ラデツキー行進曲という曲がある。あまりに有名なので皆さんも聴いたことがあると思う。私はこの曲が嫌いだ。その理由を書いてみたい。

まず、第一の理由は、私のかつてのボスの携帯電話の着信音がこの曲だった。私はボスが大嫌いだった。とにかく頭が悪く、パワハラ、セクハラは日常。私はボスと毎日戦った。

第二の理由は、手拍子が嫌いだからだ。私は舞台やコンサート、寄席に行っても手拍子はめったにしない。単純に嫌いだからしないのだ。

だが、ヨドバシキャメラに行った際、テレビジョン受像機の売り場でこの曲の演奏が繰り返して流れていた。貼り付けた動画とは違う指揮者だったが、観客をうまく誘導し、時には笑顔と親指を立てるポーズで褒め、演奏全体を素晴らしいものにしていた。これを観て、この曲が少しだが好きになった。

いつかは正装してウイーンでこの曲を聴きたいが、その時はたぶん手拍子をしてしまうだろう。

私は音楽の才能がまったくないが、もし音楽家になるなら指揮者になりたい。次の人生ではそれが叶うかもしれない。