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~2018-19セリエA第38節 インテルVSエンポリ "スパレッティ政権、クレイジー過ぎる幕切れ"~

もうお気づきだろうが昨日をもってセリエA38節が終了し、最終順位が確定した。我らがインテル・ミラノは壮絶すぎるCL争いにおいて最後の椅子(4位)を確保し、2年連続のCL出場をホームで決めた。


スパレッティ政権最後となる試合

2017年の夏にインテルの指揮官に就任したルチアーノ・スパレッティ、就任初年度には大きな補強がないままシーズンインしたが冬場まで優勝争い、そしてインテル風物詩とも言える冬の大失速を経験し、最終節にラツィオとの直接対決でドラマチックな勝利を挙げインテルに7年ぶりとなるCL出場権をもたらした。
迎えた今季、愛弟子ナインゴランを獲得、デ・フライ、ポリターノと欧州で勝ち抜くには物足りないがイタリア国内ではまあまあ勝てそうなメンツを補強して今季に挑んだ。しかし今季のインテルはエースイカルディが招集拒否にキャプテン剥奪、代理人して妻のワンダ・ナラの横暴な言動により中心選手ペリシッチも移籍希望を出し一時は冬にアーセナル移籍目前となるようなチームとして、組織としてまともに動けない中での陣頭指揮を任されたスパレッティ、ただなんとかクラブの経営やプライドを守るために既存の選手のモチベーションを最大限に引き出しなんとか37節までに66ポイントを稼ぎ、3位をキープした。
しかし残り勝ち点3ポイントでCL出場権を問題なく得れるアウェーでのナポリ戦でまさかの1-4の大敗で勝ち点66で足踏み、これによりロンバルディア州の雄、アタランタに3位の座を譲った格好になり(勝ち点66とインテルと同じ)、同じ街のミランが65ポイントとまさに3チームでCL出場権の残り2枠(セリエAの残りの2枠は優勝したユヴェントス、2位のナポリが確定)を3位アタランタ(66ポイント)4位インテル(66ポイント)5位ミラン(65ポイント)で争う血を血で洗う、他会場の結果も常に気にしなくてはならない最終節を迎えることとなった。

簡単な図で表すと


1位ユヴェントス→優勝&CL出場権
2位ナポリ→CL出場権
3位→CL出場権
4位→CL出場権
------------------
5位→EL出場権

となる

CL出場とEL出場ではクラブの収入が4000万ユーロ近く離れる為高年俸の選手を抱えるインテルのクラブ経営としても絶対に負けられない最終節となった。そして選手の地位と名誉を高めるのは欧州最高の戦いであるCLという文化に違いは無いためCLに進む以外の選択肢はなかった。

実に60通り以上の確率で3~5位の可能性がある為割愛するがインテルが3位以内を確保するには
・自力での勝利
・引き分け以下ならアタランタとミランが引き分け以下
これが大雑把な最低条件となった。

条件としてはシンプルで"勝てば問題ない"という状態だった。しかしアタランタは残留確定のサッスオーロとミランはSPALと消化試合のチームと戦う為他力本願という訳にいかなかった。
しかしインテルの相手となるエンポリも引き分け以上でセリエA残留が決まるという残留争いに巻き込まれていた。
言わばどちらも負けられない最終節という闘志剥き出しとなる最終節となった。

インテルはスターティングラインナップに今冬クラブと大きな問題を起こし、この試合を最後に移籍するであろうイカルディがスタメン出場し、来季の新指揮官が元ユーヴェ監督のコンテが内定してる中退任決定的なスパレッティとインテルの選手として、指揮官として最後の試合に挑んだ。

試合の方は圧倒的にインテルがボールを持つ時間帯が増える。ブロゾビッチが両サイドにボールを捌き、ベシーノやナインゴランの推進力で前へ圧力をかけるインテルが試合を圧倒した。しかし招集拒否、欠場時間が長引いたイカルディが全体的にプレーのクオリティが低く、移籍の噂が耐えないペリシッチは集中力を切らし、ポリターノのカットインと中盤の2人(ベシーノとナインゴランの個)を中心としてシュートを増やしたインテルだが前半は無得点。その間5位ミランは2-1、3位アタランタは1-1と最悪の展開が起きる

前半終了時の3~5位の順位表
3位 ミラン 67ポイント
4位 アタランタ 67ポイント
------------------------------
5位 インテル 67ポイント
(セリエAは最終順位決定時に当該チームの対戦成績を優先)

この時点で後半に得点し、勝利が絶対不可欠なインテルは後半の頭から左SBのアサモアを下げてウインクプレーヤーのケイタ・バルデを投入、主戦場が2列目のペリシッチを左SBに置くスパレッティの"ギャンブル采配"で後半の始まりを告げる。
後半もボールを持つのは基本的にインテル、すると50分に歓喜の瞬間が訪れる、途中出場のケイタ・バルデがドリブルで相手を振り切り右足一閃!インテルが先制をする!

この時点でインテルが3位に一気に躍り出る。

しかし76分、負ければ降格のエンポリに同点弾を許しこの時点でアタランタとミランはリードしてた為再びインテルには勝利が必要となった。

ここでスパレッティの愛弟子が「見たかミステル(イタリア語で監督)」という瞬間を見せつける。
80分にハーフエーライン近くからドリブルで持ち運んだベシーノのミドルシュートがポストに当たる、しかしこぼれ球がナインゴランの元へ、スパレッティの愛弟子はここを冷静に流し込み再びインテルは勝ち越しに成功!!アタランタもミランもリードしてるが自力での勝利ならCL出場権は確保出来るインテルにとってこれ以上にない得点が入り再びインテルがCL出場権の4位へ!

その後、残留争いに巻きこまれるエンポリの猛攻撃、足を攣って交代したペリシッチの代わりに入ったダウベルトのポカがありインテルにピンチが訪れ続けるが守護神ハンダノビッチ、ダンブロージオ、デ・フライ、シュクリニアルというディフェンス陣が体を張ったディフェンスでチームを守る。ATにエンポリはCKでGKも攻撃に出たがそのこぼれ球を拾ったブロゾビッチのシュートがゴールに…と思われたがGKの進路妨害したケイタ・バルデがレッドカードに、ゴールも取り消しとなり結局98分まで試合は続行。ただインテルは守りきることに成功しホーム最終戦にして大一番、スパレッティラストゲームに勝利で花を添える形となった。

相変わらずクレイジーで訳の分からない展開で最後までサポーターを震わせるが劇的な勝利をその反面チームにもたらすインテルはやはり好きである。スパレッティも2年間でしっかり仕事を果たしチームに歴史を残した。短い期間ではあるがどん底のチームを2年連続で欧州最高の舞台に導いたルチアーノ・スパレッティという戦略家にリスペクトを称し、来季の新指揮官が内定してるコンテと共闘することを誓い、筆を置きたいと思う。

Pazza Inter Amala!!


このメンバーで戦えるのも昨日が最後、
最高の勝利をありがとう!

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