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何度も読み返したい素敵な文章の数々vol.10

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弁当箱偏愛帖 後編

弁当箱偏愛帖 後編



弁当箱偏愛、前編の続きです。

▼浮菊模様竹籠

前編でも述べたようにお弁当箱集めが趣味なのですが 、ここ最近で買った弁当箱の中でもため息もののかわいさが岡悠さんのお弁当箱。京都の展示会での受注生産のタイミングで申し込みができて、オーダーから1年待って手に入れました。

端の処理まで本当に丁寧な仕事でうっとり。普段使いの工芸品という感じ…

時々無性に食べたくなる京都風のふわふわ卵サンド。

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自分が変わることでしか、伝えられない想いがある

自分が変わることでしか、伝えられない想いがある

小さい頃、へとへとになるまで遊んだ後、家のドアを空けて大きな声で「ただいま!」と叫ぶ。

玄関を開けると晩ごはんのいい匂いがしていて、奥から「おかえり」と声がする。

毎日を慌ただしく過ごしていると、そんな昔の他愛のない瞬間がとても愛しく思える。

大好きな場所に、「ただいま」を

沖縄、奄美大島、アラスカ、ハワイ、メルボルン。いつでも帰りたい大好きな場所があります。

誰かの期待に応えるわけでも

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人が環境に適応する動物なら、行きたい環境に飛び込めばいい。

ここ数年で人に教える場が飛躍的に増えた。

とても有難いことで、毎回相当な準備をして臨む。コピーを書くことは、言葉を企画すること。だから、コピーライターとして、言葉の見つけ方であったり、企画のつくり方であったりを話していく。なるべく体系立てて。明確に存在する「やり方」とともに。生まれもったセンスとか、親から受け継いだ才能とか、そんなの関係ないですよ、というのを強調しながら。

なぜならとても多いか

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主役になれなくても、心躍る瞬間はつくれる

主役になれなくても、心躍る瞬間はつくれる

思い返してみると、主役になれない人生だったな、と思う。

子どもの頃から、なにか創ったり、表現したりすることが好きだった。

でも、絵の具づかいが絶望的に下手だったり、とにかく音痴でリズム感がなかったり、散々だった。

「好き」と「得意」はまったく別なのだ、と人生の割と早い段階で気づいてしまったように思う。

「大きくなったら、なにか変わるかな」

そう期待したものの、高校生や大学生になっても、自

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頭にキノコの決意

頭にキノコの決意

思いがけずちょっとしたこどでズドンと落ち込んだ。娘(3歳)に「あー、ママはなんか元気がないみたいだよー」と言ったら、「だいじょうぶだよ、ナナがついてるよ」と言ってくれた。そうだ、キミは私のスターだ。全てが大丈夫な気がしてきた。ありがとう、娘よ。

言葉とは不思議な力がある。先日、ちょっとムッとすることがあったので、「まったくさあ、頭にキノコだよ」とイオくんに愚痴ると、彼はキョトンとした。え? 頭に

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山の上のパン屋に人が集まるわけ

山の上のパン屋に人が集まるわけ

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⏩わざわざで購入すると特典付きです。

初めまして。株式会社わざわざの代表の平田はる香と申します。これからnoteに経営のことを中心に書き綴っていきたいと思います。最近の趣味は、会社の現状分析です。夜に好きなお酒を飲みながらデータを見ながら会社のことを考えるのが大好きです。

このnoteにはパンと日用品の店「わざわざ」の経営から考えたことを書いていきたいと思ってい

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ノスタルジック、それは“紅”――東京・神楽坂

ノスタルジック、それは“紅”――東京・神楽坂

written by: SAKI.S

神楽坂。かぐらざか。

なんて良い響きなんだろう。

かぐら、ざか。坂とついている地名に、どことなく憧れがある。くねくねした小径がいっぱいあって、ふとした拍子に迷いこんでしまうような。

そんな、どことなく迷子になれる、わくわくを残してくれてる気がする。(実際に住むとなると大変だけれど)

そう、神楽坂もそんなところだ。

JR飯田橋駅から降りて、ひたすら

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フォトグラファーが祭りと向き合ってみる。

フォトグラファーが祭りと向き合ってみる。

はじめて見た能登の祭りがあまりにも衝撃的でした。

僕は祭りを追いかけるために勤めていた会社をやめて、石川県・能登へ移住しました。はじめて見た能登のお祭りは『あばれ祭』。「お祭り半島」とも呼ばれている能登にあって、夏祭りの先陣をきって行われるキリコ祭りです。

「キリコ祭り」はあまり聞きなれないかもしれませんが、日本遺産にも認定されている祭りです。巨大な燈籠(キリコ)を担ぎ出し、威勢の良い掛け声や

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悪循環でしかない「努力」もある

悪循環でしかない「努力」もある

人は「これだけ努力したんです」と言いたい努力をしているのではないか。

しかし「これだけ努力をしてるので」なんて,自信を持って言えない。できない人間だと思われることよりも,「これだけ努力してるので」なんて言い返せないのが悔しいこともある。
昔より今の自分ならもっと上手くできることも,確実にあるのだが。

目に見えて「これだけ努力」をしていた時期もあった。そして結果ではなく「visibleな過程」の

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お金がないなら耳目を集めろ

お金がないなら耳目を集めろ

SNSをがんばって運用していると、もっと年上の人たちに「なんでそんなに毎日がんばってんの?お金もらってるの?」と聞かれたりする。

まぁ、1つは楽しいからやっている。正確には楽しくなるように仕組化して、楽しみながらも自分に利益が循環して、かつそれで誰かにも利益を回せるようにしたくてやっている。

もう1つは、あけっぴろげに言えば「お金がないから」だ。

言うまでもなく、SNSは初期投資がほぼ無料に

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「ブックス海」

「ブックス海」

生まれ育ったマンションのすぐ目の前に、小さな本屋さんがあった。名前は「ブックス海」。店長はちょっとクマっぽくて髪がボサボサと伸びたおじさんだった。

本屋まで歩いて10秒なんて、今思えばめちゃくちゃ贅沢な環境だが、当時子どもだった私には、電信柱とか野良猫くらいそこにあって当たり前のものだった。

小学校に入った頃から自然に「ブックス海」に入り浸った。立ち読みばかりしてたが、クマ店長は何も言わなかっ

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なぜ「お茶が好き」と言えないのか。

なぜ「お茶が好き」と言えないのか。

好きだという自覚がなくとも熱中できたり,考え続けることができたり,気分が最悪な日もお茶を点て続けたりできる。1日の過ごし方を考えることは,1日のどこにお茶の時間を設けるかを考えることであり,プライベートでもお茶がきっかけの人々と会っている。

しかし,別に「お茶が大好きです」と話したことはない。少なくとも,自分からそのようなポジション取りをしたことはない。

ではなぜ現代茶道を(学士から修士まで)

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「やりたいこと」はなくてもいい

「やりたいこと」はなくてもいい

「将来、やりたいことないの?」これは私が、就職したての時に、先輩や代表に言われていたことです。
この答えは、「ないです。でも今はまずはいろいろやってみたい。」です。数ヶ月に1回組まれるミーティングの中で、やっぱりこの答えが変わることがなく、「いつになったらやりたいこと見つかるの?」と言われているようで、自分に自信がありませんでした。

そんな私が自分に自信がついたきっかけまさにタイトルの通りで、「

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