「二酸化炭素濃度別昇温偏差表」としてまとめることができました。

回数が多くて大変でした。

しかしこの結果をもとに今の「地球温暖化二酸化炭素主因説」を切り崩すのは、相当難しいと思いました。
それは二酸化炭素が温暖化効果ガスであることは事実であるからです。
その昇温力は小さく、マスコミ等で言われていることは誇大広告的ではあると思います。
しかしそのことを人々に言ったところで、大きな説得力は得にくいかもしれません。
一般の人々にしてみれば、「そうは言っても、やっぱり二酸化炭素が増えると温暖化するのでしょう。」ということになります。
程度やスケールの問題は説得するのが大変難しいです。

3 しかし遂に実証実験では発見は困難であると考えられていた科学的事実を発見することが出来ました。

いわゆる「懐疑派」と呼ばれる方々の中に「二酸化炭素赤外線吸収飽和論」という理論に立脚される方々がおられます。
この「飽和論」は「二酸化炭素によって吸収されるべき波長の赤外線は、今の二酸化炭素濃度ですべて吸収されていて、これ以上いくら二酸化炭素が増えようと、地球大気総体としての吸熱量にに変化はない。」という考え方に立脚しています。

しかし、この理論を実証するには、それこそドーム球場などを使って、巨大な実験装置を作らないと、とても実証出来ないと思っていました。

また昇温均衡点が例えば地表5m位だったとすると、地球大気総体としては温暖化していないとしても、地表付近に熱が篭った状態であるといえるため、一概に温暖化していないと言えないところもあります。

ここで「昇温均衡点」という、ちょっと聞きなれない言葉が出てきましたので解説いたします。
これは私がそう呼んでいるだけで、気象学の本などからの引用ではありません。
しかし他に適当な呼び方もないので、この言葉を使っています。

上記の「二酸化炭素赤外線吸収飽和論」に立脚すれば、二酸化炭素による赤外線の地表高度別赤外線吸収量のグラフは以下の図のようになります。

二酸化炭素だけのグラフを作った方が良いのかもしれませんが、空気中に含まれる量が少なく理論値で計算するしかないので、かなり大変です。このグラフは実証実験から得られた結果(地上2mまで)と理論値(「ランベルト・ベールの法則」によります。)を合成して作成したものです。

つまり「昇温均衡点」とは通常空気の赤外線による昇温値と、高濃度二酸化炭素含有気体の赤外線による昇温値が同じ値になる地点(高度)のことを言います。
問題はその「昇温均衡点」がどのくらいの高さになるかです。
私はその高さは5m以上であり、巨大な実験装置を作らないと、その「二酸化炭素赤外線吸収飽和論」は立証できないと思っていました。
また、昇温均衡点が人間の身長よりはるかに高いと、グラフの昇温部にスッポリと人間自身が入ってしまうため、温暖化していないと一概に言えなくなります。

ところが実証実験を多数回行う中で、思わぬ事実を発見してしまいました。

過去の実験結果をよくよく見返してみると、ヒーターに近い計測点では確かに高濃度二酸化炭素含有気体の方が昇温していますが、ヒーターから1.5m離れた計測点では通常空気の方がほんの少しですが昇温している場合の方が圧倒的に多いことを見つけ出したのです。

これには私も大変驚きました。
何と昇温均衡点は1.5mより低かったのです。
こういうことは到底発見出来ないと思っていました。
地球温暖化という規模の大きい話であるので、当然昇温均衡点も高い位置にあると思い込んでいたのですね。

私は直ちに実験装置の増設に取り掛かりました。
実験装置の高さ182cmに45cmを継ぎ足して、高さ227cmとしました。
もう天井の高さギリギリです。

そして計測地点も10cm、20cm、30cm、40cm、50cm、75cm、100cm、150cmだったものに、昇温均衡点と思われる125cmに一か所、175cmに一か所、200cm地点に一か所と計3か所増設しました。

それと同時にこの現象をうまく説明できる物理法則を探しました。
その結果、「ランベルト・ベールの法則」というものがあり、この現象をほぼ完璧に説明できることわかりました。
要するに資料溶液を、水蒸気・二酸化炭素を含んだ空気、ある光を赤外線と置き換えて考えれば良いだけです。

そして増設した」実験装置で、新実験を行いました。
その結果、
 ● いわゆる「昇温均衡点」は間違いなく125cm地点近辺にある。
 ● 175cm、200cmと遠距離になるほど通常空気と高濃度二酸化炭素含有気体の昇温差は拡大傾向にある。もちろんより昇温しているのは通常空気のほうである。
 ● この実験装置をもう少し大きく出来れば、1m以内の昇温増加量と1.5m以遠の昇温低下量が釣り合う可能性が大きい。

