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立食パーティでぼっちになったときの会話術

こんにちは。フォレスト出版編集部の寺崎です。

私事ながら、先週から娘が小学校に通うようになりました。保育園は親が送り迎えをしていましたが、これからは子どもたちだけで通学することになります。

「ちゃんと道に迷わず学校に行って帰ってこれるのか?」
「学校にはなじめるのか?」
「お友達は仲良くできるか?」

親としては不安でいっぱいですが、さっそくお友達(席が後ろの子)もできたようで、親の心配はよそに、意外と子どもは色んなこと、しっかりできているようです。

さて、新学期となると、お友達と仲良くなるために必要なのが「会話力」「コミュニケーション」です。大人でも難しいこの「会話」「コミュニケーション」ですが、子どもは生まれながらの才能でお友達をつくっていきます。

かえって自我が成熟した大人のほうが、人と仲良くなるための「会話」「コミュニケーション」が下手くそだったりします。

そんな大人のための雑談力向上のメソッドを紹介したのが、こちらの記事。

前回記事ではテクニック5までご紹介しました。今回は全部で11本ある「話し下手・口下手解消のための基本メソッド11」の残り6本をお伝えします。

【テクニック6】反応の「よい人」か「悪い人」かをリサーチするつもりでアプローチする

 見知らぬ人ばかりのパーティー会場では、ポツンと一人だけ、誰とも話さず所在なげな人の姿がちらほら目につきます。
「こういう場所は苦手だなあ」というオーラが漂っている人たちです。
 そんな人たちは、誰かに話しかけたい、話しかけられたい──と心の中で思っています。でも、自分からアクションを起こせないので開き直り、手持ち無沙汰をもて余し、パクパク、ムシャムシャと飲食に走ります。
 誰かと話さなければ──という義務感が強いと、誰にも話しかけられません。緊張して、「自分をよく見せたい」という自意識でいっぱいになるからです。
 ゲームのつもりで、反応の「よい人」「悪い人」のリサーチをしてみてはどうでしょう。
 見た目で反応のよさそうな人を見つけ、「どうですか? 今日のこの集まりは、なかなかの盛況ですねえ」などと話題を振ってみるのです。
 誰かと話したかった人は、きっと悪くない反応を示してくれるでしょう。
 もし、反応の悪い人だったなら、「ではまた」と言って離れるだけのことです。
「誰かと話さなきゃ」の義務感でなく、「ほっこりさせよう」のサービス精神が大切です。

■Point
「話さねば」の義務感でなく「ほっこりさせよう!」のサービス精神で!人と場を呑んでかかれば怖くない。

■トーク例
「今日は仕事を大急ぎで終えて駆けつけましたよ」「いやはや、今日は道に迷ってしまって。ここはすぐにおわかりでしたか?」「やっぱりなんですよねえ、近頃は○○ですかねえ」

立食パーティ。みなさんどうでしょうか。私はあまり得意ではないです・・・。自分の場合、食べ物には走らず、ひたすら酒を飲んでスイッチを入れてから交流するという感じがいつものパターンです。

ここでいう「自分をよく見せたい」という自意識を外すための装置がお酒というわけです。

ただ、飲み過ぎて、翌日、交換した名刺を眺めながら「あれ、この人、誰だっけ・・・?」となるので、諸刃の剣といえます。

【テクニック7】「取りつく島のない人」への対処法

A「営業企画部の仕事って、お忙しそうですが、何が一番大変ですか?」
B「 あのね、企画を立てても、実施する段階であれこれ調整が必要になるでしょ。それが大変なんだよ」
A「 へー、なるほどー。たとえば、それってどんなケースが考えられますか?」
B「どんなケースって、いろいろだよ。一概には言えないな」
A「はあ、そうなんですか……(冷汗)」
B「そう」

 せっかく話しかけても、取りつく島のない返事をする人はよくいます。
 会話がしぼんでしまい、あとは沈黙に流されるだけというパターンに陥ります。話しかけたほうは、あとからいろいろ悩みます。
「私のことが嫌いなのかな?」「虫の居どころが悪かったのかな?」「こういうタイプの人なのかな?」「話しかけ方が悪かったのかな?」……などと考えますが答えは出ません。
 しかし、悩む必要はないのです。
 たいてい相手も人見知りで、ちょっと偏屈になっているだけだからです。
「失礼しました!」と早々に打ち切り、「少し気の毒な人」と思って次の機会を待ちましょう。

