七夕ライフ・ワーク・バランス

自分たちの仕事を疎かにして引き離された織姫と彦星は、一年に一度七夕の夜だけ会うことができます。
しかし、七夕以外の日にきちんと仕事をするようになったかというと、そうではありません。会えないことに悲しんでやはり仕事は手に付かないし、雨が降れば七夕の夜にさえ会えないこともあるのですからやる気も起きません。
そこで二人は海に移住することにしました。織姫は水面近くに、彦星は深海で暮らします。二つの場所の間は水圧が制御され、やはり会えるのは一年に一回でしたが、海の中なら雨でも会うことができます。
普段、二人は防水加工のテレビで連絡を取り合います。織姫はイルカやトビウオが飛び跳ねるショーを見せ、彦星はアンコウが照らす光でイソギンチャクやヒトデ、海藻の展覧会を見せます。
こうしてプライベートが充実した二人は、きちんと仕事をすることができるようになりました。

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