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【マッチレビュー】CLグループE第一節ナポリ対リヴァプール

こんにちは、この度初めてマッチレビューを書くということで非常に緊張しているフラです。至らぬ点も多々あると思いますが最後まで読んでいただければ幸いです。

スタメン

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[前半]

リヴァプールはキックオフから相手陣内にロングボールを蹴り込み、いつも通り前線から厳しいプレスを敢行しました。これにより9分や23分で見られたロングボールを蹴らされていたクリバリのシーンなどのように前から適切に速くプレスをかける事によって相手に正確ではなく50:50のボールを蹴らせそれを回収したり、ダメでもセカンドボールを拾いマイボールにすることができます。それとは別に10分と12分のシーンのようなファビーニョのカットから相手の守備陣形が整う前ショートカウンターというのもリヴァプールとしては理想としていた攻撃でしょう。

【前半23分】

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対してナポリは後方からボールを丁寧に繋ぐサッカーを展開しました。ですが試合序盤から猛然とボールを奪いにくるリヴァプールを前に上手くビルドアップすることができずにいました。その後は割と速い段階で細やかなビルドアップを諦め前線に長いボールを蹴り(蹴らされ)始めたナポリでしたがナポリの前線の選手は身長が高くなく、ほとんどのボールをリヴァプールに回収されることとなりました。回収されることで相手の組み立てからの攻撃を受け、自陣で不用意にボールを失いショートカウンターを受け、少し自分達で落ち着いてボールを持てる時間があったとはいえかなり劣勢で攻め込まれていました。そんな中でもナポリはチーム全体で統一された集中力の高い守備と最後の場面で相手のストロングプレイヤーでもあるサラーやフィルミーノの攻撃をことごとく封殺するクリバリの活躍もあり何とか前半を無失点で終えることができました。


【後半】

後半最初の決定機はナポリの方に訪れました。最終ラインでボールを保持するマノラスに一気にプレスをかけるマネと自分のマーカーであるマノラスにプレスをかけに行くフィルミーノ。ここで二人でプレスをかけにいったことにより当然マネがマークしておくはずのサイドバックへのパスコースが空く、それを見逃さなかったマノラスはなんなくそこにパスを通しました。

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そこからナポリは守備の歯車が乱れてしまったリヴァプールの隙をついて一気に相手ゴール前までボールを運びました。サイドでボールを持ったロレンツォはすぐにアランにボールを渡し、アランはプレスをかけてきたミルナーをひらりとかわしました。ここでリヴァプールの守備の歯車は完全に破壊されたといっても差し支えないでしょう。なんせここからリヴァプールはパスコースの限定をする術がなくすべての守備が完全に後手を踏むことになるからです。後手を踏むということはそれだけ相手に攻撃面に置いて優位を明け渡すということになります。

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実際の試合では①の選択肢が選ばれました。

アランからパスが出る直前メルテンスは一瞬裏に抜ける動きを見せ、すぐに切り返しギャップへとパスを受けに行きます。パスが出た時ファン・ダイクはメルテンスとの駆け引きに敗れ、裏のスペースのケアに走り出し、メルテンスへの対応が遅れます。フリーでパスを受けたメルテンスはリズムよく横のカジェホンにボール預けます。この時点でリヴァプールの選手の意識は完全に右サイドに持ってかれています。同サイドに大量に集まってきた事で空いた逆サイドにカジェホンは一気にサイドチェンジを行いインシェーニェにボールを送りました。そしてインシェーニェの更に外のサイドにオーバーラップしてきたマリオ・ルイへとパスを繋ぎ、最後はマリオ・ルイからのクロスにメルテンスが合わせましたが惜しくもこのシュートはアドリアンのビッグセーブに阻まれました。

その後マノラスのミスからサラーが決定機を迎えますが今度はメレトのビッグセーブでこれを防ぎます。そこからお互い集中力を途切れる事無く拮抗したゲームを展開していました。そして79分ついにゲームが動きます。ゴールキックからジョレンテがヘンダーソンと競り合いそのこぼれ球をファビアンが拾い、フリーのメルテンスに繋ぎ一気にサイドに展開し、カジェホンのカットインからナポリがPKを獲得しました。そのPKはメルテンスがしっかりと決め切りスコアを1-0としました。

交代で入ったジョレンテの前線での競り合いでの質的優位からのPK獲得まさにアンチェロッティ監督の采配ズバリ的中という感じですね。ですがアンチェロッティの名采配はここでは終わりません。得点後すぐに疲れの見えていたファビアンを左サイドハーフにまわし、途中出場でフィジカル的にまだ余裕のあったジエリンスキを中央にまわしました。このポジションチェンジによってリヴァプールの中盤や落ちてきてゲーム作る厄介なフィルミーノの使うスペースをより制限することができ、リヴァプールの攻撃を単調なものにしてナポリとしては守備しやすくなりました。この采配のおかげもあってかナポリは最後までゴールを割らせる事無くクリーンシートで最後に試合の仕上げと言わんばかりにジョレンテが1点を追加し、ホームのナポリが2-0で試合を終えました。


【感想】

率直な感想として、球際の激しさなどは及ばない点はありつつもゲームスピードの速さや解説の戸田さんが言うところの試合のテンションの高さや選手それぞれの質や集中力の高さからまるでダービーマッチを見ているようだなと思いました。

個人的な両チームのMVPを挙げるとすれば、まずリヴァプールの方はミルナーですね。ビルドアップ時はDFラインまで下がり組み立てに参加し、前半42分のように最終ラインから前線まで上がり果敢にハーフスペースに飛びだしチャンスにからみ、守備では広範囲をカバーして65分にベンチに退きましたがその貢献度は計り知れませんでした。ナポリの方は非常に悩ましいですがここはあえてクリバリではなく、アランをあげます。後半途中でで足を攣ってしまう場面がありましたがそれもそのはず、彼は前半から広範囲にわたって守備に奔走し、その守備も決して軽いものではなくこの試合で一番の激しさでボールを狩りにいっていました。味方が自陣付近で失ったボールもその守備でクリアし、リヴァプールの狙いでもある鋭いショートカウンターを阻止していました。このアランの守備は間違いなくリヴァプールにとって脅威であったでしょう。攻撃時も華麗に相手を抜き去ることはできませんがサイドで守備同様激しくパワフルにボールを前進させリヴァプールのラインを下げる一因になっていました。

今後もこのようなマッチレビューを書いていこうと思うので様々なご指摘おまちしております。