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【優勝】侍ジャパン物語~2023WBC編・完~【主人公:大谷翔平】

侍ジャパン、WBC優勝。
イチロー選手が勝ち越し、ダルビッシュ投手が試合を締めた、あの伝説の2009年大会から、14年ぶりのWBC世界一

優勝に貢献した選手は、数えきれません。
褒め称えるべき選手は、数えきれません。
語るべき選手は、数えきれません。

でも、あえて、1人を選ぶとするならば。
侍ジャパンの主人公を選ぶとするならば、それは間違いなく「大谷翔平」選手になるでしょう。

NPB時代、何度も国際試合のメンバーに選出されるも、怪我の影響で主要大会に参加できなかった大谷選手。シーズンではズバ抜けた活躍をしつつも、代表辞退が続いた大谷さんの選択を「ズル休み」と揶揄する声も少なくありませんでした。
高校時代には、アンダー18の世界選手権に。日ハム時代には、プレミア12に参加していますけどね。早い話が、文句を言いたい人にイチャモンをつけられていたって事です。

渡米しメジャーリーガーとなってからは、大谷さんが侍ジャパンメンバーとして大会に参加することはありませんでした。大谷選手は、もう国際大会には出ない人なのだと、コンも思っていました。

東京オリンピックでの金メダル獲得に導いた稲葉さんの後を受け、2023年開催のWBCに向けて侍ジャパンの監督が栗山英樹さんになる事が発表されました。

栗山さんは、何を隠そう大谷選手を招き入れ、育て上げた日ハムの監督でした。その栗山さんから、大谷さんは侍ジャパン参加の打診を受け、WBC
WBCへの参加を決意したのです。

決勝に至るまでの、大谷さんの活躍は素晴らしいものでした。二刀流選手らしく、投打で侍ジャパンの勝利に貢献してきました。

そして、迎えた決勝戦。対アメリカ戦。
完全に、大谷翔平さんは主人公でした。
おそらく、ノンフィクションでこの試合を作品化しても、現実の出来事として知らない人からは「リアリティがない」と指摘されたでしょう。

簡単に、今回の試合の中の、主人公大谷翔平さんのストーリーを振り返ります。


試合開始前、ロッカールームにて。
円陣の中心に、大谷翔平さんはいました。キャプテンを決めない栗山監督の方針により、毎試合違う選手が声出しを担当してきました。決勝戦、激を飛ばしたのは大谷選手。

憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。

「アメリカに憧れるのをやめよう」
これは、過去の大会でイチローさんも言っていた事でした。イチローさんは「むしろ見下してイケ」とまで言っていたそうでした。にもかかわらず、西岡剛さん(当時ロッテ)が塁上でアメリカ代表選手に握手を求めていたと、怒っていました。

大谷さんの名言から始まった決勝戦。
先制を許すも、すぐさま逆転し、追加点を奪うも、チームの精神的支柱ダルビッシュ投手が8回に被弾、1点差への肉薄を許す、一瞬たりとも気の抜けない試合展開。

3番DHで出場していた大谷選手。試合が後半となると、ブルペンへ出入りするようになりました。決勝開始の12時間ほど前、エンゼルスが大谷さんの1イニング限定での登板を許可したと発表されていたのです。
指名打者の役割も果たしながら、クローザーとして大谷選手はブルペンで肩を作っていたのです。

そして、9回表。日本のリードは、僅か1点。
マウンドに登ったのは、大谷選手。
最初のバッターに四球を出すも、次のバッターを併殺に切って取る。

2アウト。優勝までアウト1つ。
打席には、現役最強メジャーリーガー、マイク・トラウト選手。

トラウト選手は、アメリカ代表のキャプテン。今回アメリカ代表が歴代最高の豪華メンバーとなったのは、キャプテン自ら選手たちに参加を呼び掛けたおかげでした。侍ジャパンの主人公が大谷さんならば、トラウト選手は間違いなくアメリカ代表の主人公です。
そして、大谷選手にとってトラウト選手はエンゼルスでの同僚。仲が良いことでも有名です。

日本の宝VS最強打者。
フルカウントから大谷投手が投じた変化球。トラウト選手のバットは、空を切る。空振り三振。ゲームセット。

大谷選手の激から始まったWBC決勝戦。試合を締めくくったのも大谷選手でした。

出来過ぎている。
あまりに、出来過ぎている。

主人公の名言から始まり、余裕のない1点差の中、契約上1イニングしか投げられない縛りを受け、ライバルからの奪三振で試合が決する。
やりすぎ、リアリティがない。そう思わざるを得ません。

8回に、日ハムでの先代エース、ダルビッシュ投手が連打を浴びた結果。自分が出したランナーを、併殺で片付けた結果。優勝への最後のアウトを、盟友にして、もう一人の主人公であるトラウト選手と奪う事になったのです。
これが作品なら「点差の余裕を消すための演出」「トラウト打席で終わるための調整だ」なんて言われた事でしょう。

しかも、大谷さんが最後に投じた変化球。トラウト選手から三振を奪ったあの変化球。よく曲がるスライダーでした。
2009年WBCで優勝を決めた、ダルビッシュ投手が投じた変化球もスライダーでした。
2009年WBCの最後の1球、今回2023年WBCの最後の1球。まるで再放送したかのような、そっくりな素晴らしいスライダーでした。
古巣の先代エースのダルビッシュ投手が14年前に優勝を決めた球と、同じ球で優勝を掴み取る。物語として、完成しすぎています。

WBCで優勝しMVPになる事を、高校時代に目標として明記していることも、主人公感を高めています。


もともと主人公属性モリモリな大谷選手。1試合に限っても、このシナリオの充実ぶり。本当に、主人公になるべくして生まれ、主人公として生きている方なのだと改めて思いました。

本当はもっと言いたい事も、大谷選手以外の話もしたのですが…キリがないので、今回はここまで。

侍ジャパン、優勝おめでとう!
感動をありがとう!!!



おしまい。
ばいばい、またね。


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