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みずほ銀行の副業解禁というワードに潜む罠

皆さんは副業をしていますでしょうか。最近は副業を容認する企業が少しずつ増えてきたので、定時後、土日を使って色々なことにチャレンジしている人もいるかと思います。

そんな、副業について、先日あのメガバンクのみずほ銀行が副業を解禁しました。

メガバンクと言われる銀行では初めてのことです。理由は多種多様の人材育成が狙いのようです。

聞こえは良いのですが、捻くれ者の私は素直に喜べない出来事だな、とも思いました。

副業ってどんなことをするの?

副業と言うと、一昔前ではアルバイトのようなモノを想像しがちでしたが、今時はインターネットさえあれば誰でもいつでも副業を出来る時代になりました。

インターネットを利用してモノやサービスを販売したり、ブログ記事を書いて広告収入を得るのも立派な副業と言えます。

私は副業について、その種類は大きく分けて2パターンあると考えています。

スキルアップを目標とした副業

1つ目はスキルアップを目標とした副業です。

会社に勤めていると、どうしても目の前の仕事ばかりこなしても、なかなかスキルアップが出来ないことがあります。これは、完全に私の持論なのですが、大抵の仕事と呼ばれるモノは誰かが一度行ったことをなぞることが多く、私はこれを作業と呼んでいます

作業自体は悪い訳ではありませんし、マニュアル化してある作業をこなして作業効率を上げることは企業の生産性を高めるので良いことだと思います。

しかし、作業をこなすだけでは、なかなかスキルアップに繋がらないことも多く、スキルアップをしたくても目の前の作業をこなさないといけないので、なかなか難しいところです。

特に技術職では日進月歩、早いスピードで技術が入れ替わるので、新しい技術を追いかける必要性に駆られるケースが少なくありません。

そこで、副業にて新しい技術を学びます。

もちろん、副業という形でなくとも、スキルアップは可能ですが、実務に勝る経験というのは、なかなか得られないため、仕事としてお金稼ぎをしながら、スキルアップを図ることは、とても理にかなっていると思います。

自分の特技を活かした副業

2つ目は自分の特技を活かした副業です。

これは、ある意味スキルアップに通ずるところも多いのですが、普段趣味で行っているようなことを仕事に活かすパターンです。

具体的には、普段は銀行員の人が趣味で動画配信をしていたとします。動画配信で広告収入を稼いだり、動画作りを受注したりするといったモノです。お金儲けというよりは、趣味から始まって結果的にお金に繋がるパターンです。

また、同人誌といった類もこれに当てはまるかと思います。

また、本業とは関係の無い人間関係を形成出来たり、全く新しいビジネスに繋がることもあるでしょう。

みずほ銀行が目指す副業のあり方

話は戻り、みずほ銀行の副業解禁についてですが、みずほ銀行が目指している副業のあり方は1つ目のスキルアップを目標とした副業かと思われます。

優秀な人材が欲しいみずほ銀行が2つ目のパターンで成功した人が、独立するといったことを望んでいるとは思えないので、人材育成を目的しているのは間違い無いでしょう。






建前上は。


よく考えてみて下さい。

スキルアップって、必ず副業ではなければいけない理由ってありますでしょうか?

副業は個人が自由に選べる仕事です。何をするのかは個人の裁量に委ねられています。企業側が従業員に対して本当にスキルアップを必要としているのであれば、教育にお金を掛けるのが普通だと思います。

つまり、副業解禁には別の理由があるのでは? と私は思いました。

私はとある企業にて、長年教育担当を行っていたこともありました。仕事で使うスキルを各自、副業で勉強をしてね、など思ったことはありません。

企業が自社で教育が出来ない、それなりの理由とは何だろう? と考えました。

それは、教育を担当する側の人材です。

教育担当の人材不足

日本はかつて、バブル崩壊後、正社員の就職が困難な時期がありました。俗に言う就職氷河期です。

中小企業、大企業に関わらず、どの企業も採用を控えました。そのツケが今、跳ね返ってきているのだと思います。

私は30代半ばですが、新卒から今まで自社で一回り上の世代の人をあまり見掛けたことがありません。(私は大分特殊な環境下だったので、あまり参考にならないかもですかww)

つまり、今の30代の上司や教育担当に当たる世代が就職氷河期世代であったため、教育体制が十分とは言えない企業が多いのではないでしょうか。

私は社会人になってから、教育というほぼ受けたことがありませんでしたが、会社の優秀な人材不足による危機と私が情報の教員免許を持っており、教育に関心があったこともあり、仕事以外の殆どを教育に費やす時期がありました。ちなみにお金が無いので無償です。

教育にお金も掛けられない、教育出来る人材もいないような会社の場合だと、各自努力してスキルアップどうぞと言った感じ





ですが、




日本屈指のメガバンクのみずほ銀行が本気で教育にお金を掛けられないとは思えませんし、いくら某プロジェクトで大金をドブに捨てたとは言え、みずほ銀行ほどの大企業であれば、金にモノを言わせて外部から講師を雇うなど簡単に出来ると思います。

では、何故か?

低コストで使える人材が欲しい

私はみずほ銀行の副業解禁のニュースを見たとき、見出しの通り、低コストで使える人材が欲しいだけなのでは? と思いました。

つまり、副業である程度稼げるようになったから、給料をちょっと減らしても大丈夫だよね、ということです。

未だに費用を抑えるために人件費を削るという、企業は数多く存在します。

多くの人に関係する、身近な話では、飲食店における原材料の高騰が分かりやすいかと思います。

当たり前ですが、原材料が高くなれば、料理の値段や利益に直接影響が出ます。

ここで、簡単に値上げをしようとすると、お客さんが来てくれなくなるかもという不安が生まれます。

そこで、ダメな経営者は人件費を削るという発想になります。法律上、経営者の都合で勝手に給料を下げることは出来ないので、賞与を削る、福利厚生を削るという、労働者のやる気を削ぐ行為に出ます。(いいモノを提供してくれるお店は値上げしても、ちゃんとお客さんが来てくれると思います)

みずほ銀行も副業の自由という免罪符で従業員に対する何らかの、経費を削減しようとしているのでは? と勘ぐってしまいました。

とは言え、自力で稼ぐ力は必要

企業は従業員を雇う以上、従業員の最低限の生活を守る必要はあります。しかし、それ以上に一人ひとりが企業に頼らないお金を稼ぐ術を身に着ける必要になってきたと思います。

大企業だから安心だなんてことはありません。

今は大企業でも突然潰れてしまうような、波乱な時代です。それは、ニュースを見ていれば誰でも分かることです。

そして、大企業であればあるほど、大企業の中でしか生きられない人材となってしまう人を数多く見てきました。(主に身内でww)

それが、昨今の中年層以上の大量リストラに繋がっているのだと思います。

一番危険なのは、誰かに自分の手綱を預けた状態だと思います。

副業という形でなくとも、明日、自分の会社が無くなっても、会社という肩書きが無くなっても、自分の名札だけで仕事が出来る術を身に着けることが大切だと思いました。(そうゆう意味ではシステムエンジニアのスキルはとても汎用的!)

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