ファンデッキ制作自論~ファンとガチの間で~

はじめに

今回はいつものデッキ紹介ではなく、デッキ制作の際に考えていることについて紹介していきます。
私はファンデッキの1枚のカードやコンセプトへの愛を深めていく楽しさとガチデッキの環境・メタ読みをして勝ちを突き詰めていく楽しさの両方が好きで、その楽しさも経験したことがあります。
そのため、ガチ側の考え方とファン側の考え方を織り交ぜながら展開していけたらと思います。

それでは早速結論から入ります。

結論

ガチとファンは相容れない場合が多いので、ぞれぞれで楽しもう!

理由

ガチとファンの関係

まず、私はガチとファンを以下のように分類しました。

ガチ:なによりも勝つことを目的とする
ファン:なによりもテーマとしての面白さを高めることを目的とする

それを踏まえて以下のような関係にあると考えています。

ガチ-ファン関係図

曲線の曲がり具合は適当ですが反比例に似たような曲線であると考えています。
そのため、好きなカードを使って(ファン寄り)勝ちたい(ガチ寄り)という願いは比較的達成の難しい目標になります。
ただし必ずしも難しいわけではありません。

例えば、あなたがガチ思考で好きなデッキやカードがガチデッキであれば、好きなカードで勝つという目的は比較的達成しやすいでしょう。

そのため、関係図はあくまでも一般的なガチとファンの関係を割り切りしやすいようにするための考え方と受け取っていただけたらと思います。

ファンデッキ制作時の考え方(本題)

まず、前提として現代デュエルマスターズの環境では強さにフォーカスを当てたデッキ紹介が数多く存在します。
ファンデッキという紹介の中でも、一部の環境デッキに勝てることが前提で紹介されています。
そのため、強さを基準にした考え方は既に発信している有名な方々に任せます。

それでは強さを気にしないファンデッキの構築自論を展開していきます。

1.ファンデッキはメタ0の環境で遊ぼう(考えよう)!

ファンデッキはガチデッキのメタを大いに受けます。
それによってしたい動きができないことに遭遇することが、ガチデッキ以上に多くなります。
ファンに近ければ近いほど、ガチデッキほどのパワーを持たないため、メタを切り抜けることも難しくなります。
それではせっかくの楽しいコンボやテーマは活躍できません。

そのため、まずはメタという存在をなくした状態で考えます。
そうすると、今まで無理してメタを入れていた枠全てをテーマを強化できるカードに変えることができるため、テーマとしての完成度が高くなります。
メタを考えない40~80枚こそファンデッキとして美しい形だと思っています。

もちろん、対戦相手は必要なのでそこはメタ意識を少ししないといけませんが、相手もファンデッキにしてしまえばいいのです。
なんなら対戦相手は7割勝てるデッキでいいのです。

2.”○○の劣化”にしないために固定枠を増やそう!

これは非常に重要です。
テーマとしての固定枠が増えるということは構築を偏らせるパワーカードを理論的に積めなくするということです。
こうすることでテーマの完成度を高めることができます。

ここで強いカードを入れて何が悪いという話になりますので、私が先日紹介したロマネサインの開発経緯を例として、固定枠の少ない辛さの紹介します。
ロマネサインの紹介記事はこちら↓です。

  1. 《邪眼皇ロマノフⅠ世》を使ったリアニメイトコントロールデッキが作りたい

  2. 固定枠は
    《邪眼皇ロマノフⅠ世》2枚以上、
    《龍仙ロマネスク》2枚以上、
    《ダンディ・ナスオ》1枚、
    《灰燼と天門の儀式》3枚以上

  3. 《最終龍覇 グレンモルト》が闇文明で強くて汎用性の高いカードでとりあえず入れておこう

  4. 《最終龍覇 グレンモルト》だけが1人歩きし始める。
    →デッキ内の《邪眼皇ロマノフⅠ世》以外の全てのカードが《最終龍覇 グレンモルト》をサポートするカードで構成されるようになる
    →《ダンディ・ナスオ》ですら《邪眼皇ロマノフⅠ世》や《龍仙ロマネスク》よりも《最終龍覇 グレンモルト》を優先的に墓地に落としたくなる

  5. 5Cモルトの劣化と認識し始め、《邪眼皇ロマノフⅠ世》が邪魔になる

ということがありました。

ロマネサインはもともと強くてかっこいいカードを数種類積めることも売りでしたが、《最終龍覇 グレンモルト》を積めば他はいらないと思えるほどのパワーを持っていました。
つまり、たった1枚のパワーカードによってテーマの崩壊が起きたということです。
ここから、デッキの半分以上ある自由枠の影響により構築の迷走が始まりました。
常に、○○と組み合わせると上手くいくのでは?という期待と○○の劣化、いっそ5Cロマノフ(Ⅱ世の方)でいいのではないだろうかという失望を繰り返すことになってしまいました。


反面、成功した例としては性癖型天門ループです。
こちらは入れたいカードとシナジーの高いカードだけで構築された52枚になります。
つまり、全てのカードが固定枠ということです。
ファンデッキとして非常に作りやすかったです。

改めて、ファンデッキはテーマとしての固定枠をいかに作れるかが重要であると考えています。

3.デッキパワー ガチは1枚 ファンは全体

ガチデッキは採用カード1枚ごとに環境に刺さりがいいか、カードパワーが高いかを考えていく必要がありますが、ファンデッキは各カード間の相性の良さ、つまりデッキ全体を考えていく必要があります。

そもそもファンデッキを使用している時点でガチデッキよりはデッキパワーが低くなっているのですから、1枚ずつの強さよりもカード間の相性を多くしてあげるとテーマの完成度が高くなると思います。
また、動きをサポートするカードが多少ノイズを含んでいても全体としてテーマがまとまっていればいいのです。

まとめ

改めて、私がファンデッキを制作する時は

  1. メタ0の環境で遊ぶ(考える)

  2. テーマとしての固定枠をできる限り増やす

  3. カードパワーよりもカード間のシナジーを強めにする

を意識しています。
1と2の考え方は制作に行き詰っている方には特にオススメです。

もちろん皆さんが上記通りにファンデッキの制作・調整ができるとは限らないことは承知しています。
カードゲームで勝負をする以上、”勝ちたい気持ち”は優先的になってしまいますので、周りの環境がカードパワーやデッキパワーの高いデッキを使用することは日常茶飯事でしょう。
そのため、対戦相手がいる場合は上手く調整していただくことがいいと思います。

自分はコレクションとして制作しているので、全てのデッキが1人回し用となっています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?