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Francis “Bolero”について語ります。M1「シルブプレ・ハ」

みなさん「フランシス・ハ」(2012年)という映画をご存知でしょうか?

「イカとクジラ」のノア・バームバック監督による、デヴィッド・ボウイ「モダン・ラブ」が流れる中プロダンサー目指す主人公フランシスがニューヨークの街を疾走するシーンが印象に残るとても素敵な映画なのですが、なぜこのタイトルが「フランシス・ハ」なのか?ご覧になった方はご承知の通り、紆余曲折あった彼女が振付け師としてやっと自立し、新たなアパートのポストに表札をつけようとしたところ自分の書いた紙のサイズが合わず、名字の「ハリディ」の「ハ」まで折りたたんで納めたので「フランシス・ハ」だというオチ。ただこれ、単にそれだけの意味ではなく、このときの彼女の「フランシスやりましたー!ハッ!(どや!?)」的な意思が感じられる間投詞としての「ha!」なんじゃないかというどなたかの見解を聞き、なるほどーと膝をたたきました。

実はお恥ずかしながらほとんど、というか全くフランス語の出来ないFrancis、自身に多大なる影響を与えたフレンチ的な要素を楽曲に封じ込めようと、ここはあえて安易にこんな自分でも知っているフランス語、中でも何かをお願いするポピュラーな言葉「シルブプレ」をリフレインする曲を作りたいと思い立ちました。そしてせっかくならばと我が敬愛するノイエ・ドイッチェ・ベレの代表アーティスト『DAF』王道オマージュとして、

ぶっといベースシンセフレーズのリフとドラムというシンプルなアレンジでこの「シルブプレ」を執拗に繰り返し、決め台詞に間投詞としての「ハ」を織り交ぜることにより、「シルブプレでございますよ!」「あなたにシルブプレしたいんです私は!」とアピール出来るキレのいいナンバーがほんの数時間で出来上がってしまったのです!
エスプリと狂気がダンディに共存するFrancisというキャラクターをアピールするにまさにふさわしいアクの強い楽曲。もちろんライブではオープニングナンバーなので、近年アルバム1曲目はつかみの曲=わかりやすい曲の方がいいというのももちろん知りつつも、どうしても自分のスタイルは崩したくないという頑な思いからアルバム冒頭を飾る1曲目にあえてしてみました。

ちなみにサピのイメージはLCDサウンドシステムのジェームス・マーフィーな気分でアッパーになれる感じを表現してみたつもりです。やっぱかっこいい。2005年の渋谷o-eastのライブ、最高だったな。

Francis “Bolero” 絶賛発売中!

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