本当の優しさとは
彼は優しい人だった。私を傷つけないために、私に優しい嘘をついて、全部一人で抱え込んだ。
そしてそれを一切私に悟らせなかった。
笑って「俺は大丈夫だから」と言った。
大丈夫じゃなかったくせに。
つらいこと、悩んでること、全部私に話して欲しかった。
話してくれなかったから、最終的に私は傷ついた。
彼の優しさに、傷つけられたのだ。
優しい彼を、私は責めたくない。
でも、その優しさのせいで私たちの関係は崩れてしまった。
本当の優しさって何だろう。私たち、どうするのが正解だったのだろう。
それはまだ私には分からない。
彼の優しさは、本当の優しさだったのだろうか。
それも分からない。
でも、私は間違いなく、彼の優しいところが大好きだった。