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あなたは自由人ですか?

今日の初投稿は<あなたは自由人ですか?>をタイトルにしました。
「英語学習の心得」と「自由」。いったいどんな関係が――。

世の中、「自由になりたい」と訴える人が多いですよね。食べたいときに食べ、寝たいときに寝る。遊びたいときに遊び、好きなときに旅行に行く。会社に縛られたくない、と。

でもこれって、よくよく考えてみると、「もしAならばBをする」という因果律に従い、条件つきで生きている動物と何ら変わらない。とても理性的な生き方とは言えないわけです。

「仮言命令」(心の命令)に左右されてしまっているということです。

一方「もし**ならば――」という因果律ではなく、無条件に「**する」となれば、原因と結果に左右されない「定言命令」(無条件の命令)、即ち下心のない「道徳的命令」で生きているということになります。

ここに自由が存在するのです。

分かりやすく言うと「もっと遊びたいけど我慢せよ」という命令に従うことが、自分をコントロールしているという自由なのです。

「今晩は寝る前に明日の英語の予習をする」と決めて実際にやれば自分を自由にコントロールしていることになりますが、「あ~あ、眠たいから寝よう」と睡魔に負けてしまえば、自由がなかったことになります。

サラリーマンの場合、「仕事」vs.「自由」という構図で考えがちですが、実際は上の例からも分かるようにダラッとしたい気持ちをコントロールして仕事に打ち込むのが自由であり、逆に本能任せで遊びたいときに遊ぶのは「真の自由人」になっていないということです。

私はよく生徒さんにこう言います。

――Drive your business; don’t let your business drive you.

「仕事を動かすのはあなたで、仕事に動かされてはいけない」と。

仕事を動かしているあなたは自由人で、仕事に動かされているあなたは束縛人。サラリーマン=束縛人というのは間違いだということをご理解いただけたかのではないでしょうか。

1804年2月12日、末期の水がわりに砂糖水で薄めたワインを口にし、

――Es ist gut.

「エス・イスト・グート[それでよい]」という言葉を残して80歳の生涯を終えたドイツの哲学者、イマヌエル・カント。

彼が自らを律し、生涯規則正しい生活を送り続けたのは、実は「真の自由」を持ち続けるためだったと。

「勉強したくなったら勉強する」仮言命令から「無条件で勉強する」定言命令に従う生き方へ――今後の学習に生かしてもらえれば幸いです。

カントの人間模様を綴った、中島義道氏によるカント本、『カントの人間学』(講談社現代新書)。

週末の教養に――

▶ カントの人間学 (講談社現代新書)

今日も一歩前進―Make it happen!

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