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備忘録シリーズ IFRS36:減損会計

IFRS36:減損会計

資産の帳簿価格が回収可能価値額を超えないよう、資産の帳簿価格を回収可能価格まで減少させること。

対象資産

• 有形固定資産
• 無形資産
• 投資不動産(原価モデル)
• 関連会社株式など
対象外:棚卸資産、繰延税金資産、公正価値モデルを適用する投資不動産、IFRS第9号の範囲に含まれる金融商品などはそれぞに関連する基準に従う。

減損のステップ

1. 会計単位の決定(個別資産または資金生成単位、CGU)
2. 減損の兆候があるか否か?
3. 減損テスト(帳簿価格と回収可能価格の比較)
4. 減損損失の認識(回収可能価格まで帳簿価格を減額)

1.会計単位(Cash Generating Unit)

独立したキャッシュインフローを生成する最小の資産グループ

2.減損の兆候

外部情報:市場価値の著しい下落、経営環境の著しい悪化、市場金利の上昇、PBR1倍割れなどEx市場金利の上昇→資産の使用価値が減少
*PBR-Price book value Ratio/株価純資産倍率=株価/1株当たり純資産(BPS)
内部情報:資産の陳腐化、物的損害、事業の廃止/遊休化、営業損益の著しい悪化など


3.減損テスト

-回収可能金額VS帳簿価格(年一回もしくは減損の兆候がある場合)
回収可能価格:処分コスト控除後の公正価格と使用価値のいずれか高い方
*処分コスト控除後の公正価格=資産の公正価値-資産の処分に直接起因する増分コスト(除却コストや印紙税)
→市場参加者がその資産をどのように使用するのが最も効果的と判断するかという観点で算定
*使用価値=将来的キャッシュフローの見積額x割引率
→経営者が意図する方法で資産を使用した結果獲得すると期待される将来キャッシュフローの見積額を割引率で差し引いた現在価値で算定

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のれん取り扱い注意点

CGU:企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれるCGUグループで配分(のれんを内部管理目的で監視している企業内の最小レベルかつ事業セグメントより小さい)
減損兆候:CGUで減損テスト後、CGU+のれんを含むCGUグループ全体でテスト実施

全社資産取り扱い注意点

全社資産:本社建物など特定の事業に紐づかない資産
CGU単位で分配できない場合の配分方法:のれん同様、まずCGU単位で減損テスト、その後全社資産を含めたCGUグループで再度減損テストを実施。追加的に認識された減損損失は、帳簿簿価に基づき比例配分

4.損失認識

損失配分:帳簿価格に基づき比例配分。ただし、CGUに暖簾が含まれる場合は減損損失をまずのれんに配分。ゼロになっても配分されずに残った損失を帳簿価格に基づき比例配分
減損損失を認識した資産は、現存後の帳簿価格を基礎として償却(減価償却価格が変わる)
減価償却の戻し入れ:回収可能価格を算定し戻し入れ(損失配分と同様に帳簿簿価との比例配分)だたし、のれんの減損損失の戻し入れは禁止

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