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私は「価値ある情報」だけを集めたい

一般に「情報は大事」と言われていることの意味は理解しているつもりですが、そもそも「情報」それ自体には、ほとんど価値がないと思います。

情報を過大評価してしまうと、「もっと情報を集めなければ」「もっといろんなところに出かけ、いろんな人に会い、いろんな体験をしなければ」と、無駄な行動も増やしてしまいがちになるはずです。

きっと人は何かを過大評価すると、それに依存したり、時間やお金を異常に費やしてしまいます。

もし、情報自体に価値がある、「どんな情報にも価値がある」と思ってしまうと、無駄な行動を増やしがちです。

この記事では、もし価値ある情報だけを集める方法があるとしたら、ということを考えてみました。「そんな都合がいい方法があるのか」と疑う向きもあるでしょうが、求めなければ手に入れられませんので、とにかく考えることにしました。

情報を集める8つの方法

まず、情報を集める方法にはどんな方法があるのか整理してみました。ほとんどの情報は次の方法で集められるはずです。「自分で調べる」とは、以下のようなことをするという意味だと思います。


1.本、雑誌、新聞、白書を読む
 ・雑誌の過去の特集などはかなり参考になります
 ・新聞のバックナンバー、白書などは図書館に充実しています

2.テレビ、ラジオ、ネット動画などを視聴する
 ・過去の番組もネットで見ることができますので、次の項目との境目がなくなりつつあります

3.インターネット、各種データベースサービスを使う
 ・Googleで検索することで膨大なデータが手に入ります
 ・検索するキーワードが重要です
 ・有料データベースサービスもあります

4.観察する
 ・現象などを観察することで情報を得ます

5.特定の人に聞く
 ・ユーザー(顧客)、専門家、SNSのフォロワーなどに質問します
 ・個別のヒアリングやグループインタビューなども

6.アンケートを採る
 ・利害関係のない不特定多数の人に聞きます
 ・ネットアンケートサービスはかなり安価

7.やってみる
 ・実際に体験して五感で情報を集めます

8.考える
 ・考えた結果の結論も一種の情報です
 ・考えるために、有形無形のフレームワークを使います

1~8のどの方法で集めた情報にも、価値があるともないとも言えると思います。集める方法によって価値が左右されることはないはずです。たとえば「自分自信で体験して集めた情報だから価値がある」というのは傲慢か単なる勘違いだと思います。

すべての情報は疑われるべき

情報に向き合う基本として「疑う」という態度が求められるはずです。

.100%信じられる間接的情報はない
 間接的なリサーチ方法は当然すべて「うそかもしれない」と疑うべきです。だれかが故意に情報をゆがめるときもありますし、調査した人が意図せず情報をゆがめているときもあるからです。

.自分で体験して獲得した「一次情報」も疑うべき
 自分で観察したり、体験したりして得た情報も、自分の思い込み、先入観などが入っていないか疑うべきです。自分を信じすぎる癖がある人はまずそういう認知のずれ(バイアス)について勉強してみてもいいと思います。単なる見間違い、記録ミスもあります。

.情報の前提条件を確認する
 情報の鮮度(更新日時)やリサーチ対象、その他条件を確認して、情報の確からしさを推測してみることは大切です。情報発信者の周辺環境などが変わったにも関わらず、古い情報をそのまま現在のことのように勘違いしてはいけないからです。


このように、すべての情報を疑うことは基本的態度として大事だと思います。

情報の価値を決めるのは「目的の質」

繰り返しますが、情報自体には価値はないと思います。「目的」ができたときに初めて、情報に価値や重要度(優先順位)が出てきます。

そして、その価値を高めるには「目的の質」が重要になると考えています。

たとえば、私は起業家ですので、このような「目的」の情報を集めていた時期があります。

目的A:
 「起業を成功させるため」の情報

目的B:
 「起業を楽に成功させるため」の情報

「目的A」のような情報を集めていたときは、情報が多すぎて、何から手を付けていけばいいかわからなくなります。逆に「目的B」のように「楽に」が入ると、おのずと入ってくる情報が変わってきますし、同じ情報でも、得られるエッセンスが変わってきます。

※ちなみに私自身が「楽に」と言うことに気づいたのは、早い段階で「優秀な人と同じ起業方法は私には無理」「しっかり睡眠時間を確保しないと無理」と感じたことがきっっかけです