ということがわかりました。

 以上の結果から、次の方針はもうはっきりしています。

それは、「二酸化炭素赤外線吸収飽和論」の実証実験による証明です。

これは以前の自分でしたら、そういうことはあまりにも実験装置が大きくなってしまうので、一般人としては不可能であると考えていたと思います。

しかし実際に実験してみると「昇温均衡点」は、地表からわずか1.25m地点近辺であることがわかりました。
これならば、高さ4mほどの実験装置を作れば、実証実験による証明が可能であると考えられます。

現在、その実験装置の具体的設計及び実験装置を収納できる建屋の選定等の作業に入っており、早ければ今年(2023年)秋にも実験結果を発表できると思います。

現在の、一連の実験および考察の到達点は以下の通りです。
「二酸化炭素が増えても地表1m以内の空気は温まりやすくなるが、中空(1.5m以上)の高さの空気は逆に本来上がるべき気温よりほんの少しであるが低下し、結局地表4m以内もしくは5m以内の空気の昇温量にほとんど変化はない。」
という実験から得られた結果から考察した正しいと思われる「大気昇温モデル」を提示しました。
同時に「ランベルト・ベールの法則」によって、理論的にも極めて合理的にこの現象を説明できることを示しました。

その基礎となる実証実験は、現在2mの高さまで行っていて、ほぼ正しいことが確認できています。

残る課題は、高さ4m前後のより大きな実験装置を制作して、考察した「大気昇温モデル」を証明することですが、これが最大の難関です。
実験装置を大きくすることは、それを収納する建屋も必要です。
実験装置そのものを作るためにも、たくさんの材料が必要です。
さらに作業量も多くなるし、実験の難易度も上がります。
しかしここまで来た以上、どうしてもやり遂げてしまいたいと思います。

その実験装置を使って、新実験を行い、以下のことがほぼ正しいことを証明したいと思います。

 ■ いかに二酸化炭素濃度を高めても、通常空気と比べて、地表4m以内の空気において、空気総体としての吸熱量にはとんど変化はない。
 ■「昇温均衡点」はいくら二酸化炭素濃度を高めてもヒーター(地表)から1.25m地点近辺で、変化はない。
 ■ 水蒸気を使った実験も行い、水蒸気でも二酸化炭素を使った実験とまったく同じ結果が出現することを証明する。水蒸気は増減が激しいので、地球温暖化問題を考えるときは除外して考えるのが通例となっているが、温暖化効果ガスとしては二酸化炭素より昇温効果力も大きいし、空気中に含まれる量も圧倒的に多い。

この実験装置がうまく作成できて、きちんとした結果を出せればそれは
 「地球温暖化二酸化炭素主因論」
という、いわば「定説」となっている理論を、ほぼ完全に否定することが可能であると考えています。

その思わぬ「科学的事実」が、こんなにも身近にある可能性が高く、しかもその事実は証明が可能でさえあるのです。

5 誰かが意を決して実証実験をやらない限り、現在の状況は変えられません。

結局、状況証拠だけいくら並べても、多勢に無勢で押し切られてしまいます。その状況証拠も良くわからない難解な論理で反論され、ウヤムヤにされてしまいます。

このことは「地球温暖化懐疑論批判」(2009年刊行)を読むと、よくわかります。

中でも槌田先生は、きわめてまっとうなことを述べられているのに、反論を行っている方は無理筋な反論を行ったり、わけのわからない難解な論理を並べ立てたり、わずかな現象を大きく言い立てたりしていて、反論が反論になっていないことがよくわかります。

それでも一応反論した形にして、押し切ったような印象を与えているだけのように思えます。

以上の状況を鑑みて、ここは誰かが意を決して、難しい実証実験をやり遂げて、反論が極めて困難な「動かしがたい事実」として発表するしかないと思います。

始めた当時や結果をまとめた時点ではあまり成算はなく、これはちょっと自分には無理だったかなと思い始めたところでした。

ところが実験結果のわずかな痕跡から意外な突破口が開けました。

この思わぬ「科学的事実」の発見は本当に僥倖でした。

その「科学的事実」について、そのことの証明が可能な実験装置を作り上げ、できる限りの正確な実験を行い、その事実をほぼ完全に証明するまでやり抜きたいと思います。

そしてそれがうまくいけば、このはてしなく続く「地球温暖化論争」に、大きな新しい視点を与えることが出来ると思います。






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