見出し画像

小中高に1日も登校したことがない4人は、どんな子に育ったのか?

「学校に行かない子」で日本一有名な子といえば、ゆたぼんさんでしょう。小学校3年生から学校教育に疑問を持つようになり、小学校卒業後も中学校に通うことなく、少年革命家を名乗ってYouTuberとしての活動をされています。その動向がネットニュースなどに取り上げられるたびに賛否両論が飛び交いますが、脳科学者の茂木健一郎さんやメンタリストのDaiGoさん、キングコングの西野亮廣さんなど、少なくない著名人から評価されているようです。
では、ゆたぼんさんを批判、あるいは評価している人たちが、次の新刊の著者とその家族の話を聞いたら、どう思うでしょうか? 私はぶったまげました。

京都の田舎にお住まいの6人家族なのですが、その4人の子ども全員が自分の意志で小中高に1日も通わなかったそうです。ある意味、ゆたぼんさんが「かわいく」見えるくらい稀有なケースですが、注目したいのはそんなところではありません。同年代と比べても、子どもたちの学習意欲や身につけているであろう教養がスゴすぎるのです。なぜ、そのような子に育っのか? その秘密を著者である父親が本書に著しています。
以下、本書の「まえがき」「家族紹介」を本記事用に転載させていただきます。「経済」「地域」「親の学歴」格差を乗り越える画期的な教育書である本書は、amazonでは5/22発売予定です。


まえがき 「経済」「地域」「親の学歴」格差は乗り越えられる

 教育格差が問題になっています。親ガチャという言葉まであります。
 子どもたちのしんどい状況は、いくら努力しても自分の力ではどうにもできない、と思われがちです。親から見ても同じでしょう。子どものためにどうにかしてあげたいと思っても、状況を変えられない、と。
 教育格差が問題になるのは、学校教育が受験を意識しすぎる裏返しでもあると思います。勉強とは、受験のため、金を稼ぐためのものではないはずです。経済的な豊かさが唯一の目的ではなく、人生の豊かさが目的のはずです。そういう勉強であれば、子どもたちが追いつめられることはないのではないでしょうか?
 私は4人の子をもつ父親です。この子たちは、小中高の学校に1日も通うことなく、塾も家庭教師も習い事もなく、誰からも勉強を教わることなく、完全独学で勉強してきました。試験、受験の圧力は皆無です。誰とも競争せず、格差を意識することなく、学歴を求めることもなく、ただただ、人生を豊かにするためだけに勉強してきました。
 学力が気になるでしょうか? 上の3人は大学へ行くことを希望し、第一子は三重大学へ、第二子は京都大学を受験しました。第三子も来年、京都大学受験を希望しています。
 子どもたちが大学へ行くのは、就職やお金のためではありません。学問を求めてのことです。とはいえ、国立大学ですから、共通テストと二次試験を受けて合格しなければいけません。大学受験前には、受験勉強をしました。本人が望んでやったことで、親はけしかけていません。
 完全独学で、国立大学へ行ける程度の学力は問題なくつきます。勉強の方法に秘密があるのではなく、それ以前の土台づくりに秘密があります。この本では、それを明かしたいと思います。
 土台づくりも勉強そのものも、きわめてお金のかからない方法です。田舎に住んでいるため、地域格差の点でも不利です。土台づくりは誰にでもできる単純な内容なので、親の学歴は関係ありません。経済、地域、親の学歴という教育格差の原因がなくなるなら、教育格差自体が消えてなくなるかも。どんな子も、自分の望むように生きていける。そんな世の中を願っています。
 わが家では、親の考えを一方的に押しつけることはせず、子どもたちの考えや意見をたえず聞いています。親の言いなりになることはダメだと、常に言っています。反論、主張は大歓迎です。それがわが家の価値観です。子どもたちの意見によってわが家の方針や選択を変えることもあります。
 本書には、家族みながおおむね賛同できることを書いています。この本を書くにあたって、逐一、妻や子どもたちに確認してもらったり意見を求めたりしたので、著者名は私単独であっても、事実上は6人の共著です。
 そのことをご理解いただけるよう、妻と4人の子どもたちのコメントをところどころ入れてあります。私との打ち合わせなし、私によるチェックや校閲もなし、表記統一をふくむ編集もなしの、ネイティブデータそのままです。
 私たち家族は、つつましく生きる一般人なので、本名を出すことは控えます。しかし架空の話ではないかと疑問をもたれかねませんので、私だけ本名を明かします。地域格差を問題にする関係で、住んでいる地域も明かします。妻と子どもたちは仮名とさせていただきます。子どもたちには未成年も受験生もいます。プライバシーを詮索するような行為はどうぞご遠慮ください。