つまり「質が高い目的」があってこそ、自分にとっての情報の質も高まります。検索エンジンで言うと「検索キーワードの質」ということになるかもしれません。

また、一見同じ情報に触れたとしても、質の高い目的を持っていれば、その情報の価値、そこから得られるエッセンスの質が上がります。

ここでいう「エッセンス」は、情報という原石を研磨して取り出した宝石のような部分です。


逆に、質の低い目的しか持っていなければ、

 1.質の低い情報しか集まらない
 2.同じ情報に接しても質の低い要素(エッセンス)しか抜き出せない

ということになると思います。

そのために情報を集める(調べる・リサーチ)という行動の前に「目的の質を上げておく」ことが、重要になると思います。

何も考えずにとにかく情報を集める、すぐに行動ばかりするということをしてしまうと、私のように限られた能力、時間の中で起業を成功させようと考える者にとっては、やはり効率が悪すぎると思うのです。おそらく途中ですぐに力尽きます。

参考記事:
 「未熟な起業家ほど行動量を減らすべきだと思う理由

情報はおかれた場所によって価値情報が加わります。情報は目的の家来です。目的の質が高いところにおかれた家来はよく働いてくれると思います。


目的の質が低いことによる損失

目的の質が低いと届くゴールの質、得られる報酬の価値も低くなるはずです。

例)
 目的C:空腹を満たしたい

 目的D:食後に眠くならないように空腹を満たしたい

「目的D」の方が、食後の時間を有効に使える可能性が高まります。食事のたびに眠たくなっていたら思考や行動の質が下がりますし、ストレスになります。


例)
 目的E:だれかに信用されたい

 目的F:自分に信用されたい

「目的E」のように、信用はあくまでも他人の行為であり、他人に信用されることを目的にするのは、私のような未熟なものは、すぐに他人の目を気にして、他人にコントロールをゆだねることにつながります。そうすると「他人の評価」などの意味のない情報に価値を見いだしてしまうと思います。

「目的F」のように、自分に信用されるということは「自信」です。これは私のようなものでも、ほんのささいな成功体験などをもとに「根拠のない自信」として備わっていることが多いはずです。自分を知って、その根拠のない自信を追認してくれるような情報に気づけるとしたら、その情報は自分にとって何より価値があると思います。


自分でも、これらの例にはややこじつけ感がある気がしないでもないですが、ほとんどの「結果の質は、目的の質に依存」すると言えると思います。

そうなると、いかに目的の質を上げていけるかが重要になります。行動の前に思考すべきなのは「目的の質」を高めるためでもあると思います。

目的の質は「情報フィルター」

このことが正しいとすると、目的の質は「情報を自動的に選別してくれるフィルター」として働くと言えるかもしれません。

日々、生活しているだけで勝手に無数の情報が飛び込んできますから、思考することで意図的に目的の質を上げて「情報フィルター」を作動させ、必要な情報のエッセンスだけをしっかりと手元に集めておきたいです。毎日のことですから、この差は大きいと思います。

逆に、むやみに行動量を増やすと、入ってくる情報の質も低くなりがちだと思います。がらくた(自分にとっては大切でないもの)ばかりを抱え込んで身動きが取りにくくなります。不安にかられてとにかく行動する、という思考レスをさけたいと考える理由です。

仮に、頭がいい人、センスのある人というのは、この情報フィルターの調整機能が高い人と言えるかもしれません。そんな人はむやみに行動量を増やしても最終的に大きな成果を得ると思います。

そんな人が「これからはとにかく一次情報が大事だ。だから何でも体験しろ」と声高に叫んだとしても、私のような能力の低い者がそれに踊らされて行動量を増やしていては、すぐに体力も気力もなくなり、疲れ果てて、夢を諦めてしまうかもしれません。

情報が多すぎる世界での振る舞い方

情報の絶対量が少なかった過去の時代と、今の時代では情報への態度は変えるべきだと思います。

もちろん、「行動」よりもはるかに効率がいい「読書(質の高い本に限る)」などを通じて増やせる知識量は、きっと目的の質を高め、「情報フィルター」の精度を高めてくれます。

※ちなみに、情報の価値を高めるためには、「目的の質」を高めるだけではなく、情報から得られたエッセンスの「受け皿の質」も大切だと思っていますが、そのことは後日記事にします

私は、今の自分が得るべき情報やそのエッセンスだけが自然と飛び込んできてくれる毎日を送りたいです。

逆に、質の低い大量の情報におぼれたり、もしくは、情報自体に気づかずに生きていくのはイヤです。

それは私次第、私の「目的の質」次第なのだと心得ておきたいです。

お読みいただき、ありがとうございました。


※今回は、私は「価値ある情報」だけを集めたい、というテーマで私が考えたことを書きました。これは情報のインプットについてのテーマですが、じつはアウトプットについてのテーマでもあります。また、いつか書きたいと思います

フォーチュンファクトリー株式会社 代表取締役。新潟出身。東京在住、20才。「CAMPFIRE AWARD 2017【特別賞】灯火賞」受賞。「フォーチュンボックス」や自社ブランド「五感プレミアム」シリーズを販売中。