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なぜノベルゲームを創るのに5年もかかったのか

初めまして!
Forever Timeの作者の橋本です。

noteずっと書いてみたかったのと
なにか新しいことを始めたいなあという思いが
重なり今回noteをはじめました。

人に文章を読んでもらうのってとても難しいことだと思います。
けどギャルみたいに楽しく、イキイキと文章を
書けば面白い文章が書けて読んでもらえる。
逆に文章に自信がある人が書いた文章でも、
イキイキと書かれていない文章は面白くなく
読んでもらえないと、
糸井重里が言ってた気がするのでまあイキイキと楽しく書いていければと思います。(作者は残念ながらギャルではなく男です)

5年ってホント長いですよね・・・・・
自分がノベルゲームを好きになったきっかけでもあるCLANNADでも
制作期間3年とかだったので、せめて3年以内には完成させようと多分創りはじめたころは思ってたんですけど
ゲーム制作経験ゼロの男が思い付きで創ろうと思うと5年もかかっていました。

まあとにかく5年かかった中でもとにかく
苦労したのは、
絵を描いてくれる人を見つけることだったので
今回はこの話を主に書ければと思います。

まずゲームを創ろうと思ったのは今は無くなった地元神戸のヴィレッジヴァンガードで、とあるイラストレーターの方のイラスト本を読んだのが
きっかけでした。
その方のイラストを観た時、自分の中に
電流が走り(割とマジで)
「この人ともし、ノベルゲームを創ればノベルゲーム業界に革命が起きるかもしれない」と思ったことがノベルゲームを創ろうと思った出発点でした。
この時期ぐらいに有名なエロゲ会社が潰れて行ったりしてて、今までにないノベルゲームを創ればもう一度ノベルゲームに光が差し込む!そんな気持ちもありノベルゲーム創りを決意するわけです。

それでその人に絵を書いてもらうためにはまず
それなりの金額と企画書を
用意すればイラストを描いてもらえるだろうと
とても安易な考えですが、
一年ぐらいはお金を貯めながらアイディアを
練っていました。

一年後にある程度のお金が貯まった段階で、
東京でそのイラストレーターの方が
イベントをすることを知り
「企画書を手渡ししよう!!!」と思いつき
企画書を渡すためだけに新幹線に乗り込み東京へ。

そして東京にメチャクチャ緊張しながら行き、企画書も渡せたのですが結果はまあ・・・・・・・・








ダメでしたね(´;ω;`)ウッ…

「一度事務所を通して欲しい」
という返事が来たので、事務所に連絡したのですが

待てど待てど返事はこなかったので、
気持ちを切り替えて同人イベントでイラストを書いてくれそうな人を探そうと思い付き、生まれて初めてコミケに行きました。
それでコミケで素敵な絵を書く方がいたので、その方にダメもとでお願いしたんですけどそれもまあ








ダメでしたね(´;ω;`)ウッ…


その後も学生から探そうと思い付き、学園祭に行ったり大阪のイラストレーターを目指す専門学校にもアポなしで
乗り込み、偉い先生に名刺を貰ったりしました。
「学生でそういうゲーム創りたいって子いっぱい
いるから、クラスのLINEで募集してあげるよ!」
と言って頂き希望が見えたりもしたんですが、
結局その先生からも連絡は来ず
希望は打ち砕かれましたね・・・・・・・

イラストレーターを見つけるのでもう
詰んだ状態になり、
「ああ、もう俺の考えたゲームは完成せず、この世には生まれないんだ」
とゲームを完成するのは諦めムードでした。

イラストレーターが決まらない段階で
完成していたのは、
ヒロインが登場する直前まで。ゲームの最初に
選択肢がでてくるのですが

Forever Time ゲーム画面

これは、自分が絵を書いてもらう人が決まらずここまでしか作ることが出来なかったという名残を残しておきたかったから。(デバッグ時選択肢いらねえだろ。と言われてたんですが)

諦めムードの中、
令和元年の2019年に「創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち」という
メタルギアやDeath Strandingでおなじみの
小島秀夫が書いた本の文庫版が発売されたんです。


創作する遺伝子 僕が愛したMEMEたち 小島秀夫


この本は小島秀夫に創作や生きるエネルギーを与えた映画や小説が紹介されている本なのですが、
この本の中で紹介されていた『神々の山嶺』という本に私は救われるんですよ。

神々の山嶺とは簡単に説明すると、人とは違う登り方で山を登ろうとする羽生丈二という男と、
その男の素顔を迫ろうと羽生を追う山岳カメラマンの深町誠が次第に山登りに憑りつかれていくお話。

「とにかく、人生に迷っている人、下山を検討している人に、この小説を薦めたい。」
という小島秀夫の言葉が、ゲーム創りという山を登ることを辞めようと思っていた自分に引っ掛かり、小説と一緒にお薦めされていた
漫画版(孤独のグルメの谷口ジローが書いている)で読んでみることに。

神々の山嶺 文庫版 コミック 全5巻完結セット

めちゃくちゃ刺さりましたね。

自分も羽生丈二と同じように人と違うやり方で新しいノベルゲームを創りたいのに、
イラストレーターの方に相手にされず孤独になっていく。けれど自分にはそれしかないからもうゲームを創るしかない。

