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地方大手銀行がヤバい!?上海浦東発展銀行の窮乏



日本人は知らない?!中国のある銀行のある騒動

去年の5月の話になるが、こんな話があったらしい。

上海浦東発展銀行のスト
Xより

上海の浦東発展銀行という銀行でストが起こったというのである。こんなの日本のメディアは報じたのだろうか…私も知ったのはつい最近。しかも他人の引用リポストからである。

原因は給与カット。投稿によると、月給は「下がって」約6260元(約13万円)。下がる前は、情報によるとなんと管理職クラスで2万元(約40万円)。
中国社会ではけっこうなハイクラスである。

ということは…給与3分の1以上カットといわけか。そりゃストるわ。

さらに、毎年度末にもらえるボーナスがゼロだと言うのである。
中国の給与形態は、
「月給(手当含む) +春節前にもらえる毎年度ボーナス(中国語で年终奖と書く)」
であり、これらを合わせたものが年収と計算される。
このボーナスは結構大きく、投稿によると、毎年6〜100,000元(120〜200万円)ももらっていたと言う。

もちろん、このボーナスは会社の業績によって左右するのだが、まぁ日本人も同じことだが、中国人も「毎年もらうもの」と計算しているので、もらえないとなるとローン等の計画が狂い、ちょっとした騒ぎとなる。

しかも銀行は、準公務員とみなしても良いほどのかなりの安定職種。それがボーナスなしとなると、行員のモチベーションもだだ下がりする。
そんな訳で、彼らは給与削減に反対し、ストライキを行ったのである。

前述のとおり、私がこれを知ったのはついつい最近につき、このストライキの顛末がどうなったのかわからない。後述するが、今日の反応を見ているとおそらく、

経営陣
「ボーナスちゃんと払います!」

と言うところでカタがついたのだろう。

しかし、これで終わったら、私もいちいちnoteにまとめない(笑)

ストライキから8ヶ月後、ボーナスが支払われる2024年春節前の季節になった。行員たちもワクワクしながら、人によっては2ヶ月前も前からその日を待っていたのだが、支給日に渡されたのは意外なものだった。それは…

上海浦東発展銀行が危ない!?
Xより

「お手紙」

これには行員一同、「はぁ?」となった。
内容は一年の働きをたたえるものだったそうで、
「これには万金(1万元)の価値がある」
とかなんとか書かれていたそうだが、行員たちが欲しいのは現生。
「これじゃねーよ!」
行員たちの怒りは収まらない。

この騒ぎ今後一体どうなるのであろうか…今後の行方が楽しみである。

今回のお話の主役−上海浦東発展銀行とは

本件のツボは、これが上海浦東発展銀行という銀行で起こったことである。
この銀行は、上海では、最大級の銀行の1つで、操従業員数約62,000人、地方銀行としては、おそらく中国でも3本の指に入るほどであろう。

上海浦東空港にも視点があり、ここで縁がドルから中国元に変えた人も多いであろう。なので、日本人とも縁が深い。

筆者は日本の銀行の状況はよくわからないが、浦東発展銀行は日本の地銀に例えると、トップ3と言われる横浜銀行や静岡銀行、千葉銀行に相当すると思っても良い。

そんな銀行が、行員にボーナスが払えないほど資金に切羽詰まっていると言う話である。

ウィキペディアより

Wikipediaのオープンソースによると、実際2022年度の営業成績はこの通り。赤矢印が示すように大赤字である。営業損益1886.2億元とは、円に直すと兆に達する。

確かに、これではボーナス返上やむなしと言ったところだが、これはあくまで2022年度。今回は2023年度である。おそらくだが、2023年度はもっと悪い数字なのだと思われる。

中国の銀行で預金が下ろせないなどのトラブルは、中国と縁が無い日本人は聞いたことがないような田舎の地方都市がほとんどだった。しかも地銀以下の、日本に例えたら地元の信用金庫レベルでの話であった。
が、今回は上海、しかも私も中国とのかかわりがあった頃は外貨換金などで使ったことがある地方大手銀行である。
破産などのことではないものの、事実上の行員賃金カットに踏み込まざるを得ない状況に陥っているということは、中国の経済冷え込みの毒が予想以上にまわっているな…という感が否めない。

そして、もう一つの闇は、本件、日本や中国官製メディアは一切報じていないこと。
試しにググってみても、出てくるのは「大紀元」と海外の中国語メディア、そして向こうのSNSから漏れ出てくる情報のみ。
つまり、「社会不安を煽る」理由で当局がいつもの情報統制に入ったのだろう。そりゃあ、上海浦東発展銀行ほどの銀行がこのザマなら、全国規模で取り付け騒ぎが起こってもおかしくない。
しかし、中国なら仕方ないが、日本のメディアも右に倣えじゃ、これじゃあどこのマスコミかわからない。

筆者はこの銀行についての情報はあまり持っていないため、決算がいつ行うかわからない。が、2023年度の決算報告を見てみたいものである。

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