■Point

「冷たい反応」に落ち込まない!
世の中は「人見知りだらけ」と心得る。

■トーク例

「では失礼!」「それではまた」「なるほどねえ、そうでしたか」「ご無礼しました」「今度また聞かせて下さい」「おっといけない。では」「いろいろ大変ですよね。勉強になります」

立食パーティでも「去り際」はなかなか難しいものです。いっこうに盛り上がらない会話に「いつトンズラしようか」と頭の中はそればかり。

そういうときによくやるのが「人を紹介する」です。

私「あ、○○さん、ご紹介します!◎◎社のAさんです」

ちょうどいいタイミングで近づいてきた同僚に「取りつく島のないAさん」を紹介して、ふたりの会話がじょじょにスタートしたタイミングで去る。

この手口はおすすめです。

【テクニック8】ネガティブに共感し続けると話題は袋小路に入り込む

 昼休みに同僚と人気のラーメン店に入ったとします。

A「 びっくりするほど濃厚な味わいのスープだね。これが人気の秘密なんだね」
B「 いやぁ、塩分濃すぎで化学調味料てんこもりの味でしょ。大したことないよ」
A「え? あ、そう……(冷汗)」


 このようにネガティブ発言で一刀両断に返されると話がしぼみます。
 二の句が告げられなくなり、沈黙に陥る展開となります。
「そう言われればそうだよな」などと返すと、「だろ、ろくなもんじゃないよ、この店は」などと悪口で一時は盛り上がりますが、ネガティブ発言に共感し続けると堂々巡りの袋小路にはまります。
 こんな場面では、相手の否定的感情そのものをポジティブ変換して、ほめてあげるとよいのです。

「なるほどー。さすがにきみはグルメだ。味覚が鋭いね」
「すごい分析力だね。きみのモノの見方には、いつも脱帽だよ」

 
 それから、おもむろに話題を変えれば沈黙も避けられます。
「ところでさー、きみの好物の食べ物って何?」などと続けるのです。

■Point
ネガティブ発言でも、いったんポジティブにほめてあげる!
話題をしぼませずに広げるテクニックを磨く。

■トーク例
「なるほどー、さすがの観察眼だね」「そういわれるとホントそうだな。ところでさ」「たしかに寒くてイヤになるね。なんだか寒い話をしてると、湯船が恋しくなるねえ」

ネガティブな話を延々とされると、疲れるものです。

そんなときは話題を切り替える。

「あ、ところで、ぜんぜん話変わるんだけど」と話の流れを中断させることができます。

【テクニック9】相手の「何が好き」「何に興味があるのか」をターゲットにする

 雑談では、相手の好きなことに話が及ぶと、とたんに相手は饒舌(じょうぜつ)になります。

A「 ほう、ご自宅は埼玉県? じゃ、毎朝何時ごろ家を出てらっしゃるんです?」
B「 犬の散歩のため6時に起きますが、家を出るのは8時です。意外と遅いでしょ」
A「あっ、犬を飼ってらっしゃるんですか、いいですねえ。何犬ですか?」
B「ゴールデンレトリバーです。毎朝5キロぐらいは走らせてます」
A「ゴールデンレトリバーって、かしこい犬ですよね。盲導犬にも使われてて」
B「 そうなんですよ、もう可愛くってね。ラッキーって名前ですが(ペラペラ)」

 人は、自分の好きなこと、興味や関心のあることについて話が及ぶと嬉しくなります。ゆえに、見知らぬ人との会話の際は、とりわけ相手の言葉に注意すべきでしょう。ゆえに、見知らぬ人との会話の際は、とりわけ相手の言葉に注意すべきでしょう。
 会話中に、相手の好きなことがキーワードとして含まれていることが多いからです。
 好きな事柄があると、会話の中に、その片鱗がつい顔を覗かせます。
 それをすくい上げると、相手は饒舌になるのです。
 もちろん、事前に相手の好きなことがわかっていれば、そこから話を振ればよいだけです。

■Point
相手の好きなことにふれれば、自然と相手の口が緩む!
相手が「快」になるキーワードをひたすら探すべし。

■トーク例
「ペットの猫ちゃん、どうしてます?」「その後のお子さんの成長ぶりはどうですか?」「きのう、阪神勝ちましたね!」「最近ゴルフのほうはどうです?」「最近のおすすめの本は?」