本の終盤に山登りの極限状態の中で羽生が
「ほんとうのほんとうに
どうしようもなくなったら、
もうほんとうにこんかぎり あるこうとしても
だめだったら
思えありったけのこころでおもえ」
という名シーンがあるのですが

神々の山嶺 5巻 谷口ジロー

イラストレーターが決まらず、成すすべがなくなっている自分とこれまた重なり「想う」という事の大切さと凄さに気づかされました。

神々の山嶺を読んで、『想う』ことに感銘を受けて、諦めずにゲーム完成を想ってたら
数か月後に不思議なことが
起きるんですよね・・・・・・

職場でいつも眠そうで、なんか漫画書いてるらしい?と噂の男の先輩が、異動することになり最後だからご飯行きましょう。と先輩を誘い二人で
自分がオススメの味噌カツ屋に行くことに。

味噌カツ屋で先輩に
「どんな漫画書いてるか、最後なんで教えてくださいよ。」
と聞いたら











「実は、エロ漫画を書いてる。」


とカミングアウトをされて名刺を渡されたんですよね。
急に変な展開ですが画面を閉じずに最後まで読んで欲しい(笑)

それで名刺を頂いてtwitterのアカウント開いたら
フォロワー数が3万人ぐらい
いるし、(今は5万人ぐらいに増えてる)FANZAで漫画が買えるぐらいに凄い人だったんですよ・・・・・

このインパクトには全然勝てないんですが、自分もゲームを創っていることをカミングアウトして
「全然イラストレーターの人が決まらないんですよね・・・・・」
と打ち明けたら

「そういえば、○○さんもゲーム創ってたなあ」
と教えてくれました。

この○○さんが当時同僚で、ゲームのイラストを描いてくれることになるHakaru氏。
仕事以外で話を全然したことがなく
自分が入社した時、休憩室で少年ジャンプを雑誌で読んでたのが
印象に残ってるぐらいの方でした。

翌日Hakaru氏に先輩からゲームを作ってるのを聞いたことを伝えたら
そのゲームを遊べるサイトを教えてくれました。


それがまさかの私のゲームも今公開されているノベルゲームコレクションで公開中のゲームで、私も購入して使っていたティラノビルダーという
ソフトで開発された「221Bふたりの探偵ワトソン役からの脱出」という
脱出ノベルゲームでした。

自分が選択肢と映像と音を入れることぐらいしかできていない
ティラノビルダーを使いこなし脱出ゲームを完成させてる!!!!!
自分と同じティラノビルダーの使い手がこんな近くにいたなんて!!!!!と衝撃でしたよ。まさに灯台下暗しですよ。(凄い確率だと思います)

そのゲームをプレイした後Hakaru氏に連絡し、
「自分も実はティラノビルダーでゲームを創っていて、もしよかったらイラストを描いて欲しい」
と連絡したら

「え!全然描きますよ!」

長かったけど、ようやく物語が動き出した~!!!!!という瞬間ですね。

全く進展の無かったゲーム制作に希望の光が差し込んだ瞬間でした。
もう本当に絵を書いてくれる人が決まらなかったので、
家でめちゃくちゃ喜びを噛み締めたのを今でも覚えてます。

イラストレーター探しに一年費やしましたが
諦めずに想っていて良かったと思った奇跡の瞬間
でした。

イラストを描いてくれることが決まってからは本当幸せでしたね。

そのあと一緒にゲームを創っていくのですが、
世界はコロナになったり、Hakaru氏が転職活動や仕事が忙しくて、中々進まない年もありながらも
晴れて2023年の8月にゲームを完成させることが出来ました。

色々ありましたが、2023年に完成させれたのはベストだったと思うし
自分もゲーム開発中に知り合いにコミケで売り子としていろんな場所を連れ回される
という経験をして、
その経験を活かしてコミケに出店したりできたのでまあ良かったかと。

Hakaru氏がいなかったら、「Forever Time」は生まれてなかった
と言っても過言では無いですし、一番本当に感謝してます。
今年の年始にお茶をしてアニメCMを観てもらったり、サントラのイラスト
を書いてくれる方の報告をしたらとても喜んでいただけました。

ちなみに、Hakaru氏がゲームを創ってることを教えてくれたエロ漫画家の先輩とは、まさかの昨年の年末の冬コミ参加日が偶然同じで、数年ぶりに東京ビッグサイトで感動の再会を果たしました。

「内緒やで」
と人気過ぎて売り切れていたエロ同人をコッソリくれたので、こちらも先輩のおかげで完成させることができたイラスト本を渡し、サッカー選手がユニフォーム交換をするぐらいに熱い
本交換をすることができました(´;ω;`)ウッ…

性しゅ・・・・・・青春ですね。(終わり)


追記

神々の山嶺には本当に救われたこともあり、登場人物の苗字の羽生と深町を拝借して写真を撮られる主人公の名前を羽生ユウトに、
写真を撮るヒロインの名前は深町なずなに
しています。
何か山登りをしようとしている人、下山を考えている人は是非一度読んでみてください。

Forever Time 登場人物


想えば、きっと何かを成し遂げられるはず。


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