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二等操縦士(マルチローター)実施試験を受けてきました

率直な感想を言うと、『ムズい』でした。。

二等操縦士試験は国土交通省のHPにある『二等無人航空機操縦士実地試験実施細則(マルチローター)』の内容通りの試験でしたが、学科試験と違い、応用の要素が強いと感じました。

試験内容は細則に記載の通りですが、これらをクリアするには必要な知識を使いこなす必要があります。
実際の試験ではこのような内容をこなしていかなければなりません。

  1. 机上試験(模擬飛行計画においての正確な判断知識)
    問題は4問で内容は
    航空法令遵守・安全確保措置・機体の飛行性能及び運用限界・自動操縦機能の設定(フェールセーフ等)の内容が出題されます。
    これが意外に難問でした。。
    飛行計画を見て瞬時に飛行計画内容を把握し、その上で問題を解いていかなければなりません。それを5分以内で行う必要があります。
    実際に私は問題を理解するのに2分かかり、それでも最初の問題を解くことができなかったので次の問題に移り、2問目から実施し3問目、4問目となんとなく感覚を掴み、1問目を終えたのは終了20秒前くらいでした。。
    と言うぐらいとにかく時間に追われました。
    しかも、机上試験は1問につきー5点減点されますので、全問不正解で−20点減点される可能性があります。
    とにかく、5分という時間が短すぎました。

  2. 口述試験(飛行前点検の実施)
    日常点検記録簿を見ながら点検項目を点検していきますが、これは日頃点検を実施していれば問題はありませんが、実際に下記の点検記録簿を使いながらどの項目で何を点検しなければいけないかを正確に把握しておく必要があります。
    この試験では内容に一つでも漏れがあると−10点減点されます。
    点検項目の順番は決まっていませんので、点検項目を網羅した上で自分の点検ルーティーンを作っておくことをお勧めします。

  3. 実技試験(実際に飛行させての飛行技能の証明)
    この項目はみなさんが一番頑張っているところなので、他の試験に比べると比較的問題はありませんが、注意事項をいくつか挙げると、
    ・試験内容をしっかりと把握しているか?
    ・試験環境での訓練を実施しておく
    ・3.5mの高さでの飛行訓練を日頃行っているか?
    ・試験用の機体での操作に慣れているか?

    と言ったところです。結構ありましたね。。
    試験コースは把握していると思いますが、試験は基本的に審査員の指示に従って飛行させます。
    なので、ポイントでは基本一時停止し、次の飛行指示を待ってから飛行させる必要があります。
    コースを覚えているからといって、審査員の指示を待たずに旋回や移動などを実施してはいけません
    二等試験は基本的に室内で実施されると思いますので、まずは体育館などの室内での飛行をしたことがあることも一つ必要だと感じました。
    体育館では背景に様々なものがあり、距離感を掴みづらいこともあります。
    それだけでなく、体育館ではダウンウォッシュによる自機の位置なども確認しづらいため(屋外では草や砂などがダウンウォッシュによって揺れ動くため確認しやすい)、それ以外の要素で飛行させている機体の位置を把握できるようにしておかなければいけません。
    特に3.5mの高さでの飛行は、自分が思っている以上に訓練しておくことをお勧めします。
    普段は目線の高さ程度で飛行させている人がほとんどだと思います。
    試験対策としてその高さでの飛行を数時間実施すると思いますが、総飛行時間が50時間あったとしても、3.5mの高さでの飛行が数時間であれば、思っている以上にまともな飛行はできていません。
    特に一人で飛行訓練を行なっている人は、自位置の確認をあまりせずに飛行させがちなので、できれば誰かに側面から見てもらうような訓練を実施することをお勧めします。
    自分が思っているよりも進路がずれていたり、距離が浅かったり深かったりします。
    自分の特性を知る上でもこの訓練は必要かと思います。
    試験用の機体は大体がDJI社のPhantom4だと思いますが、会場の案内には試験機体が掲載されていますので、必ず試験機体での飛行経験もつけておきましょう。

  4. 口述試験(飛行後点検の実施・飛行日誌の記載)
    長いですが、もう少しお付き合いください。
    次は飛行後の点検です。
    飛行後点検は飛行前点検に比べ確認項目は少ないですが、逆にそれが不安を煽ります。
    飛行後点検では、機体にゴミなどの付着がないか、機体に歪みや損傷がないか、各機器は確実に取り付けられているか(カメラ、プロペラなど)、ローターやバッテリーなどに以上な発熱などがないか、などを確認しますが、搭載燃料の残量や電源系統、推進系統、通信系統、リモートIDの動作確認などの確認は実施しません。ただ、確認をすることが悪いわけではありませんが、不要な確認は減点の対象になる可能性もあるので、必要項目をしっかりと把握し実施できるようにしておきましょう。
    点検を終えたら飛行日誌の記録です。
    飛行日誌は飛行内容を記載するだけですので、特に問題ないかと思います。
    当日の飛行時間などは審査員に聞いて確認しましょう。

  5. 口述試験(事故及び重大インシデントの内容把握・事故時の適切な対応)
    最後の後述は基本試験のみ実施しますが、2つ出題されます。
    1、事故及び重大インシデントに該当するものを3つ挙げなさい。
    これはしっかりと覚えておきましょう。
    事故に該当するもの
    人の死傷(重症以上のものでこれには第三者以外の人も含まれる)
    物件の損傷(軽微な損傷も含む)
    航空機との接触及び衝突
    重大インシデントに該当するもの
    人の死傷(重症以下のものでこれには第三者以外の人も含まれる)
    航空機との接近(飛行中の航空機を確認し、かつ衝突回避行動をとったもの)
    飛行中の機体の紛失(人為的なミスでないもの)
    飛行中の機体の発火(バッテリー保管中の発火は含まない)
    などが挙げられますが、この内容をしっかりと把握しておく必要があります。
    国交相のHPには事故と重大インシデントの資料がありますので、それの内容をしっかりと把握しておきましょう。
    さて最後は
    2、事故を起こしてしまった時の対応です。
    第一に操縦者が実施しなければならないのが『負傷者の救護措置』です。そのために機体がまだ飛行中である場合には直ちに飛行を中止し、負傷者の救護を実施します。
    負傷者の救護措置ができたら事故の内容により必要機関への連絡をします。
    火災が発生している場合には消防に連絡するとともに消化活動を実施
    警察へ連絡し事故の状況等を報告(事故の場所、負傷者の数や程度など、物件の損傷の程度など)
    ここに記載のない事項でも必要に応じて適切な対処をしなければならない。
    これらの処理が済んだ後には事故として国土交通大臣に報告する。

と、必要なことを詰め込むとこんな文章に。。
しかし、これでもだいぶ端折ってこれなので、実際にはもっと正確により多くの知識が必要になります。

果てしないような気もしますが、まずは概要を把握し、そこに詳細をつけるように色々なことを覚えていきましょう。

お疲れ様でした。


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