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コラム:Ready Study Go! 「明日別れる、それでもなお人を愛しなさい」

「それ意味なくない?」

よく耳にするセリフですが、その人の人生観、人生の目的があぶり出されます。「人柄採用」も理にかなっていて、長く一緒にプロジェクトを進める上で「価値観の一致」は大切です。

「人生の結果=考え方 × 熱意 × 能力」

稲盛和夫さんいわく、この順番にこそ意味があって、「考え方」のほうが「能力」よりも重要です。どんなに性能の良い包丁も、料理に使うか犯罪に使うかで効果はまったく逆になってしまいます。土台となる考え方、つまり、どんな人生観、精神性、倫理観を持っているかが全てといっても過言ではありません。

能力の高い人は魅力的に映りますが、精神性が自分と合うか確認したいところです。仕事でも結婚でも、どうしたら相性がわかるか。それこそ「意味ないじゃん」と言いたくなる瞬間にこそ価値観があらわれます。

「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日も私はリンゴの木を植える」
「え、それって意味なくない?」
「そう? 意味あると思うけど...」

16世紀の宗教改革家マルティン・ルターは、木を植えるわけです。あなたはどうですか? ぼくも植えます。ルターの理由はルターに任せるとして、自分の意見。アルマゲドンで地球に巨大隕石がぶつかる。すべてが燃え尽きる。それがわかっていても、最期の日に泣き喚いてパニックになるよりは、心を整えて今日まで楽しかった思い出と明るい希望をたくして木を植えます。万に一つでも木の根が残れば、人間が滅びた後もまた緑の地球が戻るかもしれません。どうせ最期なら、できることは全部やったほうが後悔がありません。

ここであぶり出される人生の目的は「己に勝つ、理性をもつ」こと。絶望を前に動揺するのではなく、利他の心や希望をもつことが、自分にとっての北極星なのでしょう。人生の目的が自覚できると、自己肯定感を高めやすくなります。目的に沿った意味のある行動ができると、自分のことが好きになります。

偽善は善であるか、という問い。あなたはどちら派でしょうか。 社会貢献ボランティアで、心から助けている人と、下心でやっている人がいますよね。前にリバースプロジェクトという環境保全ビジネスをやってた伊勢谷友介さんがラジオで話していたことがあります。なぜ社会貢献を、の問いかけに

「モテたいからです。今の時代は社会貢献やってるほうが、いい人に見えるでしょう?」

MCも苦笑してましたが、モヤモヤしたリスナーたちも多かったはずです。これは心が伴っていない「偽善」ですので。見返りを期待する贈与は贈与ではないでしょう。ただの交換です。でも、たとえ偽善であっても環境に良いのは事実。結果的には素晴らしいことなのではないか。心の「ロマン派」と、結果よければの「ファクト派」に分かれるわけです。

どちらも正しいし、グラデーションのどこかでもいい。偽善に拒否反応を示す人もいれば、「偽善も善だ、相手は助かっているぞ」と胸を張る人もいて、どちらでもいいんです。ただ、本心に嘘をつくと、自らの人生を肯定できなくなります。
自己肯定感は、他人から評価されて上がるものではありません。自分で自分という人間を好きだと思えるかどうかです。「コイツなかなか善い奴じゃないか。信じられる奴じゃないか」そう思えること。裏表ある人は信じられないですよね。ロマン派でもファクト派でもいいから、本心で「意味のあることしてる」と思えればいいんですね。

ぼくとしては「偽善者の自分を好きになれるか」と言ったら、なれません。だからちゃんと心が伴うことをやりたい。自分で自分のことを信用できるのが、自信です。ちなみに伊勢谷さんは本音をさらけ出していて、一周回って好感度が上がりました。

「意味ないじゃん」と強く感じる時、大切な人生観に気づくことができます。くり返しますが、すべて正解です。人それぞれでいい。

「そのうち別れるなら、愛しても意味ないじゃん」→ いや、あるよ
「勝てないオーディションなら出る意味ないじゃん」→ いや、あるよ
「誰に見せるわけでもないし、盛り付けに時間かける意味なくない?」→いや、あるよ
「二度と会わない人なのに、親切にする意味なくね」→いや、あるよ
「買ったほうが綺麗で安いのに、ハンドメイドする意味なくね」→いや、あるよ
「一生で使いきれないほど貯金しても意味なくね」→うん、確かに
「炎上商法してまでフォロワー増やしても意味なくね」→うん、確かに

それぞれに、肯定否定、その理由、あなたなりに答えてみてください。たとえ周りが冷ややかだとしても、自分には意味があると信じられる。それが意味のある人生です。

TEXT: 深井次郎(自由大学 学長)


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