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無趣味だと自覚している人も、きっと趣味を持っている

読書も映画鑑賞も人並みな私は、それを「趣味」と言うには口幅ったい気持ちがあります。漫画やアニメを読んだり観たりはするものの、ガチ勢からすれば鼻くそみたいなレベルです。パチンコもほとんど行かなくなったので、趣味とはいえません。筋トレもスポーツもしていません。
したがって、昨年、ある著者さんと鮨屋に行ったとき、「趣味は何ですか?」と聞かれて一瞬戸惑いました。
「いやあ、趣味らしい趣味なんてないです。つまらない人間ですよね。……まあ、強いて言えば、飼っているカナヘビとトカゲの面倒を見るくらいですかね……」
すると、著者さんから意外な返答が。
「へえ! いい趣味じゃないですか! 写真とかあります?」
こうして、私は自分の趣味を自覚することができたわけです。
そんな、カナヘビとトカゲの飼育ですが、最近変化が起きました。

私が飼っているトカゲは、自分で捕まえたニホントカゲ3匹です。
成体のトカ坊(♀)、トカ次郎(♀)、そしてこの2匹と比べてひと回りもふた回りも小さいマロン(♂)です(捕まえてきた当初、性別がよくわからなかったので適当につけた名前です)。

かつては、3匹仲良く日向ぼっこをしていたトカゲたち。
一番小さいのがマロン(♂)

そしてこのマロン(♂)が最近発情してしまいました。オスのニホントカゲは発情すると、メスの首や尻尾に噛みついて交尾を迫ります。
しかし、マロン(♂)はほとんど幼体みたいなもの。人間でいえば小学校高学年くらいでしょうか(適当)。きっと2匹のお姉さんトカゲが上手にあしらってくれるだろうし、場合によっては噛みついてくるマロン(♂)に反撃して、灸をすえてくれるだろう、などと考えていたわけです。
ところが、その認識が甘かった。
トカ坊(♀)、トカ次郎(♀)は、噛みつきから逃げまどうばかりで、自分よりずっと小さいマロン(♂)に対して反撃しないのです。その結果、トカ坊(♀)とトカ次郎(♀)の皮膚が噛みつきによってボロボロになってしまいました。

マロン(♂)に噛みつかれて尻尾の鱗がボロボロになったトカ次郎(♀)。

せめてマロンが成体であれば、健全な繁殖活動、野生の営みだと納得できたかもしれません。しかし、最近の性加害のニュースが頭をよぎり、見ていて気持ちの良いものではありません。当のトカゲたちにとってもストレスでしょう。
そこでマロン(♂)だけ、別の飼育ケースで飼うことにしました。
それがコチラ。

2種類の色の違う紙粘土でシェルターをつくりました。

右にある丸っこいのはマロンが隠れるためのシェルターです。
100円ショップで買ってきた紙粘土を使って、娘が好きなカービィシリーズのキャラクターであるワドルディをイメージしてつくりました。自分では、けっこう上手につくれたと思っているのですが、いかがでしょうか?

ちなみにワドルディに口はないのですが、なぜか食べることができます。紙粘土では口っぽい穴をつくってシェルターの入口にしました。

まさかこの齢になって紙粘土で何かをつくるとは、トカゲたちを飼う以前は想像もできませんでしたが、YouTubeで同じように紙粘土で爬虫類のシェルターをつくっている人がいて、興味をもったのです。
これが趣味の面白いところ。何か1つを追求しているつもりでも、その周辺の情報が勝手に見えてきて、寄り道することで意外な発見や面白さに気づくものです。

さて、別の飼育ケースに分けて3日が経ちましたが、トカ坊(♀)、トカ次郎(♀)は落ち着きを取り戻しました。一方のマロン(♂)も、メスがいなくてちょっとかわいそうですが、以前のような荒々しい行動はしなくなりました。

シェルターにおさまって顔を出しているマロン(♂)

ところで、このフォレスト出版編集部のnoteには、一応「1記事につき、1つは学びや気づきを読者に感じ取ってもらう」というコンセプトがあります。上述の文章から何かを感じ取ってもらえたらうれしいですが、見ようによってはただの個人的な趣味の話です。
そこで、野暮だと自覚しつつも、最後に私がみなさんに伝えたかったっことを記しておきましょう。
「自分では趣味と思っていなかったものが、立派な趣味の可能性がある」

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 石 く ろ)

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