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[美容の現在①]美容師とお客さま、双方の意識が変わった「ヘアカラー」の話。

みなさまこんにちは。
フォルム綱島店 マネージャーの片谷です。
私は東京ディズニーランド誕生とほぼ同じ美容師歴36年、フォルムで28年目の現役美容師です。

最近感じることは、お客さまも美容師もヘアカラーに対する意識がすごく変わってきていること。

15年前ぐらいまでは「白髪をしっかり染めて見えなくする」ことが白髪染めで、白髪を見せることは「老けて見える」と考えるのが一般的でした。

髪の仕上げ方も、ブラシを使うブロードライが主流でした。しかしだんだんと、ヘアアイロン(こて)を使って仕上げることも多くなってきます。

そして美容師の働き方も、少しずつ変化し始めます。
必ず全部の技術を習得しないとスタイリストデビューできない、ということがなくなってきました。

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そのためか、白髪を染める「カラー専門店」が乱立しました。「プロに根元だけ染めてもらえる」「安価で手軽に毛染めができる」という理由から人気で、ふつうの美容室が脅威に感じるほどでした。

しかし今、シニア世代だけでなく、若い女性の中にも「白髪のまま、ありのままで」という染めない選択をする方が出てきました。さらには傷みづらいブリーチ剤を使った「ウィービングテクニック(メッシュ)」も加わって、6〜7年前からその傾向は社会現象にまでなっています。

しっかり染めれば染めるほど目立つ理由とは? 陥りがちな思考回路に注意!

カラーした髪が褪色したり、生え際が目立つようになると、お手入れしたくなりますよね。

しかしその都度しっかり染め直すことは、実は正解ではありません。
例えば、ここに白髪が気になり始めた女性がいるとしましょう。

彼女は美容室でカラーリングをして、薄く明るめのナチュラルな仕上がりにとても満足していました。しかし、しばらくすると褪色が進み、生え際が目立ってきました。

そこで彼女はお手入れとして、また同じ色のカラーリングをオーダーしました。またその次も。そうすると、明るかった髪色はいつのまにか暗く濃い色になっていました。

色の濃い毛束や頭頂から生えてくる白髪は、前よりもっと目立ちます。顔周りも、肌と髪との境目が不自然にくっきりしてしまいました。
また、髪が薄くなってコシがなくなり、髪の根元の立ち上がりが悪くなって老けて見えるようになりました。友人や家族は「そんなことないよ」と言っても、自分ではとても気になります。鏡で自分の姿を見るたびに「なんとかしたい!」という気持ちが募ります。

とうとう「今すぐなんとかしたい!」と思った彼女は、美容室に行かずに自分でホームケアカラーを買ってきて、分け目など気になるところを染めてしまいます。ホームケアカラーで染まった髪は透明感を失い、ナチュラルとは真逆の仕上がりになってしまいました……。

分かる〜! と思われる方、多いのではないでしょうか。
私もすごく分かります。でも今なら、こうなる前に解決できる、最適なヘアケアをご提案できると思っています。

白髪は隠すのではなく、生かしてアレンジする時代

明るめの白髪染めカラーって、以前はお客さまになかなか受け入れてもらえず、「染め残しがある」「染まっていない」というお言葉をいただくこともありました。お客さまにそう言われた美容師はご要望にお応えしようと「しっかり染める」ことが良しとなり、悪循環になるケースもありました。

しかし時代は流れて、最近では「染めない選択」も徐々に普及し始めました。素のまま、ありのままの自分でいたいと思い、明るめの白髪染めをご希望されるお客さまも増えています。
以前は、30〜50代の女性は「白っちゃけている明るいカラー」=「老ける、老いて見える、似合わない」というネガティブなイメージを持たれている方が多かったように思います。
確かに似合う・似合わないの個人差はありますが、今は白髪染めではないカラーリングの色がすごく明るくなってきたことで、白髪染めも明るいカラーが普及してきました。

今は歳を重ねていらっしゃる女性のお客さまが、本当にみなさん若々しく美しい。スキンケア商品の発達もあると思いますが、10年前と比べてもその差は歴然。
「アラサー、アラフォー」の時代から「アラフィフ、アラカン」の時代へ。70歳前後の方も本当に若いと思います。
「隠すことから見せること」になってきています。

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加齢と老いは、誰もが必ず経験します。でもそれをマイナスと捉えず、どう発想を切り替えていくか?
美容室・美容師の提案力と影響力も大きいと思います。社会性や時代性も考慮し、美容師が長い目で考えていくべきテーマだと、私は思います。

私たちのサロン「フォルム」では、「ヘアケアもスキンケアもまったく同じ」というテーマで取り組んでいます。
素髪ケアは、染まりづらかった明るい白髪染めが染まりやすい環境を作ってくれます。
スキンケアをしながら、美しく明るく染めていけるツールです。

次回は「白髪染めは『隠す』から『馴染ませる』時代へ」というテーマで書きます。

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この記事は フォルム綱島店 片谷宗弘 が書きました。


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