 わが家では、なんでもあり、なんでもオーケーです。犯罪や他人に迷惑をかけるようなことが別なのはわざわざ言わなくてもいいと思いますが。
 本書で、「○○してはいけない」という内容は何もありません。「○○しようよ」はあります。「○○しようよ」が「○○以外はダメだ」と誤解されがちなので、念のため。

家族紹介

 私たちは6人家族です。メンバーを紹介します。

父   筆者である私
 大阪に生まれ、高校卒業まで大阪で育ちました。小学校、中学校、高校は地元の公立(有名進学校ではありません)でした。京都大学文学部に現役合格し、そのまま京都市内で就職。
 その後、新天地を求めて、ぐうぜん童仙房へやってきて移住を即決。1992年に定住しました。独身で8年過ごし、インターネットで出会った妻と1999年に結婚。2012年からは在宅の仕事をしています。

母   ナナ
 埼玉で生まれ、小中高は地元の公立校でした。その後、専門学校へ進み、東京で事務職に就いていました。田舎へのあこがれはまったくなかったそうですが、結婚後は童仙房人として暮らしています。結婚前から職場でパソコンもインターネットも使っていたので、そのへんのスキルは問題ありません。

第一子   ハル
 2000年生まれ。ゲームやマンガが好き。動物、自然、農作業も好きです。工作、冒険、探検、歩くことなど大好きな一方、スポーツはあまり興味なし。
 小学生の間は、勉強嫌いで、まったくといっていいほどしませんでした。小6からようやく小学生の勉強を始めて、その後取り戻し、高3で高校の勉強を終えた後、自動車工場で半年働いて、一念発起、大学受験を志しました。三重大学人文学部に合格し、大学近くで一人暮らしをしています。
 現在、大学2年生の22歳。ホームスクーリング中はやや内向的に見えましたが、大学生になってからは、別人のように活動的になりました。

第二子   ナツ
 2003年生まれ。幼いころは人見知り気味だったけど、中学生あたりからは超ポジティブシンキングで外交的。お絵描きと野球が大好き。音楽・絵画など幅広く芸術鑑賞が好き。初めての場所、初対面の人をまったく苦にしません。しかもよくしゃべるので、ナツがいるのといないのとでは場の空気が大きく変わります。
 小学生の勉強は順調に進みましたが、中1から高2までブランクがありました。高2の夏に大学受験を宣言し、そこから高校の勉強を始めました。

第三子   アキ
 2005年生まれ。工作、読書が好きなのでインドア派の面がある一方、歩くこと、探検、冒険、農作業なども大好きで、アウトドア派でもあります。好奇心と向上心のかたまり。とくに読書の内容と量には驚くばかりです。小説などもたくさん書いています。幼いころから勉強大好きで、勉強のブランクもスランプもなく、現在高3。模試を受ければ、私が同じころの成績を常に上回っています。ふだん、けっこうのんびりしているように見えるので、その成績が私から見ても驚異です。最近は、歌舞伎、文楽、能など伝統芸能の鑑賞に関心があります。

第四子   フユ
 2008年生まれ。臆病で引っ込み思案だったのに、中学生なかばあたりから、別人のように行動的になりました。読書量もたいへんなものです。小説も多数書いています。歩くこと、野球観戦も好きです。オリックス・バファローズのファンクラブを9年間継続しています。
 親の責任により、小1で独学ができませんでした。そこから「独学の力」をつける取りくみを始め、一気に学力が伸びました。現在、高1。模試を受ければ、私が同じころの成績とだいたい同等です。アキと同じように、ブランクもスランプもありません。アキと同様、歌舞伎、文楽、能などの伝統芸能の鑑賞も好きです。1人ででも歌舞伎鑑賞に行きます。

 4人とも、遺跡・史跡めぐり、寺社めぐり、古墳めぐり、博物館めぐりが好きです。
 4人の子どもたちは、小中学校に1日も行っていませんが、地元の小中学校に籍を置いていたので、小学生、中学生という言い方ができます。このへんの仕組みは、第6章でお話しします。
 高校は行っていないし籍もないので高校生とは言えませんが、学校に行っている子たちと年齢を比較するため、この本では高1、高2、高3という表記をします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(編集部 い しぐ ろ)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?