先日、ライターさんと著者を初めて引き合わせるシーンがありました。

その際に「ライターのIさんは温泉好き」という事前情報を得ていたので、著者のAさんに「Aさん、Iさんって温泉好きで全国の温泉にめちゃめちゃ詳しいんですよ」と最初に話を振ったら、著者も「おぉ!」となり、アイスブレークとして機能し、取材初日がとてもスムーズに運びました。

逆に考えると、「好きなもの」を明確に持っていて、それがきちんと周囲に伝わっている人は、対人コミュニケーションにおけるアドバンテージを持っているともいえます。

【テクニック10】「切り口」を少し変えるだけで「無限の質問」が生まれる

 話し下手や口下手を自認している人にとっては、会話中に訪れる「沈黙」は恐怖です。話に詰まり、気まずい「沈黙」が生まれると、「やばい!」「何か話さなければ!」などと焦り、ますます緊張するでしょう。
しかし、「沈黙」にあわてる必要はありません。
 相手が次に話すことを考えるために間が開いてしまった場合もあるからです。

A「そんなわけで、イギリス滞在中は、英語ができなくていろいろ苦労しましたよ」
B「そうだったんですかー、それは大変でしたね」
A「ええ…………………………………(沈黙)」
B「あの…………………………………(冷汗)」


 ここで「沈黙」が訪れました。この場合は、待っていても相手の言葉は出てきません。ひと段落ついたからです。
 こんな時は、もう一度、話題を振り返ればよいのです。
 つまり、今までの話題を掘り下げる形の質問をします。
 
「その後、英会話は上達しましたか?」
「ところで、イギリスの食べ物のほうはどうでしたか?」


 もっと、聞かせてほしい──という姿勢を示せば、相手は難なく応じてくれるでしょう。沈黙が訪れたら、話題を振り返ればよいだけです。

■Point
「沈黙」が訪れてもあせらないこと!
今までの話題について異なる「切り口」で続きを促す。

■トーク例
「その後○○はどうですか?」「先ほど○○の話がありましたが、今でも続けてるんですか?」「ところで、○○のほうはどうなりました?」「その続きが面白そうですね」

このテクニックは編集者やライターの「企画の素材集め」「著者との打ち合わせ・取材」にも使える技ですね。このあたりのワザは数多くのインタビューをこなしているライターさんのほうが編集者よりもたいてい上手いです。

インタビュー上手なライターさんがこの業界で重宝される所以です。

【テクニック11】話が弾むオープン・クエスチョンの法則

 質問には、「オープン・クエスチョン」「クローズド・クエスチョン」の2通りの型があります。
「お好きな食べ物は何ですか?」と尋ねるのは、自由に答えられる質問なので「オープン・クエスチョン」といいます。「和食と洋食ではどちらがお好きですか?」とか、「中華はお好きですか?」などと尋ねるのは、イエスかノーなど限定的にしか答えられない質問なので、「クローズド・クエスチョン」といいます。
 人に質問する際には、自由に答えてもらったほうが話題はひろげやすいでしょう。

A「きみ、ゴルフはするの?(クローズド・クエスチョン)」
B「いえ、しませんが…………」
A「 あっ、そう、しないんだ。ええと……何かスポーツはするの?(オ
ープン・クエスチョン)」

B「 はい、実は毎朝マラソンで体を鍛え、年に2回はトライアスロン
の大会に出てるんです」
A「 へーすごいな、トライアスロンか! 筋肉モリモリなのかな?」
B「 うふふ、一応、腹筋は割れてますよ。経験10年のベテランなんですよ(ペラペラ)」

 クローズド・クエスチョンだと、返事が「はい」か「いいえ」となり、会話が止まりやすいので気をつけましょう。

■Point
「オープン・クエスチョン」が話題をひろげる!
自由に語らせる心配りを忘れずに。

■トーク例
「お好きな食べ物は何ですか?」「どんなご趣味をおもちですか?」「これってどう思いますか?」「どんなタイプが好みなの?」「○○って評判のほうはどうなんでしょうか?」

いかがでしたしょうか。

「話し下手・口下手解消のための基本メソッド11」

本書『面白いほど雑談が弾む101の会話テクニック』(神岡真司・著)にはさまざまな会話のテクニックが網羅されています。また改めて、こちらのnote記事でご紹介したいと思いますので、ぜひご期待ください